あらすじ
紫式部、あなたが書くのよ。
あの史上最高の物語を――!!
大学院生の藤原弥生は『源氏物語』が大好き。
日本最古にして最高の女性作家・紫式部は、弥生にとって最愛の「推し」だ。
ある日、発熱して平安時代の幻を見た弥生は、目覚めると本当にその時代にタイムスリップ!!
なんと紫式部の親友として、彼女の執筆活動を支えるという夢のような大役を担うことに!?
千年を超えて「推し」と邂逅する奇跡の物語!!
令和と平安、時代を超えた友情を描いた傑作ファンタジー!
もうひとつの「紫式部物語」が今ここに!
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Posted by ブクログ
本当は昨年(2024年)の大河ドラマに触発されて購入したもの。
やっと読めた。
「源氏物語は千年経っても、色あせないよ!」
オイラも紫式部にそう伝えたくなった。
一読をお勧めします。
Posted by ブクログ
面白かった。いじめで何度も自殺未遂をしていた女性(弥生)が、『源氏物語』に出会い(多分あさきゆめみしなんやろな、と匂える)、心を救われる。その後、紫式部を推しと崇め、『源氏物語』の研究者になっていた。その、弥生が平安時代の紫式部の友人”小少将”と入れ替わる、変則憑依系とでもいうような転生もの。
『桐壺』を書いた後、心の病気(いじめ等)で筆が持てなくなっていた紫式部のところに友人として放り込まれた弥生が、”推し”や”研究対象”から離れて、友人として紫式部の病を癒していく物語。
結構シリアスで、闇深くはあるが、平安の華やかさと闇の混在具合が絶妙。
やはり遠藤平安本は面白い。
Posted by ブクログ
──でも大丈夫
わたしには、推しがいるから──
大学院生・藤原弥生の研究対象は『源氏物語』
もちろん彼女の推しは、紫式部!
冒頭に描かれる弥生の振り切ったオタクっぷりが良い(笑)
満員電車の中ではほとんどの人がスマホを手にしている中、弥生は頭の中で『源氏物語』を反芻し、味わっている。
「あー、早く帰って〝平安装束暮らし〟その他諸々のSNSをチェックしたい」
絹の質感や風合いを細かくチェックしたいから、モニターはゲーミングPCの最上級だ。
なぜこんなに源氏が好きなのか?
それは彼女が『源氏物語』に命を救われたから…
高校時代の弥生は、失恋といじめでリストカットを繰り返していた。
そんな時『源氏物語』の漫画に出会い、心を奪われる。
その後
田辺聖子先生の「新源氏物語」シリーズを読み、
円地文子先生や与謝野晶子先生の訳にも手を出した。
荻原規子先生の「源氏物語 紫の結び」シリーズも好き。
更には原文!
全力で源氏を推しているうちに、気付けば陰口もいじめもなりを潜めていった。
ある日、雨に濡れた弥生は熱を出してしまう。
朝、目覚めると…
ん?平安時代!?
自分は十二単を身につけている!
そしてなんと、なんと、目の前には紫式部!!
これはタイムスリップ!?
弥生は紫式部の親友・小少将の身体に宿ってしまったようだ…
弥生が出会った紫式部は、第一帖「桐壺」を書いてから筆が止まっている。
物語を書こうとすれば、身体が拒否してしまう。
どこか苦しそうで危なっかしい。
何に悩み、苦しんでいるのだろう。
「桐壺」はもともと気心の知れた仲間内で書き始めたものだったが、いつしか天皇にまで伝わり、大勢の人から称賛されることになる。
するとその後、後宮の女房たちの皮肉や嘲笑の対象となり、紫式部は孤立した。
孤独な宮仕えは地獄のようだっただろう。
このまま書けなければ『源氏物語』の続きはどうなるの!?
『源氏物語』で命を救われた自分が、今度は『源氏物語』を救う!
小少将の姿になった弥生はどのようにして紫式部を支えていくのか?
ハラハラしながらも胸がキュッとなる、平安時代を満喫の一冊となった( ꈍᴗꈍ)