【感想・ネタバレ】ブンナよ、木からおりてこいのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年07月20日

トノサマがえるのブンナは、ある日椎の木のてっぺんに登った。しかし、そこは鳶が餌を貯蔵するところだった。雀や百舌、鼠、へび、牛がえるが次々に運ばれてきて、誰もが生きたいと泣き、後悔し、あがき、そして鳶に食べられた。ブンナは恐ろしくて降りられなくなった。そして、生と死について考えるようになった。果たして...続きを読むブンナは生きのびて木から降りられるのだろうか。水上勉が子どもたちのために、そして大人たちのために編んだ童話。

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Posted by ブクログ 2013年09月18日

時々、まさにちょうどそれを必要としていたんだ、というタイミングで、そういう本に出会う事があるけれども、この本はまさしくそういう本でした。
内容は全く知らずに、ただ単にカエルが主人公だという情報のみで手にとって読んだのですが、これはとても大事なことを教えてくれる本でした。
こどもにも読めるような語り口...続きを読む調の文章でありながら、その内容は重く、せつなく、でもとても大きなメッセージを含んだものだと思います。
「きょう一日を生きてゆくよろこび」。この命は、おおぜいのいのちの一つ。それは、ただ単に食物連鎖の話をしているだけではないと思う・・・。
この世に何も残してゆけない私だけれど、どうか願わくば、死んだあとは焼かれて骨つぼに収められるのでなく、土に還ってそこから虫や植物が生まれ育ちますように・・・。そうして私もまた、このイキモノたちのおおぜいのいのちのひとつに加わりたいなあ、と思うのでした。

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Posted by ブクログ 2010年05月17日

いろいろあった中学校の時、売店のおばさんにこの本を
勧められて読みました。それから人生変わった気がします。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

水上勉の書き下ろし児童文学作品!!めっちゃオススメです。木登りが得意のトノサマガエル、ブンナが木の上まで得意になってのぼると、なんとそこは、鳶のえさ置き場だったのです。えさとして運ばれてきた動物たちの話が、人間の本性を表しているようで、とっても奥深いのです。水上勉が、母親が子どもに朗読してやるように...続きを読む書いた作品なので、読み聞かせにはもってこいです。ウチの娘たちが3〜4歳のころに初めて読んでやりましたが、その後、何度もくり返し読んでやっています。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

カエルの話。表紙で敬遠しないでください。人生の縮図がここにあります。何かを学び感じること間違い無しの一冊です。

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

舞台劇用に作られた作品ということで、舞台で演じられるところが目に浮かぶような内容だった。
カエルでありながら、椎の木のてっぺんを目指し、そこで遭遇するトンビに連れ去らわれてきた様々な生き物の様子を描く。
日頃、強さを装っているものでもあっても、そうした姿だけではないという一面を描くとともに、他者の気...続きを読む持ちを理解することと、日々生きていくことの価値を描き出す。
舞台を見てみたいと思った。

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Posted by ブクログ 2024年01月18日

読む前は、童話であり、お寺近くに住まうカエルや動物たちが出てくる話だから、ホッコリするものかと思いきや、壮絶な物語でした。

冒険大好きで跳ぶことが得意なトノサマガエルは大きな木を見つけ、好奇心から高いところまで登りますが、危険な場所にたどり着き、そこから大きく物語が始まります。
色んな動物たちの優...続きを読むしさや思いやり、時には非道さや残酷さが描写され、自然ってこんなに弱肉強食の世界なんだな、でも、美しいところもあるんだなと感じました!
少し教育じみてる部分もありましたが、改めて普段の生活では気づけない大切な事を学べました!

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Posted by ブクログ 2018年06月10日

1972年初版、1980年改版。トノサマガエルの主人公がシイの木の上で見聞きした話。弱肉強食の世界と不合理を受けいれ、生きる上で大切なことを考えさせてくれる。2018.6.10

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年06月12日

幼い頃に相国寺の塔頭に小僧に出された経験のある水上勉さんらしい輪廻転生や今を生きることの大切さなどをわかりやすく物語にした児童文学です。

トノサマがえるのブンナくんが高い椎の木のてっぺんに登るんだけど、そこは恐ろしい鳶がエサを貯蔵しておく場所だったんだ。
そこで半殺しの状態で死を待つだけの状態にな...続きを読むったかつての天敵たち:ヘビやモズなどの会話をこっそりと聞くんだけど、そこからブンナくんはいろんなことを学んでいくってお話でした。

過去の悲しみや世間の不条理は常にあるけれども、生きるよろこびを謙虚に受け止めて、今を生きていこうってお話でした。
素晴らしいお話だったよ!

ちなみに「ブンナ」って名前は、お釈迦さまのお弟子さんの名前からとったんだそうです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年01月17日

いつ読むのが正解なのだろうか。それがこの作品を読んだ正直な感想。童話のような仕立てでありながら、残酷な地獄絵図さえ見せる生き様の物語。子供のころ読んだらうなされそうな気がする。
ブンナは両親とは死に別れ、ツチガエルの仲間と暮らす孤独なトノサマガエル。特技は木登りで、椎の木のてっぺんに登って生活がした...続きを読むいと考えるようになり、登ってみるが、そこは鳶のえさ場だった。次々運ばれてくる獲物たち。生への意地汚いほどの執着、死の恐怖。
学生のころ、よくこの作品がの演劇が近所の公会堂などで演じられているのを広告で目にして、題名は知っていた。恐らく教育的な内容のものだろうな、と漠然としたイメージしかなかった。鳶のえさ場に落とされた、傷ついた獲物の姿、その言動は、まるで戦争映画の残虐な場面を集めたような生々しさで。仏教の曼荼羅のような、丁寧で鮮やかさな筆致に目が眩む。自分が子供だったら読みたくないと思う。子供にはかなりきつい内容、しかし大人としては教えたい、この葛藤。読み終わってしばらく経った今も悩んでいる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年05月01日

この本はもう20年以上前
ある事で悩んでいるときに、偶然手に取った本です。
今でも何かの時に思い出し読み返していて
もうボロボロになってしまっています。


ジャンルは児童文学。著者は水上勉さんです。
もともとは1972年に『蛙よ木からおりてこい』という題で刊行されました。
青年座によるお芝居や、ア...続きを読むニメ化もされているので
聞いたことがある方も多いかもしれません。、


内容のエッセンスとしては
生きとし生きるものはすべて
生命を頂いてその中を一生懸命に生きているんだ。ということ。
(ああ、文章にしてしまうとなんて陳腐)


主人公のトノサマガエル、ブンナは
自分の力試しに高い椎の木に登ります。
ある秋の日に、とうとうてっぺんまでたどり着き
「ここは天国だ」と有頂天になりますが
やがてその場所が実は恐ろしい鳶のえさ置き場だったと知ります。


ブンナはそこにあった土に隠れながら
鳶にさらわれてきた雀、百舌、鼠、蛇、うしがえる、などの
後悔、ざんげ、あきらめ、自慢、
母への思念を聞きます。
さまざまな動物たちが生への思いを語り
そして鳶にさらわれ、また息絶える。。。
ブンナそれに怒ったり驚いたり悲しんだりしながら
やがて、命の流れに気が付いていきます。


最後のページでブンナは仲間たちにこう呼びかけます。
「おーい、みんな、がんばって生きようね、きょう一日をね、
生きられるきょうのよろこびを・・・・きのうのかなしみなんかわすれてね・・・・
みんな声をあわせてうたおうよ」

この本は巻末に
「母たちへの一文」--あとがきにかえて--
という文章が付されています。
水上氏は、この文章を
母が子供たちに朗読するために書いたそうで
私も、母としての視点で読んでいたことが多かったのですが
最近はいっぽいっぽ手探りで進んでいる自分個人の視点から
読み直していることに気が付きました。


お子さんがいらっしゃる親御さん。
生きる意味を探しているお若い方。
今、悲しい報道ばかり錯綜している今の世に
心が揺れている、そんな方に。

小さなカエルのブンナからの
大きなメッセージが伝わるのでは。と。思います。

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Posted by ブクログ 2009年11月14日

水上勉は好きだけど、童話っぽいということで敬遠していた一冊。
しかしながらとても良い小説でした。
他者を殺して食べることなしには生きることができないという、忘れがちだけど当たり前の事実を、とてもわかりやすい形で示しています。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

タイトルも、主人公がカエルだという事も知っていたけれど、読んだ事のなかった水上勉さんの代表作。これは児童文学だけど、大人が読んでも面白い。
高い木に登ったブンナが、そこで見る(聞く)弱肉強食の世界。生きている物には平等に太陽は降り注ぐし、雨風は厳しい。でも平等だけど世の中は弱肉強食で、強い物は弱い物...続きを読むに容赦はしないし、賢い者は愚かな者を蹴落として生きていく。どんなに冷酷な者にも親は居て、親は無償の愛を子に注ぐ。
いじめが再び問題化する今、こうやって読むと、とても感じるものがあります。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

これは小学生の時に読んだ大好きな本。アニメっぽい挿絵が入ったりして一見童話のようだけど、大人に読んでもすごくいいと思う。自然の摂理というか弱肉強食の世界から、生きることの大切さまで色んなことを教えられます!

「ブンナよ、お前はいつでも死ぬ覚悟はできているか」
「みんなの命はつながっている。自分ひと...続きを読むりの命じゃないんだ。だから大切に生きようよ!」
この本にはなかなかいい言葉がいっぱい。小動物の世界なのにね。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

弱肉強食の世界を、偽りなく伝えてくれていると思う。
生きることを当たり前に思わせない、小学生にも読んでもらいたいなって思う。

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Posted by ブクログ 2013年06月27日

水上作品にしては珍しく可愛らしい、そんな印象の本です。
私は水上さんの作品では「般若心経を読む」が一番好きです。
この本に流れている思想は「ブンナ」にも描かれているのではと考えます。
そこで、ちょっとだけ「般若心経を読む」の紹介も書きます。
これは、小説ではなくて、水上さんがご自分の一生を、般若心経...続きを読むの教えに鏤められている「色即是空」と、照らし合わせて書かれているエッセィーです。
私は、それまで多くの「般若心経」の解釈や解説を読みましたが、
水上さんの本ほど、頭をガ〜〜〜ンと打たれ、
一言で言えば、
「壮絶」
なのです。
本の帯には、こう書いてあります。
〜〜〜〜〜〜
人間はなぜ瑣事に悩み、色に惑うのか。
悩み、惑い続けながら、なぜ「生」に執着し「色」に執着するのか。
自ら煩悩の熱い炎に焼かれ身悶えしながら、なお人間の真実に迫ろうとする水上勉が、一筋の光明を求め、「心経」を一休和尚に問い、正眼国師に質す。
その苦悩の果ての悟りとは、、、、、
〜〜〜〜〜〜
のたうち回り、自らを「愚かだ」、おろかだと、言い、
這いずり回って、その生を生き抜いた水上勉。

読者が「安心」できる本でした。

人間の極限に追い詰められた「愚かさ」は、まさに自分のものであり、
自分こそが、「この のたうち回っている水上勉である」。
「生きる」ということが、どんなに凄まじいものであるかを、教えてくれます。
そして、
「不浄である」人間に一縷の光を、確かに指し示してくれる本であると、私は思います。
人間が、間違いを犯す者であることは、古今東西、多くの哲学、文学で語られています。
間違いをおかす 故、
神(仏)は無謬である、と思いたい。
しかし、その神(仏)とて、人間が愚かな知恵で生み出したものである。
神(仏)もまた然り。
人は、神(仏)と共に、
愚かさを共有して、生きていかなければならないのでしょうか???
ひたすら、
愚かに、生きまくった水上勉。

ブンナもそうでしたが、
作者は読者に近い位置にいるんだと、改めて思うものです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ブンナの素直な心がいい。
いつ地上に戻るんだ〜〜と思って読んでましたら、メインが木の上での話だということに途中で気づく(笑)
ねずみの死体から蝶が飛ぶ(?)シーンが美しくて印象的。

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