【感想・ネタバレ】平安後宮の薄紅姫 二 宮廷去りし皇后宮と伊勢物語のレビュー

あらすじ

<次なる難事は、後宮を出奔した皇后宮を連れ戻すこと――!?>

怪異や難事件の駆け込み寺・薄紅の姫。中宮を狙う”鬼”の事件を落着させ、その昼の姿である末席の女房として念願の書司(ふみのつかさ)となった。
一方、静かに読書にふけりたい夜の薄紅の元には、願いと反して親しくなった晴明の孫・奉親(ともちか)が訪ねて来ては面倒に巻き込んでいく。
そんなある日、彼女は後宮の蔵書破損をきっかけに密命をくだされる。後宮を去ってしまった皇后宮を連れ戻せ――と。
後宮の祈祷も担う奉親とともに、この難題に挑むことに。物語知識を駆使するものの、皇后宮は断固として戻ることを拒否し……。

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Posted by ブクログ

いや重かった……今回は話がちょっと重かった。
ページ捲りながら何回か唸ってしまった。


前巻が明るいテンションでドタバタ系の話だったのもあって今回もそんなノリなのかな?と思って読み進めたら何という……読み終わってちょっとだけ調べてみたけど本当に史実を元に書いてあるっぽいですね。
流石に2人の后の話までが本当かどうかは分からないけど、こう、これが現実であって欲しいなぁ、あんな敵しかいないような世界にあんな年齢で放り込まれてしまったのならせめてそこだけはここ休まる場所であって欲しかったなぁなんて思ってしまいます。
あとついでに源氏物語が書かれてからもそんなに思ったほど時間が経ってないことも分かった、あれあの時代だと多分まだ新刊の方だわ。


それにしても本当に平安時代って親の後ろ盾とかがめちゃくちゃ大事になる世界だったのね……いや今でも完全にその傾向がないとは言いきれないんだろうけども、でもこの頃程では無くなっているんだろうなぁと思う。
どんなに高い位にあっても親や兄弟の後ろ盾がないとどんなに天皇に愛されても政治的な立場としてはあまりいい位置に置かれないとかね、まさに大河ドラマであったよねって……しかもそういう立場に置かれる人に限って聡明な女性として描かれること多いよね(史実もそうなのかは分からないけど)っていう。


私は今回の話の中では禎子さまが凄く好きだったので彼女のお付きにならないかなぁとか思っていたのですが……まぁそうなるかーって感じで。
やっぱりいつの時代も自分の力で歩こうとする強い女はかっこいいものだ。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

面白かった!副題の通り、某政治家の横車で中宮にねじこまれた姫と、後宮から方違えした皇后宮の『伊勢物語』を挟んだ謎を解明する。「薄紅の名にかけて!」
相変わらず捕まえどころのない晴明の孫奉親とアツい髭黒のヲタ義盛が、とてもいい味をだしている。しかし、平安時代は普通の風邪でも簡単に死ぬので、殿上人が雨に打たれるのはどうかと思うが(笑)、そこはキャラ文庫なので良し。あいかわらずの超楽天源氏おたくの薄紅が、非常にええ味をだしている。平安文学や平安事情について、かなりの精通っぷりと、近代的な今風の考え方のまぜこぜになったところが、ものすごくいい味になっている。そして祐子内親王家への出仕となると、やっぱりあの人ですねぇ。となるとあの人と結婚するはず。

”「私に力なんてないのよ。
 力があるのは物語の力。
 私にできたのは”物語の力”を信じること」

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2023年04月08日

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