藤山素心のレビュー一覧
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ネタバレこんな終末の場が存在していたら。。
そう思いながら読んでいた。
Make Your Wish。
そんな団体が存在していることは知っている。
それの大人版。
『理想だけではご飯を食べられないが、理想をなくして食べるご飯は美味しくない。』 273頁
介護の世界に飛び込む時は、ひとりひとりを尊重し、よりよく生きて欲しい。と願っていると思う。
しかし、忙殺される中で、いつしか、介護者は「目の前を通り過ぎる人」になってしまい、そこに感情はなくなってしまう。
それが嫌で、飛び出した主人公。
『とある国には「パラダイス・クロッシング」という童話があるという。
それは取り返しのつかない後悔の先には、必 -
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ネタバレ理想だけではご飯を食べられないが、理想をなくして食べるご飯は美味しくない。
(夏陽の祖母の言葉)
介護福祉士として働く夏陽は、十年働いた在宅型有料老人ホームを退職した。入居者の死に際して、機械的で温かみのない看取りを繰り返す事に、心が折れてしまったのだ。
そんな時、過去に担当していた入居者からの手紙が届いたことをきっかけに、入居者の最後の願いを叶える特殊リゾート施設「楽園クロッシング」に転職することに。
藤山素心さん、「総務部クリニック課」シリーズから読み始めたので、ここまで重いテーマに踏み込んでくるとは思わなかった。
患者の気持を汲みとれば、つらい、悲しい、苦しい気持ももれなく受け -
Posted by ブクログ
ネタバレ仕事は「できるし向いてる」
「できるけれど向いていない」
「できないし向いていない」
「できないけれど向いている」から
「できないことをがんばるより、
できないことを探してがんばる」
このあたりの話、すごーく腑に落ち、
心が軽くなっていく。
実際、苦手なことも
任されれば何とかこなすが
ストレス度半端ないことも
周りからは「出来るし向いてるよ」と
言われること多し。
出来る=向いていると安易に
決めつける人が、多い気がする。
仕事だから、もちろん
やらなければいけない時はあるけれど
勝手に向いている…と決めて
振られる辛さあるよね…。
このシリーズは自分の中で
モヤモヤしていたものが
そう -
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偶然の出会い、だが、必然の出会い。何年かに一度、こういう素晴らしい作品とな出会いが訪れる。
仕事をしていると、ついついお医者様に行く事を後回しにしてしまう。
世代的なものも大いにあるのだろうけど…
しかし…考えてみれば、そういう類いの体調不良的な事だけではなく、仕事によるストレスや重いストレスやプレッシャーを受けたからこそ知る自分の特性や不調って社会人だからこそあるものなのだから、産業医ではなく医者が会社の1つの部として存在するというのは理にかなっているっと納得というか、だよねっという目から鱗でした。
こういう企業が存在するのならば、私は絶対に働きたいと思う!
ある程度の規模には必ず、中小 -
Posted by ブクログ
藤山素心『Dr.グレーゾーン』双葉文庫。
5話収録の連作短編集。
医師の本橋桂と看護師の福留千麻莉の2人だけが働く雑居ビルの2階にある完全紹介制のクリニック。そこを訪れるのは、中学校教師、議員、内科医、作家、法人理事長と『センセイ』と呼ばれる人物ばかり。
そんな『センセイ』たちの悩みや人生の迷いに対して現代医療のグレーゾーンを巧みに使い、クリニックを訪れる人たちに救いを与える型破りな医師の活躍を描く。
なかなか面白かった。
『相談1 あいつさえいなくなれば 中学校教諭』。
作中に登場する愛玩子と搾取子という言葉は初めて聞いた。作中の説明で、ある可哀想な男の子のことを思い出した。そ