深水黎一郎のレビュー一覧
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エコール・ド・パリについて美術の教養の無い私のような読者にも興味深くまた分かった気にさせる絶妙なバランスの作中作の筆致が好きだ。最後まで読み終えて登場人物に嫌いなヤツが一人もいないの、凄いです。Posted by ブクログ
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作者のデビュー・・じゃない、2作目か。なんというか、そういう粗削りっぽい感じはするものの非常にまとまりがよく楽しく読めました。美術論みたいなものが間に挟まりそれがちゃんと内容にリンクしていたり逆に示唆していたり、と。そういう分野に疎い自分でも面白く読めました。先日読んだのが「いちいち長々した説明を挟...続きを読むPosted by ブクログ
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【背表紙】
歌劇『トスカ』公演の真っ最中。プリマドンナが相手役のバリトン歌手を突き刺したそのナイフは、なぜか本物だった。舞台という「開かれた密室」で起こった前代未聞の殺人事件。罠を仕掛けた犯人の真意は!?芸術探偵・瞬一郎と伯父の海埜刑事が完全犯罪の真相を追う!「読者に勧める黄金の本格ミステリー」選出...続きを読むPosted by ブクログ -
前から気になっていた作家だったので、短編集なら雰囲気を知るには丁度いいだろうと手にとってみた。
なかなか受賞が難しいといわれる推協賞の短編部門を受賞したという表題作はなんともお洒落な作品だった。
結末のオチが効いているのは勿論、800メートル競争することがなぜ人間の尊厳を証明することになるのか、と...続きを読むPosted by ブクログ -
★★★★☆
史上初の犯人
【内容】
新聞に連載小説を発表している私のもとに一通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた「意外な犯人」モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた
【感想】
おそらくこの人が犯人になったのは初めてであろう。そのインパクトは絶大であり、それだ...続きを読むPosted by ブクログ -
斬新なトリックだけれど、特定の条件でないと成立しない。
一つは、被害者の体質。
もう一つは、小説の掲載方法。
新聞連載でないと成立しないトリックであるため、少なくとも私は犯人にならなかった。Posted by ブクログ -
「読者が犯人」物はどうしたってキワモノにならざるを得ないと思うんですが、これもその御多分に漏れません(笑)。ですが、読み終わって本を閉じる時に、
「なるほど、確かに私が犯人だ!」
「いや、この殺害方法はアンフェアだ!」
と確かに悶々とするんですが、既読のこのジャンル作品の中では間違いなく暫定一位の新...続きを読むPosted by ブクログ -
エコール・ド・パリのことなんか、何も知らなかったけれど、興味深く読めた。
本当の凶器が分かった時、怖いな、と思った。
何か悲しい話だった。Posted by ブクログ -
設定や密室トリックに既視感がありますが、作中の美術評論「呪われた芸術家たち」が解り易くて面白いですし、謎を解く鍵として役割をしっかり果たしているところが秀逸です。凶器の意外性や犯行動機の特異性など、著者のセンスを感じさせる作品でした。Posted by ブクログ
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「芸術探偵シリーズ」第1弾。
印象派やフォービズムのように、流派の名を挙げることで
絵画作品の特徴が分かるようなものではない、エコール・ド・パリ。
画家ひとりひとりに特徴があり、同じエコール・ド・パリに分類される
画家同士でも全く意趣の異なる絵を描いていることも。
そんなエコール・ド・パリの画家及...続きを読むPosted by ブクログ -
正直期待せずに読んだのですが、面白かった。
「読者が犯人」という究極のミステリーを完成させるトリックを主軸においた話。
読み終わってみると、読み始めのとき確かに「こういうトリックとかありえるんじゃない?」と思った内容がまんま結末だったり(笑)、セリフから先が想像できたりするのですが、なのに薄っぺら...続きを読むPosted by ブクログ -
おもしろかった~。
作中作含めて楽しめた。作中作単体でも充分おもしろいのに、それがまたミステリ的なネタにつながってくる辺り二度美味しいです。親子とはまた違う伯父である海埜と甥の瞬一郎のやりとりもよかった。
本格ミステリとしては話の展開やトリック等がやや小粒な感じがするけど、芸術ミステリとしてみれば文...続きを読むPosted by ブクログ -
登場人物の大げさな言動がちょいちょい鼻につくけど、マニアでもなんでもない自分的には、ミステリとしてはとても楽しめた。だんだん毒漬けにして、みたいな手法とか、火サスか昼ドラみたいな感じするけど、絵画とか芸術を絡めることによって、チープさからは逸脱してると思うし、人間関係の描写についてもよくできていると...続きを読むPosted by ブクログ
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推理小説における最後の、そして究極のトリック・・・「犯人は読者」に挑戦した作品。
新聞に連載小説を発表している私のもとに1通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた<意外な犯人>モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切...続きを読むPosted by ブクログ -
昆虫好きのおとなしい少年が殺人を犯し、家裁調査官の森本が
動機を語らない少年に四苦八苦する様を、少年は昆虫の世界を
背景に過去を回想し、音楽マニアの森本は、事件の構図を
リチェルカーレという音楽形式に当てはめて解こうとする。
最後は読者だけが「五声のリチェルカーレ」を認識しているという
にくらしい演...続きを読むPosted by ブクログ