あらすじ
合体!!! 松尾スズキ、すぎむらしんいち! ――顔面の内側が崩壊する奇病にかかったマッサージ師・金子堅三(かねこ・けんぞう/26歳童貞)。俳優兼サブカル映像作家・海馬五郎(かいば・ごろう/監督作『ゾンビは歌う』他)。2人が出会ったときから、いろんなことが面白いように面白い方向へ転がりはじめる……。松尾スズキの傑作小説を、すぎむらしんいちが愛をこめて漫画化。映画の制作現場のリアルな裏も覗けます!
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Posted by ブクログ
全3巻。
面白かった。超面白かった。
「原作の小説が好きであればあるほど、映画版・ドラマ版・マンガ版には手を出しちゃならねえ」とは、数多のガッカリ体験を通じて自然に身に付いてゆく生活の知恵だと思います。
大好きだったあの台詞が削られている!とか、何そのいらんエピソード!とか、じゃあ原作を忠実になぞっていればいいのかと云うとそれでもダメで、想像してた顔(声)と違う!なんて阿鼻叫喚の種は尽きないもの。
そしてそれらの苦悩の先にあるものは何かっつうと、
(1) 一切の派生作品から遠ざかって生きる
(2) 原作者に金が入るならそれでいい、と割り切って鑑賞
の2択なんじゃないのかなあ。なんてザックリ分けてしまいましたが、私自身は限りなく(2)の心境でもって過ごしております。
まあそういうのはいいとして、久し振りに読んだ松尾スズキの小説がメチャクチャ面白かったので、「えー、マンガ?ん~『オリジナルエンディング』か~……」とか思いながらも3巻まで一気に購入。
もう……
コミカライズなんてロクなもんじゃねえ、なんて解った風な口を利いていた過去の自分をド突き回したい。タイ語で言えば「ハイ・ターイ・サー」。
単に原作を絵で再現するでもなく、かと云って補完するでもなく、だからって別物にしてしまうこともなく、その辺りの匙加減が絶妙でした。
(2巻のレビューに続く)