光原百合のレビュー一覧

  • 扉守 潮ノ道の旅人

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    不思議な力に満ちた、瀬戸内海にほど近い山に囲まれた町、潮ノ道。
    小さな奇跡に溢れるこの町は、人間でないものも呼び寄せたり、本来力を持たないものにも力を与える。
    読んでいるだけで、素敵な町だなと心底惚れこんでしまうような町でした。

    引き寄せられるように集まってくる個性的な面々もいいですね。
    もちろん、一番の主軸はこの連作短編集すべてに登場する、お寺の住職、了斎でしょうか。気のおけないおじいさんながら、不思議な町にぴったりな人物です。もはや何が普通なのかわからなくなってしまうくらい、気付けばこの町の空気に馴染んできます。

    どこか夢のような、美しい情景がまた特徴的です。
    見えない海の上を渡る船や、四季折々を映し出す動く絵画、そして短編のタイトルもまたセンスがよくて美しい。
    「桜絵師」
    「写想家」
    「旅の編み人」など…
    思わず、読んでみたくなりませんか?

    一番好きなのは「ピアニシモより小さな祈り」
    きっと自分の心の底に、想いが形になってほしい、誰かにきちんと届いてほしい、という気持ちがあるのでしょうね。
    人を、物を大切にして、それに応えてくれる関係が築ける。そのことがどれだけ素晴らしいことか改めて感じさせる1冊でした。

    初読みの作家さんですが、読めてよかったです。
    静かで美しい物語でした。

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    2016年04月05日
  • エール!(2)

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    ネタバレ

    働く女性アンソロジー、第二弾。
    今回は、下記のラインナップ。
    スイミングインストラクターが主役の「ジャグジー・トーク」…こうやって言い合える同期がいるのは良いよね。いるだけで大分気分が楽になる。
    社会保険労務士が主役の「五度目の春のヒヨコ」…これ良かったな。ミステリーっぽい雰囲気もあり、飽きのこない展開の仕方だった。丹羽さんが良いね。かっこいい。あんな女性近くにいたら良いね。
    宅配ピザ店店長が主役の「晴れのちバイトくん」…マネージャーとして働く女性って多いと思う。私の親友もショップの店長やってるし。管理する立場ならではの悩みは必ず存在する。そんな女性に、あるある!と共感してもらえるであろう作品。
    遺品整理会社社員主役の「心の隙間を灯で埋めて」…このお話も好きです。こういう仕事をテーマにした小説、初めて読んだ。肩身を狭くし、周りの目を気にして、どういう風に思われてるんだろう?って不安に感じながら毎日働いている人も、たくさんいると思う。でも、終盤のように、実は思い過ごして、自分は必要って思ってもらえてたんだ、と気づくことも。この女性の行く末、続編があれば是非読みたいな。きっと明るい道が開けているはず。
    コミュニティFMパーソナリティーの「黄昏飛行」…うって変わって少しコメディタッチな作品。上司との淡い恋愛模様がちょっぴり。そして自分の意思で突き進む主人公が潔かった。
    OL主役の「ヘブンリーシンフォニー」…少しファンタジー要素のある作品。せっかく普通のOLが主役なんだから、設定もここはすっごい普通の日常を描くっていうのもアリだったのでは?と思ってしまった。

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    2016年02月21日
  • エール!(2)

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    ネタバレ

    坂木司で検索して見つけた本。6編のアンソロジー。働く女性を応援する、がコンセプトみたいで、いろいろな仕事が出てくる。微妙につながりがあるとこもいい。怪我をさせるというミスを犯した私にもタイムリーな本だった。そして、もっとがんばらなくていいというか、ニートの本を読んだばかり、という点でもタイムリー。最後の初野晴「ヘブンリーシンフォニー」だけイマイチなじめなかった。この人、前にもみたことあるのにな。

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    2014年08月02日
  • エール!(2)

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     確かに元気になれる。働く女性の悩みのパターンに応じて、物語がありなるほどと思わせてくれる。個人的には、ピザのアルバイトの学生に悩む女性上司の気持ちがよくわかる。

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    2014年06月15日
  • エール!(2)

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    お仕事小説アンソロジー。
    女性向け、なんでしょうが、そんなに限ってしまうのはもったいない。
    男性が読んでも十分に勇気づけられる本だと思います。

    働く女性の葛藤、が多いんだろうけど、女性に限った話ではなく、みんなに共通する思いなんだろうなー。
    3集も一気に買って、これから読みます。

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    2014年02月01日
  • エール!(2)

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    お仕事アンソロジーの2冊目。

    働く女子はカッコイイ。
    それはとっても。

    どれも面白かったけど、
    1よりもちょっといろんな環境の女子がえがかれてたかな。
    子どもを持つ人が働く時のあのジレンマ、
    それはとっても、あの頃の心を
    ギューッと掴まれたようだった。
    なので
    垣谷美雨の「心の隙間を灯で埋めて」(遺品整理会社社員)に
    一番感情移入しかも・・・

    いろんな人が元気になれる。
    そんな1冊。

    ちょっとおつかれの女子に、是非!

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    2014年08月24日
  • 扉守 潮ノ道の旅人

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    ネタバレ

    著者の故郷尾道をモデルとした潮ノ道という町を舞台に紡がれる7編の連作短編。
    不思議な力が集まるとされるこの町に住む住人達と、人ならぬ存在が織り成す煌めく物語。
    満月の夜に亡き人を乗せて白い小舟が帰ってくるという言い伝えを描いた『帰去来の井戸』、切なる祈りが心に響く『ピアニシモより小さな祈り』が特に良かったです。
    『桜絵師』は今この桜の季節に読めて良かった。
    物語にただ一人共通して登場する、飄々とした物腰で物語に彩りを加える持福寺の住職了斎がまた何とも言えず良いです。
    シリーズの構想もあるようですので楽しみに待ちたいです。

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    2013年03月29日
  • 扉守 潮ノ道の旅人

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    ひとつひとつ読みやすくて心が温かくなる連絡短編集。
    仕事で疲れた日の夜眠る前、仕事に行くのがちょっと憂鬱な日の朝などに読んでみました。

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    2013年03月19日
  • 扉守 潮ノ道の旅人

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    「潮ノ道」という瀬戸内海に面した町を舞台にした和風ファンタジー。
    ほどよくリアルで懐かしいような田舎町の描写と、ちょっと不思議な出来事が自然に溶け合っています。
    好きになりました。

    「帰去来の井戸」
    地元の大学に通う由宇は、伯母の七重の店「雁木亭」という店を時々手伝っている。
    店の裏には井戸があり、その水を飲むと必ず町にまた戻れるという言い伝えがあった…

    「天の音、地の声」
    小学4年の美咲は、持福寺の住職の了斎に頼まれて、劇団「天音」の役者サクヤを迎えに行く。
    わずか数人でやっている劇団だが、口コミでけっこう人気がある。彼らのしていることとは…幽霊屋敷と騒がれている古い建物で、美咲は、一端をかいま見ることに。

    「扉守」
    「セルベル」という雑貨屋に入ってきた少女・雪乃には、何かが取り憑いていた。
    セルベルの主人の青年が、実は扉守という役目をしていた。

    「桜絵師」
    持福寺の了斎のもとを訪れた絵師・行雲が広げていた絵。
    高校生の早紀は、描かれた桜が次第に増えていくのを見て、美しい絵の中に入りたいと思う。

    「写想家」
    人の思いを写す写真家。
    違う人生を送る女友達が、ある日抱いた思いは…

    「旅の編み人」
    ピンク色の翼を持つ何かが、羽ばたいて窓の外へ消えた。
    何でも編むという女性のバッグから飛び出したそれは?

    「ピアニシモより小さな祈り」
    静音は地元で勤めているが、神崎零のピアノコンサートをボランティアで手伝ううちに、ほとんど仕切るようになった。
    零には調律師の柊も同行して、コンビで行動している。
    静音の家には昔から、鳴らないピアノがあった。
    何度張り直しても、音を立てて壊れる…
    すねているピアノをなだめると言われ、連弾の練習を始める静音だったが…?

    瑠璃山、黒曜山、白珠山という三つの山がすぐ海まで迫っていて、細い道が入り組んだ坂をなす町というのが素敵です。
    作者は尾道出身なんですね。
    2006年から9年にかけて書かれた連作短編集です。

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    2012年10月25日
  • 扉守 潮ノ道の旅人

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    はじめの2、3編と後半はなんだか少し違った雰囲気があるような気もします。
    個人的には、前半が好きです。
    尾道、ぜひ旅してみたいですね。

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    2012年10月11日
  • 扉守 潮ノ道の旅人

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    第1回広島本大賞受賞作ということで購入。装丁も内容に合わせて幻想的で綺麗。

    内容としては尾道をモデルにした「潮ノ道」という昔の面影が残る街を舞台にしたファンタジー。
    ファンタジーなんだけど、モデルとなった尾道にも、こんな不思議なことがあっても別に不自然ではないと思わせるような雰囲気があります。きっとこの街だからこそ成り立つ物語なのでしょう。

    読んでいて気になる広島弁もなかったし(たまに変な言い回しや時代的に誰も使っていないような広島弁で書かれた作品もあるけれど…この作品は気にならなかった)、ファンタジーが平気な人なら楽しめると思います。

    個人的にすきなのは「天の音、地の声」「桜絵師」。

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    2012年10月06日
  • アンソロジー 隠す

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    誰にも言えない 松尾さん
    ぜんぜん想像できなくて好き。

    甘い生活 近藤さん
    人の真似ばっかりしてた自分の小学生時代を思い出してしんどかった。

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    2026年09月12日
  • エール!(2)

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    前作が微妙に繋がっているのがすごい粋だなと思っていたので、今回あまり関連がなく、こちらの勝手だがなんとなく残念だった。
    話が繋がっているとワクワクして考えながら読んでしまうので、途中まで繋がっていた気がしたが。

    ピザ屋の話が好きだったが、全体的にささらなかった。
    知らない方の話も読めたので、こういうオムニバスのような作品を読むのもいいなと思った。

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    2026年07月23日
  • これが最後のおたよりです

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    【孤独の谷】薄気味悪さといったら…香苗さんは死よりも孤孤独のほうが怖かったのだろう。この怪しい感じ流石は近藤さんだった。
    【十年日記】叙述トリックは騙された。落とし物の指輪から巡りめぐって幸運がやってきてほんわかした。
    【そのハッカーの名は】結構好きな部類だった。
    自作自演もの。闇を暴きたい犯人をあえておいて見方のうちは使ってやろうと考えるトッコのしたたかさが好き。
    【青い封筒】メタいことをいうが、あきらの背景を思うとなんとも言えないが、手紙より先に感謝の言葉は口にしたほうがいい。危うく修人家庭環境も悪くなるところだった。

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    2026年06月24日
  • 惑 まどう

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    「かもしれない」と「最後の望み」が好きだったかなぁ。
    でも他の作品は、面白かったけど、なるほどね〜で終わっちゃった。
    「太陽と月が星になる」は好きな話だと思うんだけど、もうちょっと欲しかった…何を?と言うと難しいんだけど

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    2026年06月03日
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    「ラスト」「メッセージ」の2つを題材にした短編小説。
    とても読みやすかった。
    特に「猫への遺言」での意外な展開とラストへの結びが心に残った。
    また「青い封筒」での高校生男子を持つ母の息子への接し方や夫婦関係もリアルだと思った。

    キーセンテンスは同じでも、内容は多様化していて面白かった。

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    2026年01月23日
  • おいしい旅 想い出編

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    アンソロジー久しぶりに読んだけど、好みのものと好みでないものにすごく分かれた。
    福田和代さんの幸福のレシピ、大崎梢さんの横浜アラモードはおもしろかった!

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    2026年01月14日
  • これが最後のおたよりです

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    好きなのもそれほどでも…のもあったけど、よかったです。

    猫への遺言
    とても素敵なご主人だな。

    十年日記
    これは、あたしも書いていて、二冊目なんだけど、
    なんか予感があったときには、先に処分しておこうと思ってるけど…
    こんなに素敵な人もいるんだな…と、自分の日記と比べて、恥ずかしくなったよ…泣

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    2025年11月16日
  • これが最後のおたよりです

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    アミの会によるアンソロジー

    もうひとつある 高宮家四訓 大崎梢
    孤独の谷 近藤史恵
    扉を開けて 篠田真由美
    猫への遺言 柴田よしき
    キノコ煙突と港の絵 永嶋恵美
    十年日記 新津きよみ
    そのハッカーの名は 福田和代
    みきにはえりぬ 松尾由美
    青い封筒 松村比呂美
    黄昏飛行 時の魔法編 光原百合
    たからのちず 矢崎存美

    好きだったのは、もうひとつある、十年日記、青い封筒かな。(孤独の谷も面白かったけど既読だったので)

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    2025年11月04日
  • これが最後のおたよりです

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    「最後のおたより」がテーマの短編集。
    半分近くが初めて読む作家さんでした。
    「おたより」と言ってもパッとイメージする「紙の手紙」ばかりじゃない。その形は本当にさまざまで、次はどんな“おたより”ストーリーなのか楽しみに少しずつ読み進めました。

    特に好きだったのは、
    「もうひとつある 鷲宮家四訓」大崎梢
    「猫への遺言」柴田よしき
    「そのハッカーの名は」福田和代

    家訓の謎が気になって引き込まれたもの、
    夫の猫に宛てた手紙から愛情を感じたもの、
    ちょっと異色でミステリーっぽい雰囲気のもの、
    趣向は異なりますが、どれもラストは優しく、晴れ晴れとした気持ちになりました。
    矢崎存美さん「たからのちず」は、祖母との思い出に寂しくも懐かしい気持ちになった。
    同じテーマなのに切り口がいろいろあって、楽しめました。

    「最後」というワードで瀬尾まいこさんの短編集「おしまいのデート」が思い浮かびました。
    心を温めてくれる優しい読み心地の短編集で、お気に入りの1冊。

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    2025年10月07日