遠藤遼のレビュー一覧
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ネタバレ物語の力を信じて。
物語があれば后になるより幸せ。薄紅は後宮で働く一方で『千字堂』で物語を読んでいる。そこに訪ねてきたのは安倍晴明の孫・奉親だった。奉親が持ち込んだ事件を、物語を読んで得た知識と人の機微から想像して解き明かしたことから、その後も奉親はたびたび訪ねてくるように——。
菅原孝標娘と晴明の孫のバディとはまた面白い。源氏物語をこよなく愛する薄紅が探偵役。源氏物語をネタに謎解きしていくのが興味深い。自分で物語を紡いで事件解決に向かうのは驚いた。
仕事のかたわら、物語に浸る。それが元気の源。薄紅の姿はなかなか理想的。物語を読む楽しみを語る薄紅に大きく頷きながら読んだ。 -
Posted by ブクログ
──でも大丈夫
わたしには、推しがいるから──
大学院生・藤原弥生の研究対象は『源氏物語』
もちろん彼女の推しは、紫式部!
冒頭に描かれる弥生の振り切ったオタクっぷりが良い(笑)
満員電車の中ではほとんどの人がスマホを手にしている中、弥生は頭の中で『源氏物語』を反芻し、味わっている。
「あー、早く帰って〝平安装束暮らし〟その他諸々のSNSをチェックしたい」
絹の質感や風合いを細かくチェックしたいから、モニターはゲーミングPCの最上級だ。
なぜこんなに源氏が好きなのか?
それは彼女が『源氏物語』に命を救われたから…
高校時代の弥生は、失恋といじめでリストカットを繰り返していた。
そんな時『源氏物語』の漫画に出会い、心を奪われる。
その後
田辺聖子先生の「新源氏物語」シリーズを読み、
円地文子先生や与謝野晶子先生の訳にも手を出した。
荻原規子先生の「源氏物語 紫の結び」シリーズも好き。
更には原文!
全力で源氏を推しているうちに、気付けば陰口もいじめもなりを潜めていった。
ある日、雨に濡れた弥生は熱を出してしまう。
朝、目覚めると…
ん?平安時代!?
自分は十二単を身につけている!
そしてなんと、なんと、目の前には紫式部!!
これはタイムスリップ!?
弥生は紫式部の親友・小少将の身体に宿ってしまったようだ…
弥生が出会った紫式部は、第一帖「桐壺」を書いてから筆が止まっている。
物語を書こうとすれば、身体が拒否してしまう。
どこか苦しそうで危なっかしい。
何に悩み、苦しんでいるのだろう。
「桐壺」はもともと気心の知れた仲間内で書き始めたものだったが、いつしか天皇にまで伝わり、大勢の人から称賛されることになる。
するとその後、後宮の女房たちの皮肉や嘲笑の対象となり、紫式部は孤立した。
孤独な宮仕えは地獄のようだっただろう。
このまま書けなければ『源氏物語』の続きはどうなるの!?
『源氏物語』で命を救われた自分が、今度は『源氏物語』を救う!
小少将の姿になった弥生はどのようにして紫式部を支えていくのか?
ハラハラしながらも胸がキュッとなる、平安時代を満喫の一冊となった( ꈍᴗꈍ)
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ネタバレ最初は貞頼のヘラヘラした態度というか、チャラい訳ではないが菊月の真っ当な忠告を受け流すような不誠実な性格が苦手だったのだが、親友の事件をきっかけにようやく飲み込めた。
飲み込めたというか、慣れたというか。
また彼自身が成長したのもあったのだろう。
その後も菊月の前では迂闊な発言がいろいろあった気がするが。
菊月は頭脳プレーにしろ陰陽師として呪を使うにしろ優秀なので、貞頼より受け入れやすいキャラだった。
ゆえに終盤の暴走には驚かされた。
そりゃ真実を明かされたらキレもするだろう。
そこを止めたのが貞頼……この頃にはすっかりいいバディになっていたのだろう。
まあ最後まで口喧嘩(というより菊月が一方的に怒っている)は治らなかったけどと。
それぞれ単発の事件ながら、死人が出るほど深刻なものもあり、それでいて最後の最後に集約されて大きな黒幕へ……という展開が面白かった。
呪を使ったシーンも印象的。
あとは貞頼がもう少し落ち着いてくれたらなあとは思う。
どうもああいうキャラが個人的には苦手なのかもしれない。