中世の罪と罰

中世の罪と罰

1,265円 (税込)

6pt

4.3

「やーい、お前の母ちゃん、でべそ!」 誰もが耳にしたことがありながら、よく考えると意味不明なこの悪口。そこに秘められた意味とは? ありふれた言葉を入り口に、今は遠く忘れ去られた日本の姿が、豊かに立ち上がる。 「お前の母ちゃん…」のような悪口が御成敗式目にも載るれっきとした罪であり、盗みは死罪、犯罪人を出した家は焼却処分、さらに死体の損壊に対しては「死骸敵対」なる罪に問われれた中世社会。何が罪とされ、どのような罰に処せられたのか。なぜ、年貢を納めなければ罰されるのか。それは何の罪なのか。10篇のまごうかたなき珠玉の論考が、近くて遠い中世日本の謎めいた魅力を次々に描き出す。 稀代の歴史家たちが、ただ一度、一堂に会して究極の問いに挑んだ伝説的名著、待望の文庫化!(原本:東京大学出版会、1983年)解説(桜井英治・東京大学教授)より本書を通じてあらためて浮き彫りになるのは、中世社会が、現代人の常識や価値観では容易に解釈できない社会だということ、つまりそれは私たちにとって彼岸=異文化にほかならないということである。……日本中世史研究がまばゆい光彩を放っていたころの、その最高の部分をこの機会にぜひご堪能いただきたい。【主な内容】1 「お前の母さん……」 笠松宏至2 家を焼く 勝俣鎭夫3 「ミヽヲキリ、ハナヲソグ」 勝俣鎭夫4 死骸敵対 勝俣鎭夫5 都市鎌倉 石井 進6 盗 み 笠松宏至7 夜討ち 笠松宏至8 博 奕 網野善彦9 未進と身代 網野善彦10 身曳きと“いましめ” 石井 進討論〈中世の罪と罰〉 網野善彦・石井進・笠松宏至・勝俣鎭夫あとがき 笠松宏至あとがきのあとがき 笠松宏至文献一覧解 説 桜井英治

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中世の罪と罰 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2019年11月27日

    日本中世史を代表する「四人組」による論集と座談会。一語一句を丁寧に読み解くことで、ここまで豊かな世界が拓けることに感動すら覚える。「お前の母さん…」の解釈はとくにインパクト大。

    0

    Posted by ブクログ 2020年10月09日

     ちょっと前に「中世芸能講義」という本を読んで、久しぶりに網野善彦先生の著作に手を伸ばしたくなりました。
     本書は、網野氏をはじめ4名の中世史研究の大家の10編の論考を採録したものです。かなりマニアックなテーマを扱ったもので、正直、本書内で開陳されている4名の泰斗の方々の論考は、私の貧相な知識では、...続きを読む

    0

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