遠藤遼のレビュー一覧
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週末陰陽師シリーズの2冊目。
1巻目が面白かったので購入。
相変わらずこのシリーズは勉強になります。
夫が亡くなった場合の家庭の支出はそれまでの約7割になるとか、普通に働いている場合どの程度の入院費が出るように設定するとよいのかなど、本書を読むだけで保険についてかなり詳しくなります。
自分は遺族年金とか初めて聞きました。
あと、外資系の会社の内情とかについても知れるので面白いです。
結構びっくりしたんですが、マネージャーが査定で降格して事業所解散とかあるんですね。
ストーリーは前回の続きで、桜子の紹介案件で話が進みます。
本書は大きく2本の話が入っていますが、それぞれテイストが違 -
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平日は保険の営業員、休日は陰陽師という主人公の物語。
ライトノベルで経済小説ってあまりなくて珍しいなというのがは始めの感想。
保険は大きく分けると3つしかないこと、外資系と国内系の保険会社のサービスの違い、悪いなど、保健の内容や営業についても良く知れる勉強にもなる小説。
世界観が非常に作り込まれて、満員電車で犬の霊がまとわりついているのは誤魔化しをしたからとか、結果を求めるマネージャーの生霊がうだつの上がらない主人公の自宅までやって来たりと、細部が丁寧でなるほどと思わせてくれる。
前半は陰陽師をやってるらしい保険営業員の話という感じで、会社の先輩でかつ姉弟子の御子神ゆかりや女子校生の姿 -
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ネタバレ物語の力を信じて。
物語があれば后になるより幸せ。薄紅は後宮で働く一方で『千字堂』で物語を読んでいる。そこに訪ねてきたのは安倍晴明の孫・奉親だった。奉親が持ち込んだ事件を、物語を読んで得た知識と人の機微から想像して解き明かしたことから、その後も奉親はたびたび訪ねてくるように——。
菅原孝標娘と晴明の孫のバディとはまた面白い。源氏物語をこよなく愛する薄紅が探偵役。源氏物語をネタに謎解きしていくのが興味深い。自分で物語を紡いで事件解決に向かうのは驚いた。
仕事のかたわら、物語に浸る。それが元気の源。薄紅の姿はなかなか理想的。物語を読む楽しみを語る薄紅に大きく頷きながら読んだ。 -
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──でも大丈夫
わたしには、推しがいるから──
大学院生・藤原弥生の研究対象は『源氏物語』
もちろん彼女の推しは、紫式部!
冒頭に描かれる弥生の振り切ったオタクっぷりが良い(笑)
満員電車の中ではほとんどの人がスマホを手にしている中、弥生は頭の中で『源氏物語』を反芻し、味わっている。
「あー、早く帰って〝平安装束暮らし〟その他諸々のSNSをチェックしたい」
絹の質感や風合いを細かくチェックしたいから、モニターはゲーミングPCの最上級だ。
なぜこんなに源氏が好きなのか?
それは彼女が『源氏物語』に命を救われたから…
高校時代の弥生は、失恋といじめでリストカットを繰り返していた。 -
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ネタバレ最初は貞頼のヘラヘラした態度というか、チャラい訳ではないが菊月の真っ当な忠告を受け流すような不誠実な性格が苦手だったのだが、親友の事件をきっかけにようやく飲み込めた。
飲み込めたというか、慣れたというか。
また彼自身が成長したのもあったのだろう。
その後も菊月の前では迂闊な発言がいろいろあった気がするが。
菊月は頭脳プレーにしろ陰陽師として呪を使うにしろ優秀なので、貞頼より受け入れやすいキャラだった。
ゆえに終盤の暴走には驚かされた。
そりゃ真実を明かされたらキレもするだろう。
そこを止めたのが貞頼……この頃にはすっかりいいバディになっていたのだろう。
まあ最後まで口喧嘩(というより菊月が一 -