森山至貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なにげなく言ったり言われたりしてる言葉に潜む差別について、具体例とともにそれがなぜ問題かを教えてくれる良書。
とくに、気になった言葉。
○そんな言い方じゃ聞き入れてもらえないよ
トーンポリシング。上司とか先生とかにはお願いをする、という当たり前と思ってたことが、これをすることで弱い立場を助長させる可能性があるということ。
○言われた本人が傷ついてないんだからいいんじゃない
本当に傷ついてないのか。否定的な仲間内のニュアンスが含まれていないか。
○いい意味でらしくない
属性を否定している。いい意味で→悪いと思ってる!
まだまだ沢山あった!これは高校生とかから読んだ方がいいかも。中学生には難しい -
Posted by ブクログ
性に関する議論は、概念の分類や問題の背景、新たな課題などが入り組んでいるため、一見するととても難解な分野であるように思える。一方で、一定の理解を示すことが求められているようにも思える分野である。だからなのか、差別をしていないことを標榜するための無知な「LGBT」言説があふれている。
本書は「何が偏見なのか自分はわかっていないかもしれない」という不安を抱えた人の、「もっときちんと知りたい」という欲求にまさに答えてくれる。バトラーを読んで挫折しかけていた私にとっては、本当にありがたかった。読みやすい。
今後、巻末の読書案内にたくさん助けられると思う。
クィア・スタディーズに入門することはできない -
Posted by ブクログ
第四章のトランスジェンダーの言説史の整理が特に自分にとり啓蒙的だった。単に広義トランスジェンダー(トランスセクシュアル、狭義トランスジェンダー、トランスヴェスタイト(異性装)に3区分される)を学べるだけでなく、その区分がジェンダー研究の中でいかに進展していったかを追うことは、自分自身のフェミニズム/ジェンダー論/クィアスタディーズに対する学習不足の部分……すなわち性指向と性自認の絡み合いに関する部分……をなぞり直す役に立った。第四章の概念整理をもとに同性愛の話や「オネエ」の話をみかえすと、色んな見落としをしていたことに気付かされた。
後半のクィアスタディーズ概念紹介や研究論文紹介も手堅く、硬 -
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学部生のときに読んで以来、7〜8年ぶりに読んだことになるのだが、当時とは、かなり解像度が上がったのは、曲がりなりにも勉強してきたからだと思うので、自分で自分を褒めたくなった。内容以前に、本の構成が、一つの研究領域を外観するのに必要な学問史、分析概念の解説、具体的な分析対象の分析になっていて、筆者の言葉で言えば「あんちょこ」になっていたことが分かった。それが分かるくらいには、「学問」のディシプリンというものの大まかな捉えができるようになってきたことだと思って、少し嬉しい。
それを踏まえて、「クィア・スタディーズ」という研究領域が、特定の研究対象や方法論を指すのではなく、本書で言うところの三つの視 -
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日常に潜む「ずるい言葉」とその解説、その言葉を言われた時の切り替えす言葉が書かれた本。
言葉の中に潜む一見見逃されがちな言葉でも、実は人を傷つけていたりいやな気分させている。差別や偏見、上の人間からの圧力など、悪意がなければ、意図がなければその言葉を言ってもいいのか?それはその人の中のエゴでしかなく、相手のことを考えていない、言葉の裏やどう感じるか、分析ができていないからこそ人間関係の軋轢が生まれてしまうのではないかと思いました。
今回の本のタイトルでもある「10代から知っておきたい」という言葉にもある通り、社会へ出ることが少ない10代の方々にこそ是非読んでほしいと思いました。言葉の一つ一つを -
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フェミニズムとの付き合い方は、人によってさまざまだ。人によって千差万別のフェミニズムが存在すると言っても過言ではない。
能町さんの寄稿が読みたくて手に取った本だが、他の方の文章も読み応えがあった。
高嶋鈴さんの、男性の先輩とのエピソードは、よくあることだよねと思いつつ、その強烈な傷つきにもまた共感できて、世の中に蔓延る不条理を少しでもマシにするために、理論を学び、語る技術を身につけねばと、決意を新たにする彼女の姿に、自分もぼんやりしてちゃいけないなぁという気持ちにさせられた。
人それぞれのフェミニズムだが、出会いのきっかけとして、ベル・ブックスの『フェミニズムはみんなのもの』とジュディス -
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同じ著者による『あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』を読んだことがあるけれど、こっちも良書。すごく勉強になった。
これは、前著の方を読んだときも感じた感想だけれども、紹介されている例を見ると、明らかにそれは問題発言だろう、と思うようなものが多くある。それでも、「はじめに」に書いてあるように、ここで書かれている事例が、「担当編集者さんを通じて何人かの女性に実例を教えていただ」いたものなのだから、まだまだ蔓延っていて、自分も気が付かないうちに言ってしまったことがあるのだろうなと思うと、言葉に対するアンテナが、まだまだ低いのだなと反省させられる。
著者も言っている通り、「男性である私は、その大変さを -
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ネタバレ概ね共感できる言葉ばかりです。
少なくともこの本を読んで日本にいまだに残る男尊女卑の問題などに関して考えるきっかけになると思いますので、いろんな人に読んでいただきたいです。
子どもがいないからこそできることだね
あなたには子どもが子どもがいないからわからない
女性のわりには話が通じるね
その年齢の子どもがいるわりには若く見えるね
女にはわからない世界だから
嫁入り前
こんなことを言われたらもやっとしますよね
こんな明らかに嫌なことを言う人もそんなにいないと思いますが…
また女性は大学など行かなくてもいいとか、寿退社、出産を機に仕事を辞めなかればならない、独身と聞けばお局様、報酬の高い仕 -
Posted by ブクログ
性的傾向の少数派のひとたちのなかでも、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)という比較的知られている傾向のタイプから頭文字をとって「LGBT」とよく呼ばれます。しかしながら、性的な傾向、それは自身の性に対する違和感のあるひとがいますし、いわゆる男らしさのつよい男もいれば、女らしさのつよい女もいるわけですし、性愛対象も、男⇔女という異性愛に限らず、男⇔男、女⇔女があれば、肉体は男でも性自認は女で性愛対象は女という傾向の人もいるわけです。
つまり、LGBTと言ってしまえば、性的少数派をすべて網羅して言ってしまえていることにはならない。反対に、LGBTという言