水上勉のレビュー一覧

  • 金閣炎上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昭和25年7月2日未明に金閣寺が寺の小僧による放火で全焼した事件を考察したドキュメンタリー小説。
    筆者は自身もかつては修行をしたことがあり、犯人である林養賢とも一度だけ会ったことがあるといい、ジャーナリストが描いたものとは一線を画す、私小説のような、身近なこととして扱っているような感じだった。

    時間をおいて、三島由紀夫の書いた『金閣寺』と、水上氏の金閣寺での火事を題材とした小説『五番町夕霧楼』も読んでみようと思う。

    それにしても、最近こんなに改行が少なく、文字数の多い本を読んでいなかったので、とても読むのに時間がかかってしまった。
    情けない。

    0
    2015年11月13日
  • 櫻守

    Posted by ブクログ

    読みやすい文章と納得できる展開で感情移入できるところが好き。2編収録だが表題作より2作目の「凩」の方がいいと思った。親の気持ちと人生を振り返る心境が自分のことのように伝わる。名作だと思う。

    0
    2013年11月06日
  • 飢餓海峡(下)

    Posted by ブクログ

    ミステリーとしてはあんまり評価できないが、そもそも本作は人間を描き出すことに主眼があるのだろうからその点は問題ないのかも。
    ただ京一郎の描写は正直あまり感心しない。
    八重とか刑事、時子らと比較し、何処か薄い感じがする。
    最終的にはこの人物の葛藤に収斂していく訳だから、ミステリーとしての弱さがこの人物、ひいては本作の重厚感に物足りなさを感じさせてしまっているのかもしれない。

    0
    2013年09月29日
  • ブンナよ、木からおりてこい

    Posted by ブクログ

    水上作品にしては珍しく可愛らしい、そんな印象の本です。
    私は水上さんの作品では「般若心経を読む」が一番好きです。
    この本に流れている思想は「ブンナ」にも描かれているのではと考えます。
    そこで、ちょっとだけ「般若心経を読む」の紹介も書きます。
    これは、小説ではなくて、水上さんがご自分の一生を、般若心経の教えに鏤められている「色即是空」と、照らし合わせて書かれているエッセィーです。
    私は、それまで多くの「般若心経」の解釈や解説を読みましたが、
    水上さんの本ほど、頭をガ〜〜〜ンと打たれ、
    一言で言えば、
    「壮絶」
    なのです。
    本の帯には、こう書いてあります。
    〜〜〜〜〜〜
    人間はなぜ瑣事に悩み、色に

    0
    2013年06月27日
  • 雁の寺・越前竹人形

    Posted by ブクログ

    表題作。推理小説として読めばたいしたことはない(もちろんこんなのを「書け」と言われても到底書くことなんてできないけれど)。
    小説としてみれば奥が深い。

    まだ何作かしか読んだことはないけれど、水上勉という人はかなりコンプレックスがあったのかな。見かけに。背が低いとか、頭がでかいとか。なぜかそんな主人公に行きあってしまう。

    0
    2012年07月17日
  • 飢餓海峡(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「砂の器」からの流れで絶賛されていたので、初水上。
    下巻になってイッキに面白さが増しましたが、
    最後、なにかどんでん返しあるのかな~思ってたら、
    何も無いまま終了でした。
    ミステリーや推理じゃなくて、人間ドラマ小説ですね。

    古い小説ですが、読みやすくってよかったです。

    0
    2011年10月20日
  • 故郷

    Posted by ブクログ

    人の、生まれ育った故郷への郷愁の念と、その地へ林立する原発のこと、人が生きること、死ぬこと、親から子へ、孫へ、受け継いでいくもの。変わらぬ風景と時の流れと人の心、そこへ容赦なく影響を及ぼす国や社会の変化。この時期だから尚更、、色々考えさせられました。

    0
    2011年04月28日
  • 故郷

    Posted by ブクログ

    「カス笑い」って言葉初めて。
    自分の心をごまかすときにする何とも嫌な作り笑いのことだそうだ。
    確かにこれをする人が私のまわりにもいる。

    「男はあまり笑顔を売るものではない」
    こういうこと言ってくれる女性、素敵です。

    0
    2011年01月07日
  • 飢餓海峡(上)

    Posted by ブクログ

    水上作品はわりと好きでだいぶ前に読んだ作品ですが‥
    上下巻。名作ですね。
    水上作品では女性の描写がいつも印象に残るな~と思います

    0
    2010年02月07日
  • ブンナよ、木からおりてこい

    Posted by ブクログ

    ブンナの素直な心がいい。
    いつ地上に戻るんだ〜〜と思って読んでましたら、メインが木の上での話だということに途中で気づく(笑)
    ねずみの死体から蝶が飛ぶ(?)シーンが美しくて印象的。

    0
    2009年10月04日
  • 雁の寺・越前竹人形

    Posted by ブクログ

    やはり名作と呼ばれる物は面白いのだなと改めて思わせてくれた本。
    2編とも、物語自体には、激しい起伏は無いのに、どちらも妖艶であり、その景色が目に見えるように美しい。特に雁の寺、雁の襖絵が色鮮やかに、眼前に広がりました。

    0
    2009年10月04日