あらすじ
老人ホームで介護士として働く稲夏陽。理想を抱いて就いたはずの介護職だったが、勤務十年目にして、現実とのギャップに心が折れそうになっていた。そんなとき、元担当入居者からの手紙をきっかけに、終末医療や看取りの介護を受けざるを得なくなった患者たちの最期の願いを叶える特殊リゾート施設「楽園クロッシング」に転職することに。夏陽は理想の「看送り」を探して成長しながら、介護士としての自分を取り戻していく。自分らしく生きて、死ぬこととは――。心を揺さぶる感動のヒューマンドラマ!
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Posted by ブクログ
こんな最期の時間を過ごせる施設、素敵だなと思い読んでいました。
ここまで人も時間もお金も動員することは難しいけど、どんな願いを持っているかもっと深掘りしなくてはなと反省。
プライベートの私と、仕事の私
Posted by ブクログ
こんな終末の場が存在していたら。。
そう思いながら読んでいた。
Make Your Wish。
そんな団体が存在していることは知っている。
それの大人版。
『理想だけではご飯を食べられないが、理想をなくして食べるご飯は美味しくない。』 273頁
介護の世界に飛び込む時は、ひとりひとりを尊重し、よりよく生きて欲しい。と願っていると思う。
しかし、忙殺される中で、いつしか、介護者は「目の前を通り過ぎる人」になってしまい、そこに感情はなくなってしまう。
それが嫌で、飛び出した主人公。
『とある国には「パラダイス・クロッシング」という童話があるという。
それは取り返しのつかない後悔の先には、必ず楽園に通じる十字路があるから、道を間違うなという物語。
道を間違うと、その十字路には二度と戻れないのだから──。』279頁
最後に選択したのは何処への道なのだろうか。
きっと、戻っていることを願う。
Posted by ブクログ
理想だけではご飯を食べられないが、理想をなくして食べるご飯は美味しくない。
(夏陽の祖母の言葉)
介護福祉士として働く夏陽は、十年働いた在宅型有料老人ホームを退職した。入居者の死に際して、機械的で温かみのない看取りを繰り返す事に、心が折れてしまったのだ。
そんな時、過去に担当していた入居者からの手紙が届いたことをきっかけに、入居者の最後の願いを叶える特殊リゾート施設「楽園クロッシング」に転職することに。
藤山素心さん、「総務部クリニック課」シリーズから読み始めたので、ここまで重いテーマに踏み込んでくるとは思わなかった。
患者の気持を汲みとれば、つらい、悲しい、苦しい気持ももれなく受け取ってしまうだろうに…
夏陽も、他のスタッフの面々も、まだまだこの苦難を乗り越えられているわけでもなく、それでもまた次の入所者の最後の願いを叶えようとする強さは、どこから生まれてくるんだろう。
終末期医療のあり方や、介護者と介護を受ける患者との距離感など、考えさせられた一方で、夏陽と最後の時間を過ごした患者は、それで…おいくら「楽園」に支払ったんだろう?と思ってしまった。
理想と現実の間を埋めるのは、結局資金力、なのか…?
「メイク・ア・ウイッシュ」の活動についての講演では、どんなに重い病状のこどもの前でも、絶対に悲しい顔を見せないのがルールだと話されていた。講演だけでも大泣きの私にはとてもボランティア参加は無理なので、せめてグッズを買ったりしてはいるけれど…そんな程度じゃね…
Posted by ブクログ
読んでいて泣きそうになる場面が多々ありました。
藤山先生の作品は、登場人物がみんな心優しく、内容はもちろん、登場人物たちの姿でも心が浄化されます。
良かった!!!
Posted by ブクログ
介護士として働く主人公。
10年目のキャリアにして、
理想と現実のギャップの違いから老人ホームを辞めることに。
元担当入居者から受け取った手紙をきっかけに
終末期や看取りの患者さんほ最後の夢を叶える
「楽園クロッシング」に勤めることに。
従業員や終末期の入居者と関わっていく物語
Posted by ブクログ
わたしもこの施設で看取られたいな。
主人公にはもうちょい大人になって欲しい…とは思いましたが、まあ、それもいろんな考え方・性格があるので、仕方ないか。
だけど、看取ることが仕事というのもつらいでしょうね。
でも、登場人物が皆素晴らしい。
医師たちも、朔も。
それにしても、理想の施設。
本当にあって欲しいです‼️
Posted by ブクログ
登場人物の繊細な心情の書き込みに涙した。こんな夢のような施設があれば悔いなく人生を終えられるのだろうか。看護師となる上で理想の看護師像を掲げてはいるが現実は違う。私も看護師になるならここで働きたい。
Posted by ブクログ
癌末期の患者の最期の願いを叶える専門施設。
そこで繰り広げられるドラマ。
看護師が出てこないとろもミソなのかもしれない。医療知識があると、知識の分だけ先入観が入り、良くも悪くも、その人と無意識に距離ができるのかもしれない。ありのままのその人と関わるという点で、介護士さんは秀でていると感じた。専門職だから支えられるというより、最期は人と人との温かい交流がそのひとを支えるということが学びになった。
書店で惹かれて購入。ライトな文体でさくさくよめた。最期の願いを叶えられたら良いなと思う。
Posted by ブクログ
入居者の最期の願いを叶えて、穏やかにこの世を去って行ける場所『楽園クロッシング』のような施設は理想だ。現実には難しいだろうが、ファンタジーと切り捨てられない。永木理央と夏陽の交流には涙、涙。介護士の実態、終末医療について深く考えた。
Posted by ブクログ
こんな施設があったらいいなぁ。ほんとに作ってほしいし、自分も参加して作りたい。最期にみおくるっていうのはただの現象じゃないと思うし、ACPも含めてこうやってみんなでプランをその都度たてていけるようになってほしい、日本の医療!