網野善彦のレビュー一覧

  • 増補 無縁・公界・楽

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    ネタバレ

    乱暴なことかもしれないが、「有縁」の代表たる武士と「無縁」の代表たる朝廷。戦国時代までは住み分けが出来ていたが、徳川幕府による朝廷や寺社への法度、さらに明治の近代化により、社会全体の「有縁化」が進んだ。現代の差別問題は、一部、この有縁化がもたらしているのでは。

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    2020年05月04日
  • 日本社会の歴史 中

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    平安から鎌倉まで。
    藤原家が権勢をほしいままにするところからやがて武士が台頭する過程が細かく記述されている。
    印象に残った点としては、源頼朝が築いた鎌倉幕府を「東の王権」と称し、同時に天皇を中心とする「西の王権」と並立するものであると繰り返し強調しているところだ。
    藤原家➡平清盛➡源頼朝へと権力が移り、これ以降は武士の世になる、という直線的な見方で理解していたものだが、そう単純なものではなく、東西の権力が手探りで関係を作り、かつお互いを出し抜こうという綱引きを繰り返していたのかということが、これでもかというくらいに述べられている。

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    2020年05月02日
  • 対談 中世の再発見

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    読むと面白いのだけども、自分の問題意識とはマッチせず、途中でストップ

    読みたい本が多過ぎて、ガッツリとこないものは、どんどん飛ばしてます

    いや、こういう本があるとかじって知ってれば、そういうタイミングがきたときにまた読めばいいのだ

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    2020年05月01日
  • 異形の王権

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    網野善彦 「 異形の王権 」 日本の中世史の本。中世史が こんなに人間的で 魅力的とは 思わなかった。

    後醍醐天皇の異質性、後醍醐天皇が目指して国家、後醍醐天皇の衰退と非人など差別の関係など 面白かった

    後醍醐天皇と 飛礫(つぶて) が印象に残った

    渋沢敬三 「 絵巻物による日本常民生活絵引 」
    *絵巻物を 歴史学、民俗学等の資料として読む〜画の意味
    *絵巻物から個々の場面を抽出し模写する→身辺雑事に見える問題を歴史の対象とする→歴史学を命あるものにする

    なぜ 蓑笠が非人、乞食の服装となったか
    *蓑笠=一つの変相服装→神、まれびとの衣裳→蓑笠姿のまれびとは 妖怪となり〜乞食となった

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    2019年06月01日
  • 日本社会の歴史 下

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    なんとなくの日本史に対する思い込みを覆してくれる、刺激的な瞬間が何回かありました。面白いです。おすすめ。

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    2019年05月21日
  • 海民と日本社会

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    網野先生の海民にまつわる論考と講演集。日本という国の姿が、個々の歴史学者の地道な努力により徐々に明らかになっていく過程を振り返る意味でも、読み返すべき好著。

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    2019年03月08日
  • 歴史の話 日本史を問いなおす

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    網野と鶴見という今は亡き二人の1993年の対談である。鶴見に引き出されて、網野の天皇制への主張の核がはっきりと示されている。内なる天皇制などとは言わず、生活の各層に潜む天皇制の在りようをつかまねばならないとする意志が明確である。平成が終わる今、以下の発言を記しておきたい。
    「王は自分に独自の力があるから王なのではなくて、まわりが王と思うから王になれるのだ、といわれますけど、全くそうだと思うんです」「権力は社会の合意があって初めて維持し得るので、その合意が崩れるような事態が起こり、それを多数の人民が意志として表現したらあっという間に消し飛ぶと思うんです。人間は断じて力だけで押さえつけられているも

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    2019年03月03日
  • 増補 無縁・公界・楽

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    暴力のシステムが、ある程度の力を持つとき、それは少数者の保護を約束する。
     道々の輩、異形異類と言われる特殊な技能を持つ人々が、かつては職農民同士で国のようなものを作り、他の組織あるいは国と交流していたと説く。

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    2018年02月12日
  • 対談 中世の再発見

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    メモ:
    日本の宴会の無礼講という考え方は、西洋では公的には失われている→キリスト教による社会統制が働いている
    また、忘年会というのは一年間で元に戻るという日本人の時間意識を表している行事で、西洋ではそういうものはない→キリスト教は終末論

    これらは、西洋で11世紀にキリスト教による意識の大転換が起こったことと無縁ではなく、これまで歴史学のものさしにされがちだった西洋の風習は、実は世界的に見れば特殊なあり方なのかもしれない

    メモ2(p221)
    "ヨーロッパがなぜ11世紀以降大きな変化を示したかというと、互酬の関係のなかで、お返しは天国でする、つまり死骸の救済というかたちでそれをいった

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    2017年05月07日
  • 日本社会の歴史 上

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    ☆☆☆☆
    この程度の深さで、日本の成り立ちから平安時代初期までを振り返れたこの一週間は貴重な時間だった。
    「日本」という国の成り立ち、大陸(中国)や半島(朝鮮)との関係やその力関係による緊張感に影響される日本のありようは、昔に学んだ学校での歴史とは違った種類の知識を与えてくれた。

    また、国の型ができ、その組織が作られ、複雑になっていく過程では、権力闘争が繰り返されていく。穏やかな時代の印象持っていた平城、平安時代においても、どの時代、どの国の歴史同様の血生臭い権力欲をみせられた。

    この本が優れているのは「日本社会」の歴史を描いているところで、歴史のメインストリームに主眼が置かれてい

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    2017年04月28日
  • 増補 無縁・公界・楽

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    従来の、天皇と幕府の二重権力と農本主義に貫かれている日本史観を覆したというだけで、網野史観はスリリングだし、それだけで面白い。
    その上、それぞれの時代のアウトローな存在たちに光を当てているのだから、学術書でありながらエンターテイメントの要素をはらんでいて、活劇を読むようにわくわくして読み進めた。

    それが学術であれ、エンタメであれ、人の魂を揺さぶるものには、いつも無縁の原理が働いているという。


    「無縁」というのは、現代的な意味での無縁とはちょっとちがう。

    現代では「無縁仏」とか「無縁社会」とか、個人が社会の中で孤立している状態を指すのだが、網野史観による「無縁」の概念とは、「有縁」「有主

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    2016年09月18日
  • 増補 無縁・公界・楽

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    ネットで見かけて。

    面白かったし、読みやすかった。
    中世に寄進関係や主従関係で結ばれていない
    「無縁」のエリア、人々がいたらしいことは
    納得できた。

    その無縁所は
    ただ神聖な場所ということではなく、
    芸能に関係し、婚姻の無効に、借金の棒引きに有効なのはまだしも、
    犯罪をも帳消しにできるエリアだということが、
    今一つピンと来ない。
    納得できないというか。
    現代人の感覚なのか。

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    2015年11月23日
  • 日本中世の民衆像 平民と職人

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    網野先生はやはり偉大です。しかし日本人の歴史認識は五十年経っても進歩がないんだなぁ。別のIT関連(?)は凄い進歩しているのに。
    昔何があったか興味ない民族。忘れていく民族。今と先の進歩の方が大事な民族。それが日本人なのかも。思えば装飾されているとはいえ、中国人の方がその点両方(進歩も過去も)持っている。

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    2015年10月02日
  • 日本中世都市の世界

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    「素人目でみて、宗教、思想、文学、芸能等々は、みなそこ(無縁)に生まれ、そこから人間の魂をゆるがすに足る生命力を得ているように思われるのである。諸民族の農民反乱が、つねに、原始への復帰を根拠にもつ、宗教的な力を支柱にしていること、江戸時代の新宗教の教祖の多くが女性であること等々、こうした視角から、一つの解答をひき出しうる問題は、案外、多いのではあるまいか」中世とはむき出しの初源が近代社会を前に断末魔をあげた時代だったのではないかと思う。その断末魔をどうすくい取るのか、この本が示唆するところは大きい。

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    2014年01月04日
  • 増補 無縁・公界・楽

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    【読んだきっかけ】網野善彦氏の研究に興味があった。古本屋にあったので買ってみた。
    【内容】縁切寺、中世の市、遍歴する職人や芸能民など、歴史の表舞台に登場しない場や人々のうちに、所有や支配とは別の関係原理、〈無縁〉の原理の展開と衰微を跡づける、日本の歴史学を一変させた書物。(カバー説明引用一部改)
    【感想】網野氏の本はこれまで中世の遊女や非人について書かれたものなどを読んでいた。これまでの日本の歴史と呼ばれるものとは違う部分にフォーカスしており大変興味深かったが、この『無縁・公界くがい・楽』も期待を裏切らない内容だった。著者は大名や家臣の縁に繋がる場や人々ではなく、そこから逃避する者や逃げ込む

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    2014年01月04日
  • 増補 無縁・公界・楽

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    初めての網野本
    知らなかった分野なので割にためになる
    結論への飛び付き方は留保
    とりあえず他にもいろんな作品よんでから

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    2013年01月08日
  • 中世の非人と遊女

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    網野善彦さんの本は面白くて好きだが、これはちょっと難しめだった。収められた論文はほとんど専門誌に投稿されたもので、つまり本職の歴史学研究者を対象としており、歴史上の用語はどんどん出てくるし、いちいちそれの解説なんて付いてない。
    私はこれまで非人に関する本も、網野さんの本も、中世あたりに関する歴史の本も数冊読んできたので、かろうじてまあまあ理解できた。漢文は読めなかったけれど。もしそれらの本を読んでいなかったら、この書物にはお手上げだったかもしれない。
    しかし内容はなかなか面白く、死体処理などを任され、年貢を免除されていた「非人」は中世(鎌倉時代)初期にはその「穢」が、穢を清める装置として機能し

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    2012年11月23日
  • 異形の王権

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    小論集。江戸時代の「かぶき者」の前身とも言える「婆娑羅」を「異形」としてとらえ、なかなか興味深い考察をしている。
    この網野善彦さんは、もちろん第一線の歴史学者なのだけれど、考え方や論じ方が並の歴史学者とは異次元に属するかのような面白さ。どうやら彼は民俗学の動向に通暁していたらしく、歴史学と民俗学は協力しあって新たな知を発見していくべきだ、というようなことを本書の中で言っている。
    甥の中沢新一はこの網野善彦の影響をかなり受けていると思う。中沢さんの理論は、ちょっと問題を単純化しすぎている嫌いがあるが。

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    2012年11月15日
  • 日本社会の歴史 下

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    建武の新政から江戸初期まで。その後は最終章で簡略に語られるのみ。高校日本史程度の知識が無いと読み通すのに手こずるかも。最終章最終節を先に読んでおく方が網野史観を理解し易い。

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    2012年11月04日
  • 日本社会の歴史 中

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    菅原道真の時代から、14世紀初頭、後醍醐天皇まで。内容は面白いが、記述が教科書的で密度が高く、読みこなすのに時間がかかる。

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    2012年11月04日