藤山素心のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこんな終末の場が存在していたら。。
そう思いながら読んでいた。
Make Your Wish。
そんな団体が存在していることは知っている。
それの大人版。
『理想だけではご飯を食べられないが、理想をなくして食べるご飯は美味しくない。』 273頁
介護の世界に飛び込む時は、ひとりひとりを尊重し、よりよく生きて欲しい。と願っていると思う。
しかし、忙殺される中で、いつしか、介護者は「目の前を通り過ぎる人」になってしまい、そこに感情はなくなってしまう。
それが嫌で、飛び出した主人公。
『とある国には「パラダイス・クロッシング」という童話があるという。
それは取り返しのつかない後悔の先には、必ず楽園に通じる十字路があるから、道を間違うなという物語。
道を間違うと、その十字路には二度と戻れないのだから──。』279頁
最後に選択したのは何処への道なのだろうか。
きっと、戻っていることを願う。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ理想だけではご飯を食べられないが、理想をなくして食べるご飯は美味しくない。
(夏陽の祖母の言葉)
介護福祉士として働く夏陽は、十年働いた在宅型有料老人ホームを退職した。入居者の死に際して、機械的で温かみのない看取りを繰り返す事に、心が折れてしまったのだ。
そんな時、過去に担当していた入居者からの手紙が届いたことをきっかけに、入居者の最後の願いを叶える特殊リゾート施設「楽園クロッシング」に転職することに。
藤山素心さん、「総務部クリニック課」シリーズから読み始めたので、ここまで重いテーマに踏み込んでくるとは思わなかった。
患者の気持を汲みとれば、つらい、悲しい、苦しい気持ももれなく受け取ってしまうだろうに…
夏陽も、他のスタッフの面々も、まだまだこの苦難を乗り越えられているわけでもなく、それでもまた次の入所者の最後の願いを叶えようとする強さは、どこから生まれてくるんだろう。
終末期医療のあり方や、介護者と介護を受ける患者との距離感など、考えさせられた一方で、夏陽と最後の時間を過ごした患者は、それで…おいくら「楽園」に支払ったんだろう?と思ってしまった。
理想と現実の間を埋めるのは、結局資金力、なのか…?
「メイク・ア・ウイッシュ」の活動についての講演では、どんなに重い病状のこどもの前でも、絶対に悲しい顔を見せないのがルールだと話されていた。講演だけでも大泣きの私にはとてもボランティア参加は無理なので、せめてグッズを買ったりしてはいるけれど…そんな程度じゃね…
-
Posted by ブクログ
ネタバレ仕事は「できるし向いてる」
「できるけれど向いていない」
「できないし向いていない」
「できないけれど向いている」から
「できないことをがんばるより、
できないことを探してがんばる」
このあたりの話、すごーく腑に落ち、
心が軽くなっていく。
実際、苦手なことも
任されれば何とかこなすが
ストレス度半端ないことも
周りからは「出来るし向いてるよ」と
言われること多し。
出来る=向いていると安易に
決めつける人が、多い気がする。
仕事だから、もちろん
やらなければいけない時はあるけれど
勝手に向いている…と決めて
振られる辛さあるよね…。
このシリーズは自分の中で
モヤモヤしていたものが
そうか…そうだったんだ…と
気付かせ心を楽にしてくれること多く
大好きだし、感謝です。 -
Posted by ブクログ
偶然の出会い、だが、必然の出会い。何年かに一度、こういう素晴らしい作品とな出会いが訪れる。
仕事をしていると、ついついお医者様に行く事を後回しにしてしまう。
世代的なものも大いにあるのだろうけど…
しかし…考えてみれば、そういう類いの体調不良的な事だけではなく、仕事によるストレスや重いストレスやプレッシャーを受けたからこそ知る自分の特性や不調って社会人だからこそあるものなのだから、産業医ではなく医者が会社の1つの部として存在するというのは理にかなっているっと納得というか、だよねっという目から鱗でした。
こういう企業が存在するのならば、私は絶対に働きたいと思う!
ある程度の規模には必ず、中小であれば複数の企業で1つのクリニックを持つという法律を義務付けて欲しいと思う。
形ばかりの福利厚生(クリスマスカードだのお菓子だのを配る)より、余程、働く人達ことを考えている制度になると思う。
切り口としては、身体の不調から見る人間の繊細さ、千差万別さが、各登場人物をよりリアルに感じられる作品。
少し、先生と薬剤師のキャラが少女漫画チックと感じてしまうが…そこはなんというか、小説としては各登場人物の繊細さやリアルさにかえってフォーカス出来て良いのではないかとは個人的に思う。
是非、ビジネス書のコーナーに一緒に並べて頂き、多くの人に読んで欲しい作品!