北澤平祐のレビュー一覧
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あんなによく知っているはずの本書を初めて読みました。村岡花子さんのお孫さんである美枝さんと恵理さんにより改定された「赤毛のアン」は、美しい情景が目に浮かぶような表現力と、アンやダイアナたちの少し古風で美しい言葉使い。
マリラとマシュウとの愛情溢れた暮らし。
ギルバートとの関係…。
おっちょこちょいで癇癪持ちのアンが、聡明で美しい女性へと変化していく過程。
普段500ページに及ぶ読書は少し構えてしまうのですが、読んでいるあいだ中、幸せで満ち足りた時間を過ごすことが出来、いつまでも読み続けていたいと思えました。アンの子供たちが活躍するお話まで、ずっと読み続けていきたいです。 -
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古代文字に関わる研究をしている3名の筆者によるエッセイアンソロジー。研究者として生きていくことの喜びと厳しさが伝わってきた。
学生時代の思い出、読んでてほのぼのするようなお話や一風変わった経験談など。
とびきり賢くて、知的好奇心に溢れ、好きなことに没頭する粘り強さをもった素敵な人達が、アカデミックなキャリアを確立するのに苦労していると思うと切ない…。
御三方のお話自体は個人の経験談として興味深いのだけど、おもしろおかしく書かれている訳でもないので、読んでて職場の人の武勇伝や愚痴にがんばって相槌打ってるときみたいな心持ちになってちょっと疲れてくる感じがあった。 -
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古代文字の研究をされている3名の、現在の主な仕事や研究内容に行き着くまでの経緯などを綴ったエッセイ。
古代文字に関する雑学が詰め込まれている本かと思っていたので(そういった話も含まれてはいる)想定していた内容とは少し違ったが、面白かった。
やっぱり皆さん学生時代から古代文明や歴史についての興味が強かったんですね。
あと研究者といっても、自分の興味ある分野の研究に必ずしもありつけるとは限らない、というのは結構社会人と一緒というか、どこの世界もあるあるなんですね。
また、特定の古代人について学ぶために、敵対国の歴史を学び、その国の言語を学び、さらにその言語の元となった言語を学び……と、主題研究のための外堀を埋める作業があまりにも広大すぎて、私ならすぐ放り投げてしまいそうだな、と思ってしまいました。
それほどまでに途方もないことでも、好奇心で追求していく人類って、なんかもう凄すぎる。 -
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北澤さんが16年もアメリカに住んだ経験があることを知って驚いた。ご自身の記憶や経験も生かされているのかなぁ。誕生日も同じ幼馴染のハルカとミチオが、日本とアメリカの離れた地で交わす文通を辿っていく形式で、とにかく全ページのイラストがかわいすぎる。細かなところも見逃したくなくて、じっくり絵を眺めつつ読みました。イラストそのものだけでなく、物語にも少しずつ大人になっていく2人の悩みや不満、親や周りの友達には打ち明けられないようなことが書かれていたり、2人がお互いに特別な関係であることがよく分かって素敵。後半には驚きの展開もあって、最後までとても楽しく読めました。
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イラストを手掛けるのは、ミルフィーユで有名な洋菓子フランセのパッケージデザインでおなじみの北澤平祐さん。『団地のふたり』のドラマの中のイラストもそうだったんだ。気づかなかったー。知れてうれしい。
ドラマの中でなっちゃんが描いていた、あのそらちゃんの絵本が今ここに。うれしい。絵本だけど持ち歩きしやすい小さいサイズで、子どもはもちろん、大人も楽しめる。
子どもが読んだら、「明日はお友達とどんなことをして遊ぼうかな」ってわくわくすると思う。大人が読むと、子どもの頃に想像力を爆発させて無邪気に遊び回った、あの記憶を思い出せる。
自分もそうだけど、昔の子どもって遊びに出かけたらどこへでも行っちゃって、自分の町で自由自在に遊んでた。おもちゃや遊び道具だってそんなになくて、でもちょっと危険な公園の遊具もたくさんあったし、安い駄菓子屋さんもあちこちにあった。転んですりむいて赤チンを塗ってもらって、元気いっぱい暗くなるまでみーんなで遊んでいたなって懐かしくなった。
なっちゃんとノエチは、大人になった二人から想像する通りの子どもで、そらちゃんもドラマに出てきたままの優しい女の子。とっても優しい絵本だった。 -
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ネタバレ古代文字を読むのが自分のやりたいことなので。
古代文字の研究者によるエッセイだと言われて、そのテーマと出会ったきっかけや研究の日々、そしてこの分野に興味を持つ中高生への励ましの言葉などが書かれているのだと思っていた。書かれてはいたのだが。まさか「なろう系」の分類や中国の風呂問題について、またはメジェド様グッズや日本にあるエジプトっぽいものやエジプト土産について、そして身体論や大学で働かないことについて書かれているとは思わなかった。
結果として、直接的に社会を変えていったりお金を稼げたりするわけではない人文系の中でも、特にいわゆる就活前線に直結しなさそうな(失礼)考古学・歴史学系への進路に興味がある人への大きなエールと読んだ。苦労話であっても楽しそうなのだ。イキイキした感じがする。こんな風に自分の生活や研究を語れるのが素晴らしい。
そこに謎がある。だから探りたい、研究したい。その気持ちを持って大学へ進学できる人が少しでも増えたらいいなと思う。どんな分野においても。 -
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古代エジプト、古代中国、そしてマヤと、時代も地域も異なる3人の考古学者が、自分たちの来し方を赤裸々に語った痛快な一冊。
もう四半世紀も前のこと、私は大学院まで考古学を専攻していた。専門は本書の中ではエジプトが一番近い。本書の先生方より下の世代だし、ほんのちょっと齧った程度でしかないが、それでも当時を懐かしく思い出しつつ読み進めた。
そう、確かに考古学はイメージ先行で、実はどういう学問なのかあまり知られていない。本書にもあるように、年中発掘ばかりをしているわけではない。というか、できない。考古学を専攻していた者なら一度は「あーインディ・ジョーンズね」と言われたことがあると思うが、彼はどちらかというと文化人類学者に近い気もする。基本、考古学は地味である。冷たい地面に座り込むので痔主が多い、直射日光で薄毛になりやすい、とよく脅された。そして、野帳とG-SHOCKはマストだった。
本書は外国考古学のお話だが、日本でも発掘はもちろんできる。そして、その土地土地には長年発掘のパートをしてきたベテランがずらりといる。彼らの発掘技術や知識には、学生どころか,そこらの大学の先生でも敵わない。そして、学部の男子学生には、もれなく土嚢運び等の力仕事が待っているのである。
でも、考古学は面白い。それは間違いない。本書を読んでこの学問に興味を持った読者の中から、きっと未来の考古学者が誕生することだろうと思う。 -
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ネタバレ面白かった!古代文字の研究に携わる3人のエッセイ集。専門の古代文字の簡単な説明、興味を持ったきっかけ、大学時代の話、研究にまつわる話…と一通り語ってくれる。古代文字という謎へ手を伸ばすワクワク感がよく伝わってきて楽しい。
三者三様ではあるけれど、かなり厳しい就職、肉体労働の発掘作業、1日中机に向かえる中国の研究者事情、地中海や中東の現地のこぼれ話など面白くてすぐ読んでしまった。
3人とも才気あふれる印象なのだが、一番年嵩のエジプト考古学者だけは大学教授(ただし専門のヒエログリフの授業はない!)なものの若い二人は一人は中国の大学で日本語を教えており、もう一人は在野の研究者になっており…という感じで、とにかくこの分野が全く食えないことはひしひしと伝わってくる。
私も文学部のマイナー研究室に行っていたのでよく分かるが、やっぱり文系の研究者に目指すのってよほど実家と精神が太くないと地獄の道だよな…と改めて思った。好きなだけでも、才能があっても厳しい世界。そんな世界のワクワクを垣間見せてもらったことに感謝したい。