香納諒一のレビュー一覧

  • さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ

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    ワーゲンタイプ2で生活の大半を過ごす写真家兼探偵?と言う主人公が、写真家としての仕事で出向く先々で事件に巻き込まれる短編集。
    どいつもこいつも裏があるんじゃないか?と穿った目で見てしまうが、なんだか実は…と読み応えがある。
    豆から惹くコーヒー、バーボンソーダなど自然の空気に触れながら味わうシーンはうらやましくなる。
    非常にほっこりした読後感を味わえる一冊。

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    2019年08月30日
  • 完全犯罪の死角~刑事花房京子~

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    事実を一つ一つ丹念に確かめ、推理を構築し、

    そしてまた、確かめる。



    刑事は「ニコイチ」が原則だが、

    彼女は一人で、粘り強く関係者の聞き込みに回り、

    徐々に真実へと近づいていく。



    それは、犯人にとっては、不安を増幅する崩壊への足音のようだ。



    花房京子は、警視庁捜査一課の女刑事。

    描写によると、身長一七五センチはあるかと思われる

    大柄な女性だ。



    洞察力、観察力はハンパないから、

    鋭利な刃物のようなキャラかと思いきや、

    のほほんと、あるいは飄々としていそうな感じ。



    仲間からは、「のっぽのバンビ」などと呼ばれている。



    物語は、老舗の家具屋「

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    2019年02月10日
  • 絵里奈の消滅

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    「熱愛」の鬼束が再登場。とは言っても、読んだ後にそれに気付いた。元刑事で私立探偵の鬼束の人物設定が引き継がれているだけで、特に今作と繋がりがあるわけでないので、前作が未読でも全く問題なし。

    一体どういう結末を迎えるのか、最後までハラハラ。淡々とした文章ながら、この作家さんの作品は読みごたえがあって、読むのを途中で止めることが出来ない。悪気があるようで自覚のない母親が一番未熟で罪深く、信じがたい存在だと思うが、昨今の世情を見ていると意外と居そうな気もして怖い。果たしてこの真相は暴かれて良かったのかどうか、疑問を問いかける終わり方だが、どれだけ隠していてもやはりいつかは破綻する時が来たんじゃない

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    2019年02月07日
  • 刹那の街角

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    捜査一課中本班
    刑事達が足で稼いだ情報から犯人が逮捕される、近頃には見なくなってしまった王道の刑事小説。
    刑事達も個性的で期待通り。

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    2019年03月20日
  • 無縁旅人

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    人がたくさん集まる都会。
    周りを多くの人が行きかい、喧騒にあふれ、
    活気ある都会に生きても、寂しい。

    いや、人が多くいればいるほど寂しさは増す。

    隣を歩いている人、座っている人は家族でも、友人でもなく「単なる人」。

    挨拶を交わすわけでも、心を通わすわけでもない。

    「単なる人」ばかりの中では余計に、「独りぼっち」という感覚が際立つ。

    十六歳の少女が、他人のアパートの一室で死体となって発見された。

    遺留品の中に、ネットカフェの会員証があり、捜査から、片桐舞子という名と、静岡の施設を逃げ出したことが
    判明する。

    十六歳の少女に何があったのか。

    他人の部屋で、なぜ殺されなければならなか

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    2018年08月11日
  • アウトロー

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    ネタバレ

    2018/1/25 楽天ブックスより届く。
    2020/10/22〜10/25

    ハードボイルド、と扉に書いてある、短編集。「真冬の相棒」、「傾斜」、「死者が殺した」、「五月雨バラッズ」、「蜘蛛が死んでる」、「愛しのアウトロー」の六編。いずれも一癖も二癖もある人物の哀しい結末が描かれている。香納さんは、この作品が出るまで兼業作家であったらしい。知らなかった。

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    2020年10月31日
  • 幻の女

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    1999年度、第52回 日本推理作家協会賞 長編部門受賞。普通の推理小説が文庫で700ページはいささか長い。世界を舞台にするとか、大映ドラマほどの劇的なストーリー展開があるとか、ならば納得はするのだが・・・しかしながら、この作品はもの凄く考えられて書かれている。著者がインタビューで、完成した2つのストーリーをボツにして世に出した作品と語るほどの力の入れようなのだ。読ませるし、飽きさせない。

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    2017年12月31日
  • 刑事群像

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     謎解きの重層性は、とても素晴らしい。
     ただ一つの疑問は、二つのシリーズが合体する必要性が、どれくらいあったのか?

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    2015年10月14日
  • 刑事群像

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    殺害され全裸で道路脇に放置された坂上実咲.捜査に当たる大河内,渡辺,庄野たち.奔放な実咲に関連する数名が捜査線上に上がるが,調べていくうちに3年前の事件との関連が出てきて捜査が展開する.元警官の沢崎も絡む.あまりにも多くの登場人物なので,メモを取りながら読み進めた.被害者の部屋に容疑者と息子を集めて,謎を解明する場面が秀逸.実咲が3年前に絡んだ殺人に関連して,意外な事実が明らかになる最後の場面も良い.しっかり楽しめた.

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    2015年10月08日
  • 刑事群像

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    警視庁捜査一課シリーズ、大河内率いる小林班と庄野率いる中本班のタッグ。

    「贄の夜会」等で活躍する大河内チームと「刹那の街角」で活躍する庄野チームが一緒に読めるなんて、何て私得。と言っても、既出の作品を読む必要はなく、今作は単独で読むことが出来ます。二班の合同捜査になっても、子供の喧嘩のような変なバチバチ感は少なく(ないわけではない)、ストレスなく読めて良かった。そういうお約束みたいな足の引っ張り合いの展開ってよくあるだけに、大事なポイントだと思う。そして、個々の捜査員による地道な捜査。一人の変人刑事による卓越した推理とかではなくて(そういうのもアリだけど)、捜査の積み重ねで得た事実の一つ一つ

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    2015年08月26日
  • 刑事群像

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    二人の刑事、大河内・庄野が別の作品にそれぞれ出ているらしい。
    香納作品の読者ではあるが、かなり昔に読んだので覚えていない。それを知らなくても作品は独立していて問題はない。
    事件を細やかに丁寧に捜査、推理、検証していく内容は自分に合っていて、読んでいて面白い。
    ただ、高級なマンションのセキュリティには説得力がやや欠けて残念だが、それを若い刑事が見つけて、それを褒めるべきか。

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    2015年07月07日
  • 刹那の街角

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    短編集。警視庁捜査一課中本班。

    まさにこれが警察小説!!と言いたいぐらい、真っ当な警察小説だった。決して今風ではなく、一昔、いや二昔(?)前の警察ドラマ(「特捜最前線」のような)を見ているよう。でも、それがイイ。名探偵が如く、推理力バリバリのキャラクター性の強い刑事ではなく、一人の人間としての刑事を読むことが出来る。一つ一つのストーリーも決して派手ではないけれど、深い人間関係や、意外な展開もあって、面白く読めた。最新作で、また中本班のメンバーが登場するようなので、その作品を読むのも楽しみ。

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    2015年02月13日
  • タンポポの雪が降ってた

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    とても若さを感じる短編集です。若さと言っても溌剌とした若々しさではなく、若さゆえの未熟さ・せつなさ・孤独感・そして希望を感じました。

    一番気に入ったのは表題の「タンポポの雪が降ってた」のラストかなぁ。

    ただ、

    「時速百キロ以上で走るバスと、たぶん同じぐらいのスピードで走っているにちがいない列車がすれ違うのに、四分も五分もの時間がかかるなんて、いったいどのぐらい多くの貨車を引き連れているのだろうか。」

    という文は、理系としてちょっと気になります。

    仮に、主人公が乗っているバスが時速百キロだとすると、時速二百キロの差となります。

    時速二百キロということは、60分で200kmで

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    2013年04月16日
  • 幻の女

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    主人公・栖本が5年前に別れた恋人・小林遼子に再会し、直後に彼女が殺害されたことをきっかけに物語が展開していく。
    彼女の正体、過去を知ろうとする栖本が探偵と協力しながら、裏社会に足を踏み込み徐々に真実に迫っていく。
    長編。分厚い。
    面白かった。

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    2013年03月28日
  • 蒼ざめた眠り

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    帯に惹かれて読んでみたが、当たりでした。主人公にも感情移入しやすく、最後も辛い終わり方でしたが、余韻があって良かったです。ジャンルとしてはハードボイルドでしょうか、ミステリー好きや警察小説好きにはお薦めです。

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    2013年02月05日
  • ただ去るが如く

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    元やくざの男が現金強奪事件に巻き込まれる。昔の組長の娘とその恋人、そして元相棒。複雑に人間関係が絡みながら事件は収束を迎える。
    大阪と日本海側の街を舞台にしている。

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    2013年01月28日
  • 血の冠

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    元警官の越沼が頭蓋骨を冠のように飾られて殺害された。それは26年前の「キング」と呼ばれた殺人犯による、迷宮入り事件の手口と同じだった。弘前中央署会計課の小松は、幼馴染みの警視正風間によって、捜査の最前線に立たされる。少年時代の2人はキングの被害者だったのだ。

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    2013年01月09日
  • 蒼ざめた眠り

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    2010年に『虚国』というタイトルで出版された本の文庫版です。

    実は、『虚国』、買っていたんですよねぇ。でも、単行本で厚くて(381ページ!)ずっと読めていなかったのです。

    それで、今回、気づかず買ってしまったのですが、作者曰く「連載時の原稿はほぼ捨て去り、書下ろしに近い形で書き上げた1冊です。」ということなのでいいかなー。そのうち読み比べてみよう。

    人間の業だなぁと思うところがたくさんあったし、ワクワクしながら読めて面白かったです。
    ハラハラ・ドキドキ成分は少なめ!

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    2013年01月07日
  • 幻の女

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    長かった。

    再会した女性が直後に殺され、留守番電話には「調べてほしいことがある」とのメッセージ。
    女性を調べれば調べるほど謎が深まる。
    彼女はそもそも誰なのか?

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    2012年10月05日
  • あの夏、風の街に消えた

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    何だろう、ミステリーじゃないよね。ハードボイルドミステリ?
    「青春」って言葉がぴったり。子供から大人になる切ない感じ、もうちょっと私は忘れてしまったけど(笑)
    学生運動や天安門事件など、少し時代が違うので、実感としてはわかないんだけど、充分楽しめました。京都も新宿も、ある程度想像可能な地域なのでそれも良かったかな。
    若干、現実にはちょっとあり得ないんじゃないのと思うエピソードもあったが、登場人物が魅力的で、引き込まれました。
    なんか良い、ていう言葉がぴったりかな。
    甘酸っぱいような、切ないような、気持ちになりました。

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    2011年10月03日