松尾スズキのレビュー一覧
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ネタバレ人気劇団「大人計画」を主宰する松尾スズキの自叙伝的エッセイ。「優しい野蛮人」を自称する彼の考え方が実に正鵠を射ていて気持ちよい。SNSなどでますます強化されてきた世間の「良識」の押しつけに真っ向から、あるいはこっそりと反駁する。人間の心の中には野蛮人がいる。まずその事を認めることが大事。それを彼は演劇という世界で暴れさせている。実生活ではタブーとされることをやる。その自由は絶対に必要である。
そもそも「笑い」というものは残酷さと無関係ではいられない。手塚治虫が言ったという、「極限状態で飢えた動物は、弱った個体を共食いしてしまうが、人間はそんな時に食べる代わりに笑うことを覚えた」という説が本当 -
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映画見てから読んだので、映像として頭に入ってきました。文章だけだと・・けっこう読みにくい作品かもしれないです。私はでもかなり壷る描写ですね。好きです。1時間ぐらいで読めると思います。1時間で読める単純な文章ですが、とても内容が濃い!キャラが相当濃い!登場人物多いですけど、全員存在感がある。心の奥底にダークな願望って誰しもあると思います。で、ダークな願望は普段は押し殺してて、無理に考えないようにしていても・・何かのはずみにドーンと押し寄せてきて歯止めが効かなくなるっていうのもあるって思うと怖くなりました。主人公、明日香が私と年が近いのもあり。。私もちょっと明日香のような考えをしてた時期もあったの
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ネタバレ(2巻のレビューからの続き)
で、結局何に一番シビれたかって言うと、金子のキャラチェンジなのです。
基本、松尾スズキの描く主人公がちょっと怖いのです。得体が知れないのです。私は。
手術代のための借金200万円を返済するために自らマシーンと化して働き倒す、とか、自我を殺し切って与えられたミッションを淡々とこなす、とか、「心ない優しさ」に対抗して(?)「心ない悪」になってみる、とか。
常に受身。全部リアクション。こう来られたからこう返してる。
このロボっぷり故に、ダメな感じに振り回されてて面白いんですが、振り回されてる最中の目が微妙に笑ってないような気がして怖いのです。
っていうのも含めてこ -
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ネタバレ(1巻のレビューからの続き)
原作は文庫で200ページくらい。それがマンガになると全3冊。
引かずに足してる。その足した部分がイイ!
1巻の「ネプリーグ」の件も面白かったな~。隙あらばネジ込まれるゾンビネタとかな~。松尾氏もすぎむら氏もゾンビ好きなのよね~。
「金子の家に泊まる海馬」もよく考えたら小説にはなかったんだな~。
その直前、キャバクラでレディー・ガガを口ずさむ海馬がワナビーの伏線になっててな~。
あー「ワナビー」は卑怯だよな~。とにかく練習したからってだけで完璧にワナビー歌い上げる老人には無条件で爆笑したけど、マンガの「照る和茶碗」「泡菜」「自我舌禍」はちゃんと納得した上で笑 -
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ネタバレ全3巻。
面白かった。超面白かった。
「原作の小説が好きであればあるほど、映画版・ドラマ版・マンガ版には手を出しちゃならねえ」とは、数多のガッカリ体験を通じて自然に身に付いてゆく生活の知恵だと思います。
大好きだったあの台詞が削られている!とか、何そのいらんエピソード!とか、じゃあ原作を忠実になぞっていればいいのかと云うとそれでもダメで、想像してた顔(声)と違う!なんて阿鼻叫喚の種は尽きないもの。
そしてそれらの苦悩の先にあるものは何かっつうと、
(1) 一切の派生作品から遠ざかって生きる
(2) 原作者に金が入るならそれでいい、と割り切って鑑賞
の2択なんじゃないのかなあ。なんてザ -
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ネタバレ演劇サークルの一員であった学生時代、台詞を覚えるくらいその戯曲を読み漁った松尾スズキ。そのためサークル内では超浮きまくりでしたが、今でも大ファンです松尾スズキ。
そんな松尾スズキ氏の久々の小説。
本作のテーマは、映画の撮影現場における「最高に心ない賭け」。
氏の描く「市井の人々の邪悪さ」には、舞台でも小説でも身震いします。
がっつんがっつんギャグが入って、手放しで笑えるんだけど、ふと振り返ると主人公の目が全く笑っていない。その無表情に気付いた瞬間のバツの悪さと云ったら……。
それはそうと改訂後シナリオの「まずくもうまくもまずくもない」が個人的にツボ。日常の要所要所で絶賛思い出し笑い中。 -
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松尾スズキがある有名人を取り出し「○○に学びたい」と銘打ってどうでもいいことを語るエッセイ。
その有名人の話は導入だけでほとんど出てこず、
そっから思うことをタラタラと語る。
基本くだらない内容。
でもちょっとだけええことも言う。
●益子直美に学びたい
「身体障害者や、在日外国人たちを障害や差別の苦悩と関係ない役どころで、例えば通行人や隣のあんちゃんの役で、ドラマや映画に配役すべきである。彼らだって24時間そういう問題と戦っている訳ではない。」
●酒鬼薔薇聖斗に学びたい
「「頼むからこれ以上話をややこしくしないでくれー!」そう叫びたいが、現実とは、ほとんどがそういう意味 -
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『今まで「絶望だ」と思っていた出来事のすべてが、「100均」に並んでいるような安物の絶望に思える。』
『レクター博士みたい』
『「彼女が死にかけてる時に、この人なんでマトリョーシカ握ってんの」って思われんじゃないかと思ってさあ』
『救急車に比べたらスペース・マウンテンとか、子供』
『この女は銀河の彼方ステンレス星から「事務口調」をひろめに来たステンレス星人だ。』
『そうですか、それ、今聞きました。ルールを提供する側は、あらかじめルールを明確に提示するのがフェアな考え方なんじゃないですかね』
『1時間以内に捨てないとこの画用紙は爆発します』 -
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これはエッセイではない。
出てすぐに福岡空港で買った。
大人計画は第3回公演から観ていたけど、松尾さんがエッセイを書いていたとは知らず、知らなかった自分のぬるさを「あちゃ~」で誤魔化しながら買った。
「フライトまで」と読み始めたら止まらず、正月かなんかで超満員のスカイマークの薄暗くてクソ狭い2階席で羽田まで笑いを噛み殺し、血まみれで読んだ。
うん。読むところを選ぶ本です。気をつけて!
これはエッセイではない。だってウソだらけだもの。
ネタネタギャグギャグ!
しかも浅い!いい意味で!
戯曲とエッセイの中間、これをギッセイと呼ぼう。
脳幹に染みる一冊。
タオル地大好き!な方は死出の旅のお供に是 -
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松尾スズキの【大人失格 子供に生まれてスミマセン】を読んだ。
松尾スズキのエッセイ集だ。松尾スズキをご存知だろうか?いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの劇団【大人計
画】の主宰者である。自身も俳優をするかたわら、演出家や脚本家の仕事にも積極的に取り組んでいる。
やはり、この手のエッセイは面白い。面白いエッセイを書く人というのは、その着眼点からして独特であ
り、それについて思考する世界までも独特であると思う。
ギャグやリアクションではなく、文字で人を笑わせることができるということは、並大抵のことではな
い。正直に言ってしまえば、今流行の勢いだけの芸ナシお笑い芸人より、百倍面白い。比べるのは失礼