深水黎一郎のレビュー一覧

  • 五声のリチェルカーレ

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    深水黎一郎による、学芸タッチの中編ミステリ。
    デビュー作から考えると、特異な起承転結はないが、代わりに文体や表現、セリフ等で所々個性を滲ませている感じがした。
    様々な学術的知識やエピソードをはさみつつ、話の構成は緻密で、上手くまとまった作品だと思う。
    ただし、少し文章は硬質すぎるか。自分の好みの問題ではあるが。
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    2015年10月24日
  • 五声のリチェルカーレ

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    ネタバレ

    深水黎一郎の作品は,メフィスト賞受賞作の「ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!」を読んでみたいと思っていながらも,未読。この作品が始めての作品。
    予備知識なしで読み終わった。読み終わった段階の感想は,驚くことはできたけど,「なんか違和感があるな?」というもの。パラパラと再読しても,なかなか違和感がなくならなかった。
    本作は,同級生ふたりを殺した少年を家庭裁判所調査官の「森本」が調査をしているという設定となっている。調査がされている少年の名前が伏せられており,この少年が誰か?という点が謎となっている。
    叙述トリックで少年を「昌晴」という少年だと思わせ「,実は「白崎」という少年でした!」という真相

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    2015年09月27日
  • 人間の尊厳と八〇〇メートル

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    サクサク読めるのと読後感の良さよ。こういう味わいのミステリって他になんかあったかなぁと、何とも例え難い。各々の話でのキャラクターたちが語る内容が面白かった

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    2015年09月14日
  • 人間の尊厳と八〇〇メートル

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    こじんまりとしたバーで、「わたし」が初対面の男から持ちかけられた、謎めいた“賭け"の行方は・・・。

    短編集です。
    ちょっとした日常の謎とか歌野晶午みたいなワンアイデアで一本くらいの軽いミステリとかバラエティに富んでいます。いい意味でも悪い意味でも統一感がない一冊かもしれません。逆にいうとどれか一本くらいは好みの話が見つかるんじゃないかな、と。
    個人的には「北欧二題」が異国の風景を読んでいて感じ入った気がして好きです。謎!って感じの話でもなくすっきりと読めたのも好印象。

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    2015年08月11日
  • 人間の尊厳と八〇〇メートル

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    深水黎一郎のミステリ短編集。
    表題作は日本推理作家協会賞作品、これはよかった。洒落た感じと、切れの良い起承転結、読後感も良好。
    それと「蜜月旅行」は楽しめたが、他が微妙だった。
    メフィストデビューの作者の色合いは不安定であり、どちらかといえば、“らしさ”がない作品のほうが好き。
    となると、相性はよくないのかもしれない。
    3

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    2015年06月18日
  • ジークフリートの剣

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    本書は『トスカの接吻』のサイドストーリーに位置付けられます。
    物語では、念願叶ってジークフリード訳を射止めた主人公が、舞台で喝采を浴びるまでの苦悩や葛藤が描かれています。
    こうして書いてみると、およそミステリっぽくないのですが、そこは芸術探偵シリーズで卒のない作品を産んできた作者のこと、細かな伏線、暗示的な描写などで、胸打つミステリに仕上がっています。
    しかし、実を言うとミステリとして読まない方がより本書を楽しめるような気がします。作者の名前的に無理な注文でしょうが、ひとまず物語の流れるままに、文字を追うような読み方をオススメします。
    ラストのジークフリードを演じる主人公の姿は、読者である僕も

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    2015年05月24日
  • トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ

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    事件の中に芸術趣味が違和感なく溶け込んでおり、物語を構築する巧さが光ります。
    事件の謎自体は、凶器の入れ替わりという地味なものですが、それがオペラの舞台上で行われたことにより、印象深くなっています。
    そのオペラに関する蘊蓄の量は膨大ですが、前作同様読みやすく、興味すら湧きます。
    第二の殺人ではダイイングメッセージという謎が紛糾しますが、二つのメッセージに関連性が見られず、つかみ所のないものになっています。
    この二つの殺人の真相は、芸術探偵の言う通り、根っこの部分では繋がっているもので、よく出来ていると思います。
    とりわけ第一の殺人での、犯人の出入りに関するトリックは、膝を打つこと請け合いでしょ

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    2015年05月14日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    前に『人間の尊厳と800メートル』を読んだとき、ミステリ的な驚きというよりは、謎に満ちた雰囲気で魅せる作風なのかなと勝手に思い込み、その雰囲気はすごく良かったのですが、何となく読むのを後回しにしていた1冊。
    しかし、いざ読んでみるとやっていることは本格ミステリそのもの。雰囲気ですら古き良き時代のものを感じました。
    芸術に関する蘊蓄も、リーダビリティを損なうことなく、門外漢のぼくにも興味を抱かせるようなもので、作者の教養の高さが伺えます。
    事件自体は地味ながら、ダミーの解決ですら伏線が張られているなど、丁寧に作られている印象。犯人については、当て推量で見当がついてしまう向きもないではないですが、

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    2015年05月13日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    うーん、ものすごく期待しましたが、ちょっと肩透かしくらった感じです。あんなに超能力について、語る必要があったのかな?ちょっと疑問です。確かに犯人は読者なんですが、はぁ?という感じです。

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    2015年01月24日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    本のタイトルからも分かるように、「読者」を犯人に仕立て上げる事をテーマにした作品です。
    とはいえ、名作・良作としての作品知名度が高くないことから推測できるように、万人を納得させるようなトリックではなかったかなというのが、正直な感想です。
    元々ハードルが高いテーマであるため、結構強引な設定が組まれていました。
    過度の期待をせず、こういった考え方もあるのかといった軽い感じで読むぐらいが良いかと思われます。

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    2015年01月14日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    エコール・ド・パリという言葉は初めて聞いた。アンリ・ルソーもそうだったのか。個性的すぎて、彼らの絵は好みじゃないな…。
    ちゃんとした推理小説。謎を解く人の印象はうすかったけど。何故密室を作るのか、それにも応えてくれている。

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    2014年07月18日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    なかなか面白かった。読者が犯人というトリック、後半が急ぎすぎた感があった。題名のウルチモ・トルッコの意味が最後までわからずじまい(ーー;)

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    2014年07月16日
  • 人間の尊厳と八〇〇メートル

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    ネタバレ

    何故、見ず知らずの相手と夜中に競争しなければならないのか?
    100メートルでも1キロメートルでもなく、中途半端な800メートルを指定する理由は?
    これらの根拠を、量子力学を基に医学や文学にまで言及しながら説明していくのですが( ^ω^ )

    読んでる最中は、「成る程ね〜突飛な発想だけど一応筋が通ってるわ〜」と感心しきりだったのですが、よくよく読み返すと牽強付会も甚だしいですな(笑)。でも、初読の時は凄く鮮やかな論理展開に感じられたんですよね〜( ^ω^ )

    男が持論を述べる上記の部分が面白かったので、賭けの対象に話が及び始めた後は、若干失速したような印象でしょうか。ラスト付近で出て来た人物が

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    2014年05月16日
  • 人間の尊厳と八〇〇メートル

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    ネタバレ

    チョットした小話が5つ(各話40ページほど)

    「人間の尊厳と800メートル」
    義足の人に5万円を賭けた800m競走を持ちかけた男が、ゴツイ人も参加すると言われ退散する。(ゴツイ人も実は障害者だった)

    「北欧二題」
    1.おもちゃ屋でカード決済出来ない国王が、お札の顔で本人確認する。
    2.館員が閉館後に友人と会う約束のせいで、博物館から閉め出される。

    「特別警戒態勢」
    お盆に皇居を爆破すると予告した犯人の目的は、父が警官でお盆に家族旅行したくなかったから。

    「完全犯罪あるいは善人の見えない牙」
    善人すぎる夫を投薬で殺害するが、夫が死後全身を医療提供する契約をしてたのでバレる。

    「蜜月旅行

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    2015年02月17日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    2014.3.5再読 処分

    メフィスト賞受賞作。
    「読者が犯人」という究極のトリックに挑戦した作品。
    読後数年経っても忘れられないインパクトがある。
    残念なのは、これが本という形態だったこと。
    もし新聞で毎日読んでいたなら、確かに私が犯人だ!と思わざるを得なかったかもしれない。
    文章は読みやすいが、若干冗長な感じはした。
    装丁がSFチックだなぁと長年思っていたのだけれど、口コミで真ん中の銀部分が鏡だということに気付いた。
    なるほど…。

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    2014年03月05日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    ネタバレ

    いかにもメフィスト賞な、ケレン味たっぷりの大上段に振りかぶった作品。
    意欲は買うが、トリックの前提にあまりにも特殊な条件を設定しているので、驚くというよりは「うーん」と首をひねる読後感。
    終わってみれば中身もかなり冗長でもっと短く出来たように思う。6.0

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    2014年02月20日
  • 花窗玻璃 シャガールの黙示

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    日本のルビって凄いなーと本作を読んで改めて痛感。建物の構造とか良く分からなくても、漢字表記だけで大体のイメージはできちゃうもんな(穹㝫天井とか、尖塔拱頂とか)。
    で、ルビに振られた本来の発音表記(日本語では限界あるだろうけど)でお仏蘭西なカホリが漂うし、読み始めの取っ付きにくさを乗り越えれば意外にスルスルと読めます( ^ω^ )

    明治の文豪達の偉大な功績を実感しながら、ルビ文化について熱く語る芸術探偵の語りに、うんうんと思わずうなずくのでした。

    さて、「芸術探偵が書いた、フランスを舞台としたにも関わらず、一切片仮名が出てこない野心作」の体裁を取った本作。
    いつもは伯父の海埜刑事相手にこれで

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    2014年02月03日
  • 花窗玻璃 シャガールの黙示

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    ネタバレ

    薀蓄+ミステリ、舞台設定など、笠井潔へのオマージュか。
    ミステリ部分はかなり腰砕けな感じもするが、美術、歴史部分が面白いので、都度、画像検索しながら、総じて読める。7.0

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    2014年02月02日
  • ジークフリートの剣

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    ネタバレ

    芸術ミステリーシリーズ第4弾。

    <あらすじ>
    オペラのテノール歌手・藤枝和行は、同業者で恋人の遠山有希子に連れられ
    良く当たると評判の霊感師に会いに行く。
    そこで霊感師に”有希子は幸せの絶頂で命を落とす”と予言される。

    その後、藤枝は、ワーグナーの『ニーベルングの指環』4部作の第2夜、
    『ジークフリート』のジークフリート役に大抜擢され、
    有希子も同じ舞台の脇役として出演することになった。
    2人で共演することが夢だった有希子は、藤枝のプロポーズを受け婚約する。

    そんな矢先、有希子が乗っていた列車が事故に遭い、有希子は死んでしまう。
    有希子の葬式に赴いた藤枝は、遺骨から大腿骨を遺品として受け

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    2014年01月27日
  • トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ

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    『芸術探偵』シリーズ第二弾。
    有名な演出家、有名な歌手が魅せるオペラの劇中で
    引っ込む仕掛けが施されたはずのナイフが本物に
    すり替わっていたために本当の殺人が起きてしまい・・・

    「開かれた密室」状態のオペラ・ハウスで一体どうやって
    すり替えが行われたのか?そして、誰がやったのか?


    といったミステリだけど、前作と違って今作はなんというか
    かなりセコい。ズルい。あんなの読者には絶対分からんよ。
    捜査中の段階は結構面白かったのに、解決編でがっかりした。

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    2014年01月13日