【感想・ネタバレ】考古学者だけど、発掘が出来ません。  多忙すぎる日常のレビュー

あらすじ

とにかく休みが来ない! 目覚まし時計はホエザルの怒鳴り声・行列ができる考古学者の進路相談・ラクダの帰宅ラッシュ・2泊4日のエジプト弾丸ツアー・毎日17時間労働・必死の資料撮影・ジャングルで黒い物体に追われる… 忙しすぎて、発掘調査が出来ません! 考古学者たちの「発掘」よりも「雑務」が多い日々。

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Posted by ブクログ

3人の考古学者が語る、忙し過ぎる日々のエッセイ。
大学での教員としての多忙さ。
その合間を縫って現地へ訪れてからの多忙さ。
でも研究は過酷でも、楽しさと喜びに満ちていた。
・はじめに
・エジプト考古学者の多忙すぎる日常 大城道則
・中国考古学者の多忙すぎる日常 角道亮介
・メキシコ・中米マヤ文明考古学者の多忙すぎる日常 青山和夫
・おわりに――三大陸周掘り記

「考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった」の続刊?
前作では、調査と冒険、面白いと怖いは表裏の関係だったが、
こちらでは“多忙”がテーマで語られている。
大城氏は、大学教員という生業での多忙さを嘆く。
会議に次ぐ会議の多さやイベント。その合間を縫っての
エジプト弾丸ツアー。それでもエジプト行きの多忙さは、
喜々として楽しんでる感がある。
角道氏は、書き出しで自分の専攻の学生を連れての
調査の多忙さを語る。これってツアコンじゃん。
次いで、留学した北京大学での5ヵ月発掘実習のシビアさ。
青山氏は、自分の歩みが中心。
青年海外協力隊の考古学隊員を皮切りに、
ホンジュラス、グアテマラ、アメリカの大学院へ留学、
メキシコ、そして日本と、マヤ文明の石器分析に長い年月を
費やす。分析が多忙で発掘できないと嘆くが、
分析自体には喜々として励む。しかも現地で結婚しちゃうし。
最後の方には日本での大学業務の多忙さと、研究費獲得の
苦労が語られている。
各人共、国情、言語、風習、治安と犯罪等々、
現地ならではの様々な事も多忙の一端となっています。
如何に多忙であれども、青山氏の座右の銘の情熱・愛・希望・
根性は、研究に身を置くものに当てはまるのだと、しみじみ。
加えて、コミュニケーション能力と人脈も大事。
そして、どんなに多忙でしんどく、ラクダや毒蛇、マダニや
蚊に悩まされようとも頑張り、地元の食を満喫する
身体能力とメンタルの高さも、驚かされました。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

3人の考古学者の熱量に圧倒されながら一気に読み終わった。
大城先生は私とほぼ同世代。
あの頃、いったいどうすれば考古学者になれるのか、わからなかったものなぁ。そんな中、自分で道を切り開いて行ったお三方にはただただ尊敬する。

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2025年06月13日

Posted by ブクログ

浮世離れしたイメージのある大学研究者のリアル。
万難を排してでも、
異国の五代のロマンに
迫ろうという覚悟のある人だけが
結果を残せるのだろうと思った。

レーダーやエックス線など
テクノロジーが使われていることも分かって良かった。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

3人の考古学者の発掘とそれ以外の多忙な日々が面白おかしく書かれている。優秀な考古学の研究者のこれまでを振り返る本書。地道にコツコツ諦めることなく、予想外なことばかり起こるだろう外国でも真正面から(時には奇抜な方向から?)取り組んできて今があるんだなと。好きなことだけやってるまともな研究者なんて1人もいないんだないうことも改めて実感。とにかく学術論文をいかに書くか、質的にも量的にもそれが最終的な評価やポストゲットに繋がるのだなと。
分野は違えど、元研究者志望の1人としても明日からの仕事に向けてやる気が出てくる一冊でした。

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

インディージョーンズで憧れた考古学者の日常がこんなに忙しいとは。
情熱と周りサポート、根性がなければとても続けられない仕事だと感じました。
内容は、読みやすく、とても面白いです。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

冒頭のエジプト考古学者のパートでは、ある程度の地理的イメージ像が結びついている中で、様々な活動方面における開陳具合もあって単著でも楽しめそうであった。
中国パートは短いながらもL先生の話が印象的。マヤ文明に関しては、オカルトとの結びつきを忌避する筆者の信条もあって、堅い印象もあるが研究者のヒストリーとして参考になるのはここなのかとも思う。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

考古学にかける先生たちの情熱がハンパない
厳しい自然環境、毒蛇に蚊の大群、命がけともいえる生活さえもやり切ってみせる先生たち、ほんとうにすごいです。
過酷なことに違いないが、伝わってくるのはなんか楽しそう、という感じ。働き方改革とは無縁の先生たちを応援したくなる。

写真にあった、マヤ文字がなんかかわいい
でもさっぱりわからん
文化は共有あってこそ、のものだなと思う
何千年も昔にどんなコミュニケーションがあったのかは興味深い。どんな人が誰に何を伝えたくて書かれたものなのかな。

さて、自分は働き方改革からゆとりを得たとして、どのように過ごすのか、どんな生き方をするのかが問題。有意義な生き方とは、、と考えるきっかけとなった。


〜フレーズ〜
努力を惜しんだために、達成可能なことを実現できなければ悔いが残る。その意味で「我が人生に悔いなし」だ。

相談する前に、自分で解決策の選択肢を考えて、どの選択肢がベストなのかを質問しなさい。

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

3人の大学に務める考古学者が研究の面白さ、大変さ、大学の業務の多忙な様子を面白く綴った書籍。好きなことを一生の仕事として研究できるというのは幸せなことだけど、先生方は好きなだけに並外れた苦労にも果敢に立ち向かい乗り越え研究されている。先生方が自分自身でも相当勉強した、多くの論文を読んだ、たくさんの苦労をしたと自負されており、どんな研究や仕事もそのくらい取り組まないと、何かを成すとということは難しいんだなと思った。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

考古学の話と専任の大学教員としての話が半々といったところでしょうか。
あまり大学教員が身近でない人には、そういう職業を知る良い本だと思います。
今の日本の大学教員は大学の事務に忙殺されて、研究どころでないというのはどの分野でも同じでしょう。それでも、大学の専任教員になれたのですから、それは幸運なことだと思います。

もし本当に発掘がしたいのであれば、日本の大学でなくて海外の研究機関に行ったほうが、日本の大学の専任教員よりは現場に出る時間が多くて、なおかつ給料が多い場合も多い気がします。特に海外のものが研究対象の研究者にとって、日本の大学に職を得る魅力って、何なんでしょうかね・・・。

いろいろと考えさせられました。

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2025年04月11日

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