網野善彦のレビュー一覧
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網野善彦 「 異形の王権 」 日本の中世史の本。中世史が こんなに人間的で 魅力的とは 思わなかった。
後醍醐天皇の異質性、後醍醐天皇が目指して国家、後醍醐天皇の衰退と非人など差別の関係など 面白かった
後醍醐天皇と 飛礫(つぶて) が印象に残った
渋沢敬三 「 絵巻物による日本常民生活絵引 」
*絵巻物を 歴史学、民俗学等の資料として読む〜画の意味
*絵巻物から個々の場面を抽出し模写する→身辺雑事に見える問題を歴史の対象とする→歴史学を命あるものにする
なぜ 蓑笠が非人、乞食の服装となったか
*蓑笠=一つの変相服装→神、まれびとの衣裳→蓑笠姿のまれびとは 妖怪となり〜乞食となった
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網野と鶴見という今は亡き二人の1993年の対談である。鶴見に引き出されて、網野の天皇制への主張の核がはっきりと示されている。内なる天皇制などとは言わず、生活の各層に潜む天皇制の在りようをつかまねばならないとする意志が明確である。平成が終わる今、以下の発言を記しておきたい。
「王は自分に独自の力があるから王なのではなくて、まわりが王と思うから王になれるのだ、といわれますけど、全くそうだと思うんです」「権力は社会の合意があって初めて維持し得るので、その合意が崩れるような事態が起こり、それを多数の人民が意志として表現したらあっという間に消し飛ぶと思うんです。人間は断じて力だけで押さえつけられているも -
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メモ:
日本の宴会の無礼講という考え方は、西洋では公的には失われている→キリスト教による社会統制が働いている
また、忘年会というのは一年間で元に戻るという日本人の時間意識を表している行事で、西洋ではそういうものはない→キリスト教は終末論
これらは、西洋で11世紀にキリスト教による意識の大転換が起こったことと無縁ではなく、これまで歴史学のものさしにされがちだった西洋の風習は、実は世界的に見れば特殊なあり方なのかもしれない
メモ2(p221)
"ヨーロッパがなぜ11世紀以降大きな変化を示したかというと、互酬の関係のなかで、お返しは天国でする、つまり死骸の救済というかたちでそれをいった -
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☆☆☆☆
この程度の深さで、日本の成り立ちから平安時代初期までを振り返れたこの一週間は貴重な時間だった。
「日本」という国の成り立ち、大陸(中国)や半島(朝鮮)との関係やその力関係による緊張感に影響される日本のありようは、昔に学んだ学校での歴史とは違った種類の知識を与えてくれた。
また、国の型ができ、その組織が作られ、複雑になっていく過程では、権力闘争が繰り返されていく。穏やかな時代の印象持っていた平城、平安時代においても、どの時代、どの国の歴史同様の血生臭い権力欲をみせられた。
この本が優れているのは「日本社会」の歴史を描いているところで、歴史のメインストリームに主眼が置かれてい -
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従来の、天皇と幕府の二重権力と農本主義に貫かれている日本史観を覆したというだけで、網野史観はスリリングだし、それだけで面白い。
その上、それぞれの時代のアウトローな存在たちに光を当てているのだから、学術書でありながらエンターテイメントの要素をはらんでいて、活劇を読むようにわくわくして読み進めた。
それが学術であれ、エンタメであれ、人の魂を揺さぶるものには、いつも無縁の原理が働いているという。
「無縁」というのは、現代的な意味での無縁とはちょっとちがう。
現代では「無縁仏」とか「無縁社会」とか、個人が社会の中で孤立している状態を指すのだが、網野史観による「無縁」の概念とは、「有縁」「有主 -
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【読んだきっかけ】網野善彦氏の研究に興味があった。古本屋にあったので買ってみた。
【内容】縁切寺、中世の市、遍歴する職人や芸能民など、歴史の表舞台に登場しない場や人々のうちに、所有や支配とは別の関係原理、〈無縁〉の原理の展開と衰微を跡づける、日本の歴史学を一変させた書物。(カバー説明引用一部改)
【感想】網野氏の本はこれまで中世の遊女や非人について書かれたものなどを読んでいた。これまでの日本の歴史と呼ばれるものとは違う部分にフォーカスしており大変興味深かったが、この『無縁・公界くがい・楽』も期待を裏切らない内容だった。著者は大名や家臣の縁に繋がる場や人々ではなく、そこから逃避する者や逃げ込む -
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網野善彦さんの本は面白くて好きだが、これはちょっと難しめだった。収められた論文はほとんど専門誌に投稿されたもので、つまり本職の歴史学研究者を対象としており、歴史上の用語はどんどん出てくるし、いちいちそれの解説なんて付いてない。
私はこれまで非人に関する本も、網野さんの本も、中世あたりに関する歴史の本も数冊読んできたので、かろうじてまあまあ理解できた。漢文は読めなかったけれど。もしそれらの本を読んでいなかったら、この書物にはお手上げだったかもしれない。
しかし内容はなかなか面白く、死体処理などを任され、年貢を免除されていた「非人」は中世(鎌倉時代)初期にはその「穢」が、穢を清める装置として機能し