網野善彦のレビュー一覧
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知の巨人が対談というと大袈裟かもしれない。
対談なだけに話が飛ぶ飛ぶ。同じ時代を語っても
様々な思想家、歴史家の観点が織り交ぜられて
万華鏡のようにコロコロと色彩が変わっていく。
だが、それがこの対談の最も大きなテーマだろう。
冒頭で鶴見氏は「ものは自分の視点でみるしかない。
だが別の何かを気配で感じれる。それが感じれるか
どうか」という投げかけが、まさにそれだ
基本的に内容は現在を形作った近代史が軸である。
明治、戦争、高度成長。さらに視野を広げて江戸時代、
また庶民の生活などスコープが様々に変わる
だが、この二人が軸にしているのは間違いなく
現代で、そこからの未来を見つめている。
明治 -
購入済み
久々に気軽に歴史に触れる
インターネット上の都市伝説との境のない噂レベルの情報ではなく、かと言って教科書を読み返すでもない、気軽に新しい視点を得る事になかなか心地よさを感じた。
特殊な視点というよりは、よく考えるとこうじゃないかという無理のない視点が読みやすいと感じた。 -
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p.244
そして後醍醐は、非人を動員し、セックスそのものの力を王権強化に用いることを通して、日本の社会の深部に天皇を突き刺した。このことと、現在、日本社会の「暗部」に、ときに熱狂的なほどに天皇制を支持し、その権力の強化を求める動きのあることとは決して無関係ではない、と私は考える。いかに「近代的」な装いをこらし、西欧的な衣装を身につけようと、天皇をこの「暗部」と切り離すことはできないであろう。それは後醍醐という異常な天皇を持った、天皇家の歴史そのものが刻印した、天皇家の運命なのであり、それを「象徴」としていただくわれわれ日本人すべても、この問題から身をそらすわけには決していかないのである。
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ネタバレ日本史学における碩学が送る、日本社会の歴史の概説書。日本と朝鮮半島、済州島、対馬、壱岐、北九州、瀬戸内海など諸地域の海を通じての人的・文化的交流について比較的多めにページが割かれている。
最近日本史を勉強し直しているが、こういった視点から考えてみるのも非常に面白い。
気になった点
・倭王武は宋の皇帝に「東は毛人を征し、西は衆夷を服し…」と上奏したが、実態は逆で、東西の動乱鎮圧のため助けを借りる目的で宋に使者を派遣したとされる
・大化改新直前の643~44年にかけて新羅、高句麗では相次いでクーデターが起こり、日本でも熱狂的な呪術信仰が流行って平民の間でも社会転換を待望する空気があった -
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[ 内容 ]
弥生時代いらい稲作を中心に生きてきた単一の民族という日本人像は、近世以降の通念にしばられた虚像ではないだろうか。
本書は、中世民衆が負っていた年貢・公事の実態とその意味を問い直し、さらに遍歴する職人集団の活動に光を当てることにより、その虚像をくつがえす。
日本中世の多様な姿とゆたかな可能性が描き出される。
[ 目次 ]
第1部 中世の平民像(平民身分の特徴;さまざまな年貢;年貢の性格 ほか)
第2部 中世の職人像(職人という言葉;職人身分の特徴;遍歴する職人集団 ほか)
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ -
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[ 内容 ]
社会と「国家」とのせめぎあいの前近代史を、社会の側からとらえなおす通史の完結編。
下巻は南北朝の動乱から地域小国家が分立する時代を経て、日本国再統一までを叙述し、近代日本の前提とその問題点を提示。
十七世紀前半、武士権力によって確保された平和と安定は列島社会に何をもたらしていくのか?
[ 目次 ]
第9章 動乱の時代と列島社会の転換
第10章 地域小国家の分立と抗争
第11章 再統一された日本国と琉球王国、アイヌ社会
第12章 展望―十七世紀後半から現代へ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 内容 ]
自律的に進展する社会と「国家」とのせめぎあいの前近代史を、社会の側からとらえなおす通史の続編。
近畿を中心とした貴族政権日本国―朝廷と、武人勢力によって樹立された東国王権。
この二つの王権の併存と葛藤のなかで展開する活力あふれる列島社会の姿を描く。
中巻は十~十四世紀前半、摂関政治から鎌倉幕府の崩壊まで。
[ 目次 ]
第6章 古代日本国の変質と地域勢力の胎動
第7章 東国王権の出現と王朝文化の変貌
第8章 東西の王権の併存と葛藤
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ -
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