三宅香帆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三宅さんの繊細な読解力、洞察力、空気を読む感性に平服するばかり。一例を夏目漱石『こころ』から。卒業証書のくだりで、先生の証書のありかがわからないだけで、先生が過去から卒業できていないこと、さらにはそれが原因で未来を断とうとしていることの暗示が読み取れるって…まじで???
僕は過去に3回読んだ気がする。でもストーリーをわかった上で、あと10回読んでも、余裕でスルーする自信がある。それどころか、抜粋してこの箇所だけ示されても「へ~、だから何?」って具合だろう。恥ずかしながら。
三宅さん、感性が豊かなのはもちろん、感覚(文章に対する嗅覚)が敏感で鋭すぎる。その感性はいずこから?僕は、花より圧倒的に団子を選んでしまう悲しき実利主義者で、美意識が欠如している。それはある程度自覚している。でも読解力はあると思っていた。けどやっぱり読んで頭で理解するのと、心で感じるのでは違うわね。(ならせめて生きていく上での鈍感力が欲しいわ…) -
Posted by ブクログ
ネタバレ気になっていた本。
まず、タイトルの『幸せなら本なんて読まなかった』というところに共感して、心を惹かれた。
自分が本を読むきっかけの中に何かしらの悩みがあって、その悩みのヒントを得たいが為に似た小説を探すこともある。
一番面白い考え方、見方だなと思ったところが
『お母さんって役割であるだけであって、
むかしからお母さんなわけじゃない。
ー親と子みんなで家族だと思っていたけどちがう。
父と母が結婚した結果として子供が産まれたのであって、ふうふうの一時期を貸してもらっただけ。
そもそもこの家族は、ふたりが結婚しようとしたその時点で完結していて〜』という文章
私自身は、子供が家族の主役だと思ってて
親は子のためなら、出来る限り希望を叶えてあげたり、好きなことをさせてあげたりするものって思っていた。だけど、確かに2人が出会って結婚しなければ
何も始まらないし、そういう意味では合点がいく。
親視点で考えた時でも、子は授かり物で、いつか巣立っていくもので、自分の所有物ではないっていう考え方とも繋がる気がする。
いつか自分が親になった時も覚えていよう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分が発する言葉が自分を形作る、そのような考えを個人的に持っていましたが、この本も「自分の言葉を作りましょう」を絶えずテーマに置いていました。
また著者は「好きは揺らぐもの」と述べていますが、感情や記憶は刻一刻と忘れてしまうのもの。言葉にして書き留めておけば後から振り返ることができるので、言葉にして残しておけばよかったなとあらためて思いました。
・よかった箇所の具体例を挙げる→感情を言語化する(どこがよくて、どのような感情になったのか、それをなぜよいと思ったのか)
・相手と自分の情報量の差異を事前に把握する
・「どこへ連れていきたいか(ゴール、着地地点)」をあらかじめ考えておく
・書き出し:よかったところの説明、自分語り、文脈で共通項や新しさの説明、問いで始める
・書き終える:調べた内容を長々書かない、ありきたりな言い方を避ける
・修正:文章の順番の入れ替え、削除、見出しの追加 -
Posted by ブクログ
推しが「好き」という感情の捉え方、言葉での表現の仕方について書かれた一冊。好きなものが分からない、流行ってるから好きという傾向がある方に、是非手に取って欲しいと思った。
【感想】
専門用語は登場せず、分かりやすい言葉を使ってくれている。
便利な言葉(本文でいうクリシェ)に頼りすぎないことは同意。私も普段「すごい」は使わないようにしてる。その三文字では相手に伝えたいことの半分すら伝わっていないと思うから。
感想の生み出し方として、感情の核を見つけるために、思ったことを深く掘り下げていく手法を紹介している。掘り下げの思考が、トヨタのなぜなぜ分析と似ていると思った。
ネガティブ・ケイパビリティについて。この想いに適切な言葉が見つからない!、いつかピッタリな言葉と出会えますようにとモヤモヤをしまうことがよくある。このモヤモヤをしまう能力に名前がついていたなんて、驚きと学びだった。
最果タヒさんのモヤモヤを言語化してくれるところが私も好きで、ここでもまた共感。共感ポイントが散りばめられていて、たまにテンション上がる。
既知、実践済みの内容もあったので⭐︎3(>人<) -
Posted by ブクログ
2025.16
感想書き忘れてた
出てくる本を読みたくなる
良いブックガイド
本に救われる人生
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P3 まったく他人に相談しない人生だった。仲の良い人にも、自分の葛藤を伝えることはあまりない。進学先も就職先も結局自分ひとりで決めた。
P41 他人からしたら「まあまあ」となだめられるような苦しみであることは知ってる。だけど、それでも苦しくて、見て見ぬふりをすることができない。見て見ぬふりをしろだなんて言うやつが間違っている。だから「わるいのは、見て見ぬふりをしろだなんて言うあなた」なのだ。
P73 みんな無理しないほうがいいとか、ちゃんと休んだほうがいいって言うけれど(そしてそれは本当にその通りだと思うけど)、同時に、悔しいときはちゃんとがんばったほうが、あとから後悔することが少ない。悔しいときにがんばらなかったら、惨めな自分のままだし。
P87 面白いとか面白くない、ってのは受け手がそれぞれ下すべき判断であって、その判断を下す機会を誰も奪うべきではない。これが面白い面白くないの話だったらまだいいんですが、「なんか見てて不快だなー私の目に入れないでほしいなー」とか「えーこの言葉あんまりよくないと思うから、消したほうがいいよ!この言葉がなくったって意味とおるじゃん」とか思うようになると、いつのまにか『華氏451度』の世界へ近づいてゆく。
p137 夢は、眠りに落ちた私にだけ現れる現実。小川洋子の小説は、夢と同じように、私だけの現実を届けてくれる。〜そういう小さな瞬間のことを、私だけが知っていたはずで、そして私ももう思い出すことがないと思っていたのに、小川洋子が小説に書いてくるから、驚くのだ。
P140 眠りたいけどいろいろ考えちゃって眠れないときは小川洋子の短編小説を読むと、なんとなく落ち着いてすんなりと眠れるのでおすすめです。不眠症の方もぜひお試しあれ。
P172 あんたはこれからあの怖い怖い飛行機に乗るんだぴょん 実は、家を出てからずうっと頭の中でそういう声がけたたましく鳴り響いているのである。K嬢と話しつつも、荷物を運びつつも、その声は消えない。時にはあまりにも大きな声でそう言うので、電車のアナウンスが聞こえないくらいだ。しかも、なぜかその声の語尾は「だぴょん」なのである。その舐めくさった語尾のせいで、ますますイライラとパニックは募る。(『酩酊混乱紀行「恐怖の報酬」日記』)
P190 僕がひとりぼっちなのは僕がひとりぼっちだから僕はひとりぼっちなのだ。
P245 この漫画がバブルの華やかな時期に連載されていたことが奇跡。って言えるくらいには、稀有な漫画。でも、るきさんが絶妙に「こんなふうに生きられたら幸せだろうなー・・・・」って思える暮らし方をしていて。ほんとに、まじで、日常に疲れたみんなに読んでほしい。 -
Posted by ブクログ
凪良ゆう先生の作品を読み終えたあと、その表現の美しさに恋い焦がれ、余韻が止まらず、自分でも猛烈に小説を書きたくなった。
実際に書き出してみたが、やはり相変わらずの語彙の乏しさに加え、自分の表現の狭さに愕然としてしまった。
これまでも何度か小説に挑戦してきたけれど、どれもひとつの作品として完成させたことがない。
気づけば、中途半端で未完成の言葉ばかり散らばって、物語はいつも途中で息絶えてしまう。
そんな中、見つけたのが本書だった。
書評家である三宅先生が素直に良いと思ってきた作品の一部が切り取られながら、解説が進んでいく。重要な文は太字で書かれており、見やすい。
素直に物語の構造を学ぶことができた。
ただ、世に出ている有名作品の一部文章やネタバレがガッツリ挟まっているので、そちらが少し惜しかった。
解説と共に物語の表現方法を知る、というよりも、タイトル通りにも含まれている「名場面」をネタバレをされる覚悟で、小説の勉強をしたい人へ向けられた本だと思う。 -
Posted by ブクログ
この本、結構好きです。
三宅さんのことはYouTubeとかでよく観てて、「いけすかんなぁ」と思っていました、正直。
でもこの本はよかったです。
この本の感想書くのってプレッシャーかかりますよね笑
まず、好きなところ。
著者が「文章が好き」なことが伝わってくることろ。
この感覚は読書好きならきっとわかる。
それを強烈に感じた部分を紹介しまーす。
いつか消えてしまうかも知れない(著者はほぼ確実に消えると言っていた)「好き」という儚い感情を、文章にして永久に保存しよって書いてるのですよ。絶対、文章好きですよね?
それから、作中にでてくる引用文3つ。
これらが美しい文章なんですよ。推しを語る文章を書く人を、推したいと思ってしまうような変な感じ。
なんせ綺麗な文章やから読んでみて欲しい。
そして、もうひとつ好きなところ。
「暇と退屈の倫理学」で感じた、爽快感のある文章。
文章から連想されたことが、次の一行に置いてあるのよ。
先読みされる快感。自分の思考に勝手に丸を付けられたようで楽しかった。
そんなこんなで星3つ
為になる度はそこまで高くないけど、楽しく読めました。