深水黎一郎のレビュー一覧
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エコール・ド・パリとは著者そのもの
エコール・ド・パリ ー 名前は聞いたことがあっても、明確な定義があるわけではない彼らについて知る人は少ないでしょう。モディリアーニや、シャガールなどの作品は実際見たことがありますが、華やかな印象派の画家たちと比べるとあまり好きな画風ではありませんでした。
作品についてですが、作中作に当てはまる「呪われた芸術家たち」という美術論を筆頭に、美術ミステリとしてこれ以上ない水準だといえます。一方で、フェアとも巧妙とも思えない読者を誘導させる例のアレや、よく分からないミスリード、真相諸々、あまり好みでない要素が多かったです。あまりにも浮いている警部の存在もさること -
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神泉寺瞬一郎のシリーズ。これは作品内で時系列がちゃんとあるんですね。先日読んだ「ジークフリードの剣」の次になってる。そこら辺の話もでてきてるし。
今回は歌劇『トスカ』公演の真っ最中に舞台上で起きた殺人。真相に至る推理もさることながら、この手の話に疎い自分からすると歌劇とか知らない世界をいろいろと勉強できてそれがまた趣深い。知ってる人からしたら退屈だったりいろいろ反論したいところもあったりするのだろうか?
話の展開とかは決して明るくもないのにおなじみ大癋見警部のとぼけた味わいで馬鹿馬鹿しさもたっぷりってのがとぼけた味わいにもなっていいですね。 -
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ネタバレ深水黎一郎の作品は,メフィスト賞受賞作の「ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!」を読んでみたいと思っていながらも,未読。この作品が始めての作品。
予備知識なしで読み終わった。読み終わった段階の感想は,驚くことはできたけど,「なんか違和感があるな?」というもの。パラパラと再読しても,なかなか違和感がなくならなかった。
本作は,同級生ふたりを殺した少年を家庭裁判所調査官の「森本」が調査をしているという設定となっている。調査がされている少年の名前が伏せられており,この少年が誰か?という点が謎となっている。
叙述トリックで少年を「昌晴」という少年だと思わせ「,実は「白崎」という少年でした!」という真相 -
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本書は『トスカの接吻』のサイドストーリーに位置付けられます。
物語では、念願叶ってジークフリード訳を射止めた主人公が、舞台で喝采を浴びるまでの苦悩や葛藤が描かれています。
こうして書いてみると、およそミステリっぽくないのですが、そこは芸術探偵シリーズで卒のない作品を産んできた作者のこと、細かな伏線、暗示的な描写などで、胸打つミステリに仕上がっています。
しかし、実を言うとミステリとして読まない方がより本書を楽しめるような気がします。作者の名前的に無理な注文でしょうが、ひとまず物語の流れるままに、文字を追うような読み方をオススメします。
ラストのジークフリードを演じる主人公の姿は、読者である僕も -
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事件の中に芸術趣味が違和感なく溶け込んでおり、物語を構築する巧さが光ります。
事件の謎自体は、凶器の入れ替わりという地味なものですが、それがオペラの舞台上で行われたことにより、印象深くなっています。
そのオペラに関する蘊蓄の量は膨大ですが、前作同様読みやすく、興味すら湧きます。
第二の殺人ではダイイングメッセージという謎が紛糾しますが、二つのメッセージに関連性が見られず、つかみ所のないものになっています。
この二つの殺人の真相は、芸術探偵の言う通り、根っこの部分では繋がっているもので、よく出来ていると思います。
とりわけ第一の殺人での、犯人の出入りに関するトリックは、膝を打つこと請け合いでしょ -
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前に『人間の尊厳と800メートル』を読んだとき、ミステリ的な驚きというよりは、謎に満ちた雰囲気で魅せる作風なのかなと勝手に思い込み、その雰囲気はすごく良かったのですが、何となく読むのを後回しにしていた1冊。
しかし、いざ読んでみるとやっていることは本格ミステリそのもの。雰囲気ですら古き良き時代のものを感じました。
芸術に関する蘊蓄も、リーダビリティを損なうことなく、門外漢のぼくにも興味を抱かせるようなもので、作者の教養の高さが伺えます。
事件自体は地味ながら、ダミーの解決ですら伏線が張られているなど、丁寧に作られている印象。犯人については、当て推量で見当がついてしまう向きもないではないですが、 -
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ネタバレ何故、見ず知らずの相手と夜中に競争しなければならないのか?
100メートルでも1キロメートルでもなく、中途半端な800メートルを指定する理由は?
これらの根拠を、量子力学を基に医学や文学にまで言及しながら説明していくのですが( ^ω^ )
読んでる最中は、「成る程ね〜突飛な発想だけど一応筋が通ってるわ〜」と感心しきりだったのですが、よくよく読み返すと牽強付会も甚だしいですな(笑)。でも、初読の時は凄く鮮やかな論理展開に感じられたんですよね〜( ^ω^ )
男が持論を述べる上記の部分が面白かったので、賭けの対象に話が及び始めた後は、若干失速したような印象でしょうか。ラスト付近で出て来た人物が