【感想・ネタバレ】平安後宮の薄紅姫 物語愛でる女房と晴明の孫のレビュー

あらすじ

怪異や難事件の最後の駆け込み寺・薄紅の姫。彼女に依頼が成立するのは、物語にまつわる品が差し出されたときだけ。薄紅は重度の物語中毒で、特に『源氏物語』には目がないというのだ。
――この異名が広がったのは、晴明の孫である若き陰陽師・奉親のせい。訪ねて来た彼に早く帰ってほしい一心で、物語知識を駆使し怪異の謎を解いたのが悪かった。薄紅を使えると判断した奉親は、言葉巧みにたびたび彼女をモノで釣っては謎解きにかり出すことに。
「また相談ですか? 私は読書に集中したいのでございます!」

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Posted by ブクログ

最近はずっと避けていた日本史ベースの本をちょこちょこ読むようになったのですが、この話もそのひとつ。


とにかく物語が大好きで「源氏物語オタク」すぎる主人公と何を考えているか分からないイケメン陰陽師(しかも安倍晴明の孫)がまるで源氏物語のような事件を解決していくバディもの(と呼んでいいのだろうか)。
「まぁ今源氏物語流行ってるしなー大河でもやってるしなーざっくりでも覚えられるならいっかなー」なんて軽い気持ちで読み始めたのだけれど思ったより面白くてサクサク読めました。
多分有名な場面をモチーフにしてあるんだろうけど源氏物語をきちんと読んだことがないので「ほぅそんな描写があるのか」なんて新鮮な気持ちで読めたのもよかった。


しかし源氏物語、とにかく話が長いことと「雲隠れ」の巻がないこと、主人公が光源氏でめちゃくちゃ生霊飛ばすやつがいるくらいしか知識がなかったのですが登場人物めちゃくちゃ多いのね。そりゃあそんなに長くなるよね。てかそれだけの人物をよくごちゃごちゃにならずに描ききれたな紫式部凄すぎないか???
そして何事もそうなんだけど「オタクが熱弁すると何故か面白そうだなと思う」現象が見事に起こるんですよね……ただ源氏物語はそれきっかけで手に取るには流石に長すぎるんだよなぁ……。


あと余談なんですが薄紅の姫の決めゼリフ、毎回「某有名探偵の孫の決めゼリフみたいだ」と思いながら読んでいたんだけどあえてなのだろうか。
まぁ確かに一緒に謎解きする相手安倍晴明の「孫」だったしなぁとか思っていたのだけどちょっと気になる。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

面白かった!!平安の貴族社会に潜むミソジのヲタ女子(源氏物語/紫式部推し)が、その拗れ具合を持って、謎をとくという、ミステリ?なのか?そういう話。菅原道真の来孫あたりで、源氏物語推し、となると菅原孝標女がモデルなんかねぇ。平安の貴族女性の生態なども、細かく入っており、さらに現代のヲタネタ的な『金田一少年の事件簿』みたいな感じで、作者の推し愛を感じるような気がする。従者の髭黒の右大将ならぬ義盛が、すんごい良い味。晴明の孫、奉親(確かに一説には安倍晴明に息子が2名いたというのもある、奉親は孫ではなく息子という説も?あったか??)。ともかく、微妙にちゃんとある説を混入させつつ、リアリティがあるようでいて、全くリアルから外れていくのもまた、いとをかし。作中で語られる薄紅の二次製作も読んでみたい。
 これは続きも読もうと思います。

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2023年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語の力を信じて。

物語があれば后になるより幸せ。薄紅は後宮で働く一方で『千字堂』で物語を読んでいる。そこに訪ねてきたのは安倍晴明の孫・奉親だった。奉親が持ち込んだ事件を、物語を読んで得た知識と人の機微から想像して解き明かしたことから、その後も奉親はたびたび訪ねてくるように——。

菅原孝標娘と晴明の孫のバディとはまた面白い。源氏物語をこよなく愛する薄紅が探偵役。源氏物語をネタに謎解きしていくのが興味深い。自分で物語を紡いで事件解決に向かうのは驚いた。

仕事のかたわら、物語に浸る。それが元気の源。薄紅の姿はなかなか理想的。物語を読む楽しみを語る薄紅に大きく頷きながら読んだ。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

奉親は安倍晴明の孫ということで、「平安あかしあやかし陰陽師」と少し繋がってるのがおお~って思ったが、最初はなかなか話に入り込めなかった。
今のところ奉親は薄紅への話の振り役と言った感じで、謎解きのお膳立てをしている為か一歩引いて薄紅を見て(楽しんで?)いる。
薄紅の物語への愛と知識はすごいが、全体的ストーリーとしてはあっさりした感じがした。

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2020年06月01日

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