深水黎一郎のレビュー一覧
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古今東西ミステリーにはたくさんの意外な犯人が登場してきた。そんな中、読者が犯人というのは、確かに群を抜いて突飛な犯人像だし、その発想は面白い。
物語は、新聞に小説を連載している主人公のもとに、読者が犯人というミステリー小説の不可能トリックの原案を買ってくれという手紙が届くところから始まる。
一見関係なさそうな超心理学の実験や差出人の覚書が、後半見事に繋がっていくのが読んでて心地いい。
この作家さん、過去に数作しか読んだことないけれど、後半の畳み掛けるような展開が印象的だった。今作はデビュー作だけど、すでにその片鱗は見える。
タイトルの「ウルチモ・トルッコ」は、イタリア語で究極のトリックと -
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ネタバレ一言で言えば、野球ファンの人間模様を描いた作品集である。ミステリ性は皆無。一深水ファンとしては、戸惑ったけれど楽しめた、とでも言うべきか。
日本のスポーツ報道は、プロ野球を中心に回っている。一面の多くをプロ野球が占める。毎日一喜一憂しているファンは多いだろう。自分はサッカーファンであり、野球については特定球団のファンではないが、プロ野球を生観戦したことはあるので、サッカーと違う野球の楽しみ方や、ファン心理は、一応わかっているつもりである。
「午前三時のサヨナラ・ゲーム」。別れた男女が再会し、雨の中、未明の球場で何をやっとんねん。今季のマリーンズは、貧打に喘いでいるが…。「野球嫌い」。 -
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前から気になっていた作家だったので、短編集なら雰囲気を知るには丁度いいだろうと手にとってみた。
なかなか受賞が難しいといわれる推協賞の短編部門を受賞したという表題作はなんともお洒落な作品だった。
結末のオチが効いているのは勿論、800メートル競争することがなぜ人間の尊厳を証明することになるのか、という理論を楽しく読めた。
個人的に好きなのは『完全犯罪あるいは善人の見えない牙』
病死に見せかけ殺し、完全犯罪を成功させた筈なのになぜ捕まったのか。
真相は簡潔ながら綺麗に纏まっており、1番ミステリ度が高い作品ではないだろうか?
ミステリとして読むと肩透かしを食らうかもしれないが、単純に読み物と -
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★★★★☆
史上初の犯人
【内容】
新聞に連載小説を発表している私のもとに一通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた「意外な犯人」モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた
【感想】
おそらくこの人が犯人になったのは初めてであろう。そのインパクトは絶大であり、それだけで評価できる。
なんとコレがデビュー作というからそこも驚き!
読後感としては、ちょっと複雑な感じがします。それほど中身に引き込まれたってことでしょう。
文字を映像にすれば映像化も不可能じゃないのですが、多くの人が最終的に混乱するので厳しいかな。
「ウルチモ・トルッコ」とはイタリア語(あるいはス -
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「読者が犯人」物はどうしたってキワモノにならざるを得ないと思うんですが、これもその御多分に漏れません(笑)。ですが、読み終わって本を閉じる時に、
「なるほど、確かに私が犯人だ!」
「いや、この殺害方法はアンフェアだ!」
と確かに悶々とするんですが、既読のこのジャンル作品の中では間違いなく暫定一位の新解釈です。そう来るか〜(笑)。
物語は、
「私に届いた、奇妙な手紙と小説」
「私と友人の、奇妙な手紙をめぐる会話」
「私と超能力研究者の、超能力実験と検証」
の三本柱を軸に展開します。あと、芸術探偵シリーズの海埜刑事の登場が嬉しかったわ〜( ^ω^ )
詳しくはネタバレになるので書きませんが、こ -
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「芸術探偵シリーズ」第1弾。
印象派やフォービズムのように、流派の名を挙げることで
絵画作品の特徴が分かるようなものではない、エコール・ド・パリ。
画家ひとりひとりに特徴があり、同じエコール・ド・パリに分類される
画家同士でも全く意趣の異なる絵を描いていることも。
そんなエコール・ド・パリの画家及び彼らの作品にスポットを当て、
その特徴を紹介しつつ殺人事件とその解決の至るまでの経緯を
うまく絡めながら展開させたミステリ。
犯人は、、、まぁ分かりやすいでしょうか。
ミステリ好きな人にとっては。
謎の部分もどこかにあったものの組合せだしね。
ただ、2人目も死者の方は全く分からなかったなぁ~