深水黎一郎のレビュー一覧

  • 犯人選挙

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    『ミステリー・アリーナ』で多重解決の極北に達した著者の新たな挑戦。はっきり言ってしまえば出落ちというか、本当にタイトルそのまんまである。無料公開された問題編が終わった後、予告された7つの解決編が語られる。解決編はコメディタッチでやりたい放題。『ミステリー・アリーナ』以上のものとなっているかというとそうは思わないものの、試みとしては面白い。十分に楽しませてもらった。

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    2021年04月11日
  • 詩人の恋

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    シューマンの「詩人の恋」の新解釈?7部構成でそれぞれの主人公が詩人の恋について解釈する.恋に悩む高校生のおふざけ解釈やミステリータッチの大学合唱部編に大学教授のテロがらみのドイツ編,手を替え品を替え解説してくれる.ただ第7部は歌唱指導まで入りもう詳細すぎて素人にはお腹いっぱい.だけど最後の一覧表は分かりやすくて助かりました.謎の手紙のアイデアはともかく,それがなくてもなかなかに興味深い「詩人の恋」の解釈だと思いました.

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    2021年01月31日
  • 最後のトリック

    購入済み

    あまり入り込めませんでしたが、頑張って最後まで読みました。私には難しかったようです。それにしても、「読者が犯人」ってすっごい試みですよね。

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    2020年12月19日
  • ミステリー・アリーナ

    ネタバレ 購入済み

    アレです

    あの手の仕掛けに定評のある深水先生。
    まあ、ある程度ミステリーを読み慣れた人向けの作品ですね。

    取って付けたようなエピローグはちょっと気に掛かる。

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    2020年12月02日
  • 詩人の恋

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    ネタバレ

    ないわ!連続殺人はどうなってんねん、回収してー。つーか、大学合唱サークルのパート、なくていいから。いきなり阿井センセのサバティカル・ショッピングから良くない?
    あと、プロの歌手が「子音を立てろ」だ「ずり上げるな」とかって、アマチュア合唱みたいな指摘されてるってどーよっ、あり得ないわっ。
    しかしまあ、おそらくメインテーマであろう「ブラームスが加担したシューマンの企み」自体は興味深いものではあった。けれど、せっかく現代ドイツまで引き継がれたのに、ネオナチ絡みで消失…ってトコが、変にリアルで嫌な感じ。

    ハイネの訳詩は引用元が明記されていないところを見ると、作者訳なのかな。私は新潮文庫の片山敏彦訳で育った(?)ので、一瞬「?」だった。
    作者も結構なシューマニアーナなんだろうなあ。「第六部 伯林」中の、阿井センセの表題音楽と絶対音楽辺りの語りはなかなか情熱的だった。

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    2020年10月26日
  • 詩人の恋

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    ネタバレ

     芸術ミステリは、深水黎一郎さんのライフワークであり、代名詞。自分は芸術全般に疎いが、深水さんの芸術ミステリの一ファンのつもりではある。

     深水さんの芸術ミステリは、その分野に精通していれば当然面白いし、自分のように全くの素人が読んでもやはり面白い。通と素人の両方を唸らせる。読者を置き去りにした蘊蓄系ミステリが多い中、なかなかできることではない。

     手に取った待望の新作は、もちろん深水流芸術ミステリの系譜を継いでいる。面白いかったかといえば面白かった。しかし、本作と同名の歌曲集『詩人の恋』を知らなかった僕は、面白さと同時に悔しさも味わったのだった。

     全七部からなるが、長さはばらばら、時代は過去だったり現代だったり、第二部「伝記的事実」はその通り第三者視点で淡々と綴っている。いずれも『詩人の恋』の内容が関わってくるが、この難解な詩を現代の恋愛模様にアレンジした第三部、第五部は、意外な展開に苦笑した。おっさん読者は若い感性に嫉妬しそうだ。

     シューマンやブラームスの時代を描いた第一部、第四部。短くても濃密だが、謎を残して終わる。この謎が現代で解かれるのかなあと期待しつつ、読み進める。伯林を舞台にした第六部は、涙なしには読めない。一学者として誠実に生きてきた人物に同情する…。第六部の重要性に、自分は読み終えてから気づくことになる。

     いよいよ真打登場の第七部。何と何とあの男が再登場。内容はとても理解できたとは言えないが、瞬一郎は歌唱指導までしてしまうんかいっ! そんな彼が最後に披露した、『詩人の恋』に込められた真相とは。偉い人の説がまかり通る、学問の世界。これを論文として提出したら、どう受け止められるのかと、ふと思った。

     やはり、『詩人の恋』を知っている方が面白さは増すだろう。自分には真に理解できていないという点で、星四つとさせていただきたい。星五つはつけられない。

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    2020年10月16日
  • 犯人選挙

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    レア本。
    たまたま手にした本だけど、かなりレアな設定、結末。ミステリーとしての質も良かったし、最近似たような作品が多いから新鮮で面白かった。

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    2020年10月16日
  • 大べし見警部の事件簿 リターンズ~大べし見vs.芸術探偵~

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    ちょうど軽いミステリが読みたかったのでちょうど良かった。初めの掌篇三つはイマイチ。ブリューゲルのネタは良かった。後半の注釈モノは音楽評論についての部分は面白かったが、ミステリとしては安易か。

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    2020年05月02日
  • 犯人選挙

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    企画は知っていたが、こうやって本になるとは予想外で面白かった。料理好き男子の主人公がいちいち馴染みのない食材で凝った料理作るのにイラッとした。粘着っぽくて、勘違いされても仕方無い。

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    2019年11月23日
  • 午前三時のサヨナラ・ゲーム

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    「野球が好きならどうぞ」とオススメされた一冊。野球モノというと、熱く・爽やかなストーリーと勝手に想像していたが、いい意味で裏切られた。ハッキリ言って野球バカ揃いの9短編集。そしてラストが思いのほかぶっ飛んでいる作品揃い。ちょっと世代が合わなくて理解しづらい話や、相当に意味不明で読み辛い話もあったが、『午前3時のサヨナラゲーム』『野球嫌い』『ゆく河の流れは絶えずして、しかも』『生涯徒爾一野球観戦居士』の4編は面白かった。いっぷう変わった野球小説として楽しめた。

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    2019年06月22日
  • 倒叙の四季 破られた完全犯罪

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    「完全犯罪完全指南」という裏ファイルを使って完璧な犯行を確信するも、小さなミスや綻びから、暴かれてしまう倒叙ミステリー。

    ドラマ化してほしいくらいよく出来た短編集という感想です。
    ファイルの存在が犯人の気持ちを大きくさせ、緻密な犯行の潜む本心は、胸糞の悪い動機ばかり。辟易とさせられるものの、現実味があり、ちっぽけな犯人共ざまぁという爽快さもあったり。
    些細なミスが決定的証拠となる毎度の展開は、作者が掲げた「簡単に犯行を認めない」というハードルを軽々超えてきた作者の確かな技量をみました。
    それにしてもはずれのない作家ですね…

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    2019年05月04日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    古今東西ミステリーにはたくさんの意外な犯人が登場してきた。そんな中、読者が犯人というのは、確かに群を抜いて突飛な犯人像だし、その発想は面白い。

    物語は、新聞に小説を連載している主人公のもとに、読者が犯人というミステリー小説の不可能トリックの原案を買ってくれという手紙が届くところから始まる。

    一見関係なさそうな超心理学の実験や差出人の覚書が、後半見事に繋がっていくのが読んでて心地いい。
    この作家さん、過去に数作しか読んだことないけれど、後半の畳み掛けるような展開が印象的だった。今作はデビュー作だけど、すでにその片鱗は見える。

    タイトルの「ウルチモ・トルッコ」は、イタリア語で究極のトリックという意味だそう。
    確かに読者が犯人と言えばそうなんだけど、状況が特殊すぎて、やや無理矢理感があるかな。
    でも、デビュー作だからこそか、挑戦的というか意欲的というか。サイトレビューを見ると評価は低めだけど、個人的には悪くない読後感。

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    2018年08月29日
  • ストラディヴァリウスを上手に盗む方法

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    音楽を主軸においた連作短編集。多彩な読み味で、ミステリの面白さやコミカルな人間関係、そして崩壊と幻想的な余韻など作品によって異なる印象がなんとも楽しい作品でした。  特に『レゾナンス』は緊迫感と盛り上がり、そしてラストの風景が美しく、大好きです。

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    2018年06月30日
  • 午前三時のサヨナラ・ゲーム

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    Numberの本特集の欄で紹介されていて、おもしろうそうだったので


    ネットオフで購入。

    元々はミステリー作家の方のようですが、今作は恋愛中心。


    短編すべてが野球が関わっていて、それがスパイスになっていておもしろい。



    恋愛としてはタイトルにもなっている午前3時のサヨナラゲームが最高。

    人生物語としては、「もう一つの10・8」が郷愁を誘います。

    あの巨人対中日、国民的行事とも呼ばれたあの一戦。

    あなたはどこで観ていましたか、そんな心が誘われる内容です。



    1つ1つの短編がそれぞれよい輝きを持っていて、一気に読んでしまう作品ばかりでした。

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    2017年07月04日
  • 午前三時のサヨナラ・ゲーム

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    ネタバレ

     一言で言えば、野球ファンの人間模様を描いた作品集である。ミステリ性は皆無。一深水ファンとしては、戸惑ったけれど楽しめた、とでも言うべきか。

     日本のスポーツ報道は、プロ野球を中心に回っている。一面の多くをプロ野球が占める。毎日一喜一憂しているファンは多いだろう。自分はサッカーファンであり、野球については特定球団のファンではないが、プロ野球を生観戦したことはあるので、サッカーと違う野球の楽しみ方や、ファン心理は、一応わかっているつもりである。

     「午前三時のサヨナラ・ゲーム」。別れた男女が再会し、雨の中、未明の球場で何をやっとんねん。今季のマリーンズは、貧打に喘いでいるが…。「野球嫌い」。これはサッカーファンでもよくわかる。夫婦のどちらかはまったく興味がなく、夢中になっている相方を冷ややかに見ているのは、よく聞く話だよね。

     「ゆく河の流れは絶えずして、しかも」。大洋ホエールズ時代のファンとは筋金入りだが、その設定は必要なのだろうか。愛しい人の影を追い続けた結末とは。……。「もうひとつの10・8」。この試合は自分も覚えている。そのもう一つの結末とは? 負け試合ほどいつまでも語り継がれるのは、サッカーも同じかな。

     「もうひとつの10・19」。これまた有名試合だが、何だこのオチは…。「生涯徒爾一野球観戦居士」。サッカーも何試合も観るファンは多いが、毎日のように試合があるプロ野球で、ここまでの環境を整えるのはすごいな…で、何だこのオチは…。彼の人生が本望だったのか、知る由もない。

     「ジェイムス・ジョイスを読んだ元中継ぎエース」。分業化が進み、中継ぎという役割も重要になった現代野球。どこか拾ってくれるといいね…。「9回裏 地球連邦大学紀要 No.一二八三八」。これもサッカーにも当てはまる。勝てないからって簡単に応援をやめられたら、どんなに楽だろう。

     薀蓄シリーズのファンは、どう感じるか。茶化している面もあるが、根底には野球への、野球ファンへの愛がある。本作を刊行したポプラ社の、心意気に拍手。

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    2017年04月25日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    エコール・ド・パリについて美術の教養の無い私のような読者にも興味深くまた分かった気にさせる絶妙なバランスの作中作の筆致が好きだ。最後まで読み終えて登場人物に嫌いなヤツが一人もいないの、凄いです。

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    2016年07月10日
  • ジークフリートの剣

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    オペラが題材とはどんなもんだいと読んでみた。
    有名になり、事故で妻を亡くしたテノール歌手の話。

    そんなにミステリー色は強くないが読み応えのある作品。

    ラストが素晴らしい。全てはこのラストのためにあったのだ。

    ラストの情景が目に浮かぶ。
    まさに芸術ミステリーです!

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    2016年06月04日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    作者のデビュー・・じゃない、2作目か。なんというか、そういう粗削りっぽい感じはするものの非常にまとまりがよく楽しく読めました。美術論みたいなものが間に挟まりそれがちゃんと内容にリンクしていたり逆に示唆していたり、と。そういう分野に疎い自分でも面白く読めました。先日読んだのが「いちいち長々した説明を挟む」一冊だったので対比的な意味でも面白く感じてしまった。

    しかしここから探偵役である神泉寺瞬一郎だったり、破天荒な大癋見警部がスピンオフしていくことを思うと、非常に濃いメンツ揃いのお話だったんだな、ともw

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    2015年11月25日
  • トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ

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    【背表紙】
    歌劇『トスカ』公演の真っ最中。プリマドンナが相手役のバリトン歌手を突き刺したそのナイフは、なぜか本物だった。舞台という「開かれた密室」で起こった前代未聞の殺人事件。罠を仕掛けた犯人の真意は!?芸術探偵・瞬一郎と伯父の海埜刑事が完全犯罪の真相を追う!「読者に勧める黄金の本格ミステリー」選出。

    オペラという個人的に全く知識のない舞台での殺人事件。
    歌劇の描写を脳内再生でき、問題なく楽しめた。
    トリックは突飛ではないが、人物の心境が良く書かれていると思う。
    おおべしみ警部の存在は必要なのか?

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    2014年11月26日
  • 人間の尊厳と八〇〇メートル

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    前から気になっていた作家だったので、短編集なら雰囲気を知るには丁度いいだろうと手にとってみた。

    なかなか受賞が難しいといわれる推協賞の短編部門を受賞したという表題作はなんともお洒落な作品だった。
    結末のオチが効いているのは勿論、800メートル競争することがなぜ人間の尊厳を証明することになるのか、という理論を楽しく読めた。

    個人的に好きなのは『完全犯罪あるいは善人の見えない牙』
    病死に見せかけ殺し、完全犯罪を成功させた筈なのになぜ捕まったのか。
    真相は簡潔ながら綺麗に纏まっており、1番ミステリ度が高い作品ではないだろうか?

    ミステリとして読むと肩透かしを食らうかもしれないが、単純に読み物として面白いので是非読んで欲しい。

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    2014年09月17日