森山至貴のレビュー一覧

  • LGBTを読みとく ──クィア・スタディーズ入門

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    マイノリティの味方だと明言し、様々な論拠、意味を声高に叫んで来たが、本書を読んで、そこにどれほどの落とし穴があったか気付かされた。

    ・ローレティスはジェンダーとセクシュアリティの問題を区別すべきだと主張した。
    ・クィア・スタディーズの5つの基本概念。パフォーマティヴ、ホモソーシャル、ヘテロノーマティヴィティ、新しいホモノーマティヴィティ、ホモナショナリズム
    ・クィアスタディーズの基本的な視座。差異に基づく連帯の志向、否定的な価値付けの積極的な引き受けによる価値転倒、アイデンティティの両義性や流動性に対する着目。

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    2017年04月17日
  • あなたのフェミはどこから?

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    19人各人のフェミニズムがどこから始まったのかを綴ったリレーエッセイ。

    フェミニズムが様々な差別を社会構造の問題として認識しているということを初めて知って、目からウロコの気分。

    女性と男性、マジョリティとマイノリティ、そんな対立構造や、個人としての問題と考えていたが、この本で見方が変わった。

    これまで味わった対応に理不尽だと感じても言語化できていなかったものが、フェミニズムという言葉を理解したことによって言語化できた。

    時代が変われば立場も変わる。
    誰であれ、自分が他者の権利を不当に奪っていないか?を考え続ける必要があると思う。

    もっとフェミニズムについて知りたいと思った。

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    2025年11月06日
  • あなたのフェミはどこから?

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    様々な分野の19人のフェミニストによるエッセイ。自分がフェミニズムに目覚めたきっかけについて語っています。

    はっきりとコレ!というきっかけがあるひともいれば、子どもの頃からなんとなく世界に違和感があった…という人まで、きっかけは様々だ。

    自分には理解が及ばないような苦しみからフェミニズムに辿り着いた方もいれば、自分の感覚と近くて分かる分かる!と思いながら読んだ方もいるのですが、鴻巣麻里香さんのエッセイは特に自分の感覚を言語化してくれたような感覚になりました。
    若いときは「女性として抑圧を受けているという文脈が内面化されていなかった」という鴻上さんが、子どもを産んで仕事をしているときに、子育

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    2025年09月18日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    それを言われたら何も言えないわ。とか、どうしてそういう前提で話をしてくるのだろう。
    と感じることがあり、そう感じるのは自分がおかしいのか、気にしすぎなのかを確かめたくて手に取った。
    読んでみると、人とコミュニケーションするのが怖くなった。
    極端な例が多い、そんな人いる?と感じたが実際にいるから書籍になっているのだろう。
    でも深く掘り下げすぎていて、怖くなった。
    何は大丈夫で何はアウトなのか。
    そして、自分はそのずるい言葉を逆手に開き直って話をする事で対処している事にも気付いた。

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    2025年09月06日
  • あなたのフェミはどこから?

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    ネタバレ

    自分の無意識さ、に気付かされた本だった。無意識とも言えるし、考えてもどうせ何も変わらないし、と諦めというか、考えようともしていなかったんなあと。フェミニズムって女性の不平等をなくそうっていうことだろうという浅い知識だけだったけれど、そうではなく、男性やあらゆるマイノリティの人も含め全ての社会の問題なんだなあと思った。男とか女とか、いろんなラベリングで人を評価したり判断せずに、ただの人間、として個人が見られる社会だったらいちばんいいけど。果たして自分はそれが出来ているか?他人を色んな物差しで測っていないか?偏見はないか?と問われたら自信がない。でもちょっと意識を持つだけでも、それだけで何か変わる

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    2025年08月23日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    日常会話でナチュラルに混ざる差別や偏見を含んだ表現を知ることができる。これを元に振り返ると、自身の周りもこういった表現で溢れていて、結構影響されていたのだろうなと考えさせられる。
    一方、反論?については正しいが、現実でそのとおりに反論すると、それはそれで色々と周囲と軋轢を生みそうだとも感じた。人間は簡単にはかわらないので、相手に悪意ある表現をされても立ち回りには注意が必要だと思う。

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    2025年08月11日
  • あなたのフェミはどこから?

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    自分がいかに男性優位性や家父長制を内面化してしまっているか痛感するし、違和感がある時に無理に合わせたりしない、を実践できるようになりたいと思うばかり。まだ名乗れるほど理解できていないし、世間的には「強者女性」側になりうる自覚も忘れてはならない。

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    2025年08月03日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    ネタバレ

    言葉は人を傷つける

    もやっとさせる言葉のその理由を詳しく解説した本

    この例に出てくる会話の多くは、かなり言葉に悪意を感じるので読んでいてわかりやすい(でもそんな人がいたら誰もが離れていくと思う…)

    ここで気にかけるべきは気を遣ったつもりが他人を傷つけている場合だ

    傷ついたこともあるし無意識に傷つけている可能性もある

    だが傷ついた自分も気にしすぎな部分もある

    果たしてこれらのずるい言葉は、すべて本当に自分を正当化しようとして発言した言葉だと言い切れるのだろうか?

    マイノリティや繊細な人、被害者側に寄った優しい本である反面、やや個人的考えや決めつけが多いとも感じた

    誰も傷つけない考

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    2025年01月22日
  • 10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」

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    最近フェミニズム関連の本をよく読む。そういう本は女性が書いているものがほとんどで、この本は著者が男性だということが印象的だった。しかし、男性であり事例にあるようなことを言われる当事者ではないからか、言われたときに感じることに若干ズレを感じてしまった。
    一方、男性がこのような本を書くことで、フェミニズムは女性だけの話ではないということがより多くの人に伝わると感じた。

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    2024年11月21日
  • 10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」

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    なるべこういう言葉は使わないようにしたいなとは思うけど、自身が言われた言葉があったり、周りから聞いた言葉があったり。10代とは言わずかなり上の世代にも知っておいてほしいなと思う。

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    2024年09月20日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    たしかに「ずるいことば」ってある。こっちがなんだか悪いことをしたようなきもちになったり。YA~大人へ。

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    2024年09月12日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    自分の場合、言葉とともに記憶の底で忘れかけた嫌な思い出がざわざわ蘇って、読むことがとても辛かった。また、自分も誰かに言ってしまったかもしれないという曖昧な記憶も後悔とともに浮かび上がった。
    本書は「こう言った言葉であなたはに傷つく必要がない」という歩み寄りのために書かれたものだと思うが、過去の自分はそれなりに処理した言葉なので、大人になった今、自分の処理と異なる論理を展開されてもあまり響かなかった。

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    2024年07月31日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    そうそうこのワードはモヤモヤする代表格だよね。と共感し、その言葉のバックグラウンドを知れて良いなと思うものもあれば

    シーンの例がちょっと良くないなと思うものもあった。

    自分も言わないように気をつけたいし誤解を招いたり縛るような言葉を発したくない。

    言葉ごとに抜け出すための考え方があるのが良かった。言われた側と言う側両方のための本。

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    2024年05月09日
  • 慣れろ、おちょくれ、踏み外せ  性と身体をめぐるクィアな対話

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    ネタバレ

    タイトルのインパクトと「クィア」って何?と思い読んでみました。

    クィア・スタディーズを専門に研究している森山先生とエッセイストの能町みね子さん、二人によるクィア・スタディーズについての対談形式の本です。

    いわゆるLGBTQ+の「Q」は、「クエスチョニング」と「クィアQueer」二つの言葉の頭文字を表しているそうです。

    「クエスチョニング」はなんとなく意味わかりますよね。自分自身の性自認や性的指向がまだ定まっていない、またあえて定めていない人たちのこと。

    それに対して「クィア」って耳慣れない言葉ですよね。私も今回初めて知った言葉でした。元々はとても侮辱的な言葉なんだそうで、あえて日本語に

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    2024年05月03日
  • 10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」

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    読んで気分よくなる本ではない。
    今までの様々な不愉快な言動を思い出す。

    今の部署に、こんなずるい言葉を使う人がいないことが当然になっているのが嬉しい。

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    2024年02月14日
  • 慣れろ、おちょくれ、踏み外せ  性と身体をめぐるクィアな対話

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    ネタバレ

    慣れろ、おちょくれ、踏み外せ
    性と身体をめぐるクィアな対話

    著者:森山至貴、能町みね子
    発行:2023年7月1日
    朝日出版社

    書き出しから「クィア・スタディーズ」と出てくるので、クィアって何だ、から始めないといけない。「LGBTQ」とか「LGBTQ+」とかいった時に出てくる「Q」の一つがクィア(クエスチョニングの意味もあり)。6章立ての第1章で、まさにこの言葉についての説明を森山がしている。Queerという単語は、もともとは男性同性愛者やトランスジェンダーの女性に対するかなり侮辱的な言葉だった。日本語にあえて直すなら、ニュアンスは「オカマ」になるのかな、とも。クィア・スタディーズは1990

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    2024年02月07日
  • 10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」

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    世の中には、相手が舐められる立場に甘んじてくれるよう仕向ける言葉がある。その中でも女性が浴びがちな言葉をまとめて言葉の背景と対処法について紹介してくれるのが本作だ。
    発言者が相手を意識して舐めているとは限らない。なので気づきを促す言葉を返してみては?という対処法が多かった前作と違い、相手が特定の価値観に凝り固まっており言われた側では如何ともし難い事例が次々と出てくるので腑に落ちなさが残った。だからこそ、前作よりも発言を浴びる側だけでなく浴びせる側を読者として想定している文章にしてあるのは良かった。
    また、発言者が男とは限らない点を明らかにしてくれていたのも良かった。
    「あなたには子どもがいない

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    2024年01月12日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    会話の場面設定が薄いことがあり、対象とする中高生の共感を呼べるかどうか…
    「大人」の立場からは「もっと知りたい関連用語」が参考になる。参考文献がもっと載っていればさらに有用だった。

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    2024年01月01日
  • 10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

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    ずるい言葉。言われたこともあるし、言った事もうんだろうなと思ったり・・・。
    自分を正当化して相手の権利を束縛するような言葉は聞きたくないし言いたくないですね。この年になると言う可能性の方が大きくなるので、自戒を込めて・・・。

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    2023年11月08日
  • 慣れろ、おちょくれ、踏み外せ  性と身体をめぐるクィアな対話

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    2023年刊。性の多様性を起点に、マイノリティの存在主張や自己保持、マジョリティとの関係性、何気なく使っている言葉に隠れた無意識や暴力性など、対談形式を踏み台として構成・積み上げられた書籍。
    「クィア」という聞きなれない言葉はキャッチーだが、実はとてつもなく差別的で、マジョリティの自覚のある者が使う妥当性の有る言葉では無い、と来た。先ず、自身に性的マイノリティ・普通でない感がない人がじっくり読み込むのは辛いと感じた。ただ、クィアと言う点ではより普遍的な視点。何かしらの場面でアウェイ感を感じたことがある人なら、理解は可能だとも思った。もっとふざけて、オモシロトークかと想像して読み始めたが、かなり

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    2023年10月28日