松尾スズキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
松尾スズキ版「カッコーの巣の上で」とイメージしていただけると分かりやすいかもしれない(本当は別物だけど)。自らの意思とは関係なく、違う環境に落とされても生きていく人間の強さと頼るものが必要な弱さ。
無意味な、無自覚の暴力と、無償の愛の同居する空間で、相対的に他人と比較することによって成り立つ自我。短い小説の中に人間の悲喜こもごもが凝縮され、芥川賞はやっぱり文面だけじゃなくて、内面を見ていることがよくわかる作品だった。
全然文学的じゃないけど、目が離せないストーリーと、目を離せない表現はさすが鬼才松尾氏。終わり方は希望を持たせたて、でも現実の無常の繰り返しによる落差とその曖昧さは、字面だけ追うと