あらすじ
黒衣と白衣。真逆のふたりが都を走り難事怪事を解決!
時は平安。邪な心を持つ人間から都の平穏を護るため、本来なら交わるはずもない検非違使と陰陽師が手を組むことになった。しかし、猪より速い足が自慢だがはぐれ者の検非違使・三浦貞頼と、安倍晴明の再来と誉れ高い陰陽師・安倍菊月は、何かといがみ合い相容れない。しかも、菊月は男装の麗人だが、兄弟子死亡の暗い影を纏っていて……。異色のバディが都の難事怪事を解決する平安ファンタジー。
序
第一章 白き陰陽師と黒き検非違使
第二章 蔵人所の変異と届かない言葉
第三章 女御への呪い
第四章 安倍晴明の再来と消えた絹布
結び
◆著者
遠藤遼(えんどう・りょう)
東京都生まれ。著作に「平安あかしあやかし陰陽師」「平安後宮の薄紅姫」(どちらも富士見L文庫)、「平安姫君の随筆がかり」(講談社タイガ)、「晴明の事件帖」(ハルキ文庫)、「源氏物語あやとき草子」(双葉文庫)各シリーズのほか、『きみの最後の一カ月、恋はオパール色になって』(二見サラ文庫)、『夫婦包丁のおしながき』(ポプラ文庫)など多数。
◆イラスト
春野薫久(はるの・たく)
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Posted by ブクログ
最初は貞頼のヘラヘラした態度というか、チャラい訳ではないが菊月の真っ当な忠告を受け流すような不誠実な性格が苦手だったのだが、親友の事件をきっかけにようやく飲み込めた。
飲み込めたというか、慣れたというか。
また彼自身が成長したのもあったのだろう。
その後も菊月の前では迂闊な発言がいろいろあった気がするが。
菊月は頭脳プレーにしろ陰陽師として呪を使うにしろ優秀なので、貞頼より受け入れやすいキャラだった。
ゆえに終盤の暴走には驚かされた。
そりゃ真実を明かされたらキレもするだろう。
そこを止めたのが貞頼……この頃にはすっかりいいバディになっていたのだろう。
まあ最後まで口喧嘩(というより菊月が一方的に怒っている)は治らなかったけどと。
それぞれ単発の事件ながら、死人が出るほど深刻なものもあり、それでいて最後の最後に集約されて大きな黒幕へ……という展開が面白かった。
呪を使ったシーンも印象的。
あとは貞頼がもう少し落ち着いてくれたらなあとは思う。
どうもああいうキャラが個人的には苦手なのかもしれない。