網野善彦のレビュー一覧
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ネタバレ私にとって目から鱗の書籍でした。
近年海外からの圧力もありジェンダーレス、多様性、男女差別等の議論が不可避のものとなっていますが
本書では、地道に地道に真摯に積み上げてきた研究者達の灯が霧を晴らすがごとく中世日本のの景色を浮かび上がらせてくれます。時折ルイス・フロイスのなんだこれは?!という叫びのような報告書も交えながら、世界的にも珍しい女性が広く識字する稀有な文化が社会変動によって変遷していく日本の姿を旅します。
特に心に残ったのは以下の部分
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未開の柔らかな特質を強く持つ社会が、それ自体の内発的な発展のなかで、畿内の政治権力を中心として、すでに高度の文明のなかで鍛え上げられてきた -
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学校で習う歴史の授業では知ることが出来ない、日本の中世について、文献や絵画から人々の地位や職業や文化を探る本である。興味深かった。
いろいろな考察があるが、名前や女性や天皇の地位について時代とともにどう変化したかが書かれていた。一番意外だったのは、えた・非人として習った身分制度の最下位にいるとされる人たちの仕事や立場である。目からウロコだった。
室町時代以前は、非人と言われた人たちは、穢れを扱う特別な職能として天皇制度とじかにつながっていたというのだ。イメージ的に被差別民というか、乞食のような印象だったのだが、遊女も同様な特別な(必要とされる)職業としてある種の地位を得ていたということも書いて -
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農民=百姓
授業ではそういうふうに習ったと思います。
いや区別しないで習ったというべきでしょうか。
ただ本書を読むとそうではないことがわかります。
百姓=武士や商人でない人
塩を作ってたり漁業や水運業をする人もみんなはいってるんですよね。
コレは目から鱗でした。
日本は農本主義で農業が国の基本で租税の中心と思ってました。
でも戦国時代や幕末もそうですが交易が日本を動かしてますよね。
楽市楽座もそうですし亀山社中や海援隊もそうですよね。
僕の今の仕事で考えるとやりたいことをやるためにはお金が必要です。
それは今も昔も同じですよね。
そのお金をどう増やすか。
やっぱり交易が大切なんですよ。
無い -
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知の巨人が対談というと大袈裟かもしれない。
対談なだけに話が飛ぶ飛ぶ。同じ時代を語っても
様々な思想家、歴史家の観点が織り交ぜられて
万華鏡のようにコロコロと色彩が変わっていく。
だが、それがこの対談の最も大きなテーマだろう。
冒頭で鶴見氏は「ものは自分の視点でみるしかない。
だが別の何かを気配で感じれる。それが感じれるか
どうか」という投げかけが、まさにそれだ
基本的に内容は現在を形作った近代史が軸である。
明治、戦争、高度成長。さらに視野を広げて江戸時代、
また庶民の生活などスコープが様々に変わる
だが、この二人が軸にしているのは間違いなく
現代で、そこからの未来を見つめている。
明治