深水黎一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初から結末がわかっているタイプの小説。
実はこの小説を知ったのは、ビブリオバトルだったのだが、挑戦的な作品を読めたので、彼に感謝したい。
最後の手紙を読むと、読者が犯人、というロジックがしっかり成立するように、読めば読むほど言い逃れができなくなる、用意周到さがよかった。犯人になるロジックがしっかり組まれていて、面白いアイデアだった。共感的に読むより、理屈で読む方が得意だという人に合うと思う。
そんなにミステリーファン!というわけではないが、いろいろ疑り深く読み進めても、このアイデアは思いつかなかった。
ストーリー展開も、なぜこの作者に手紙が?という謎解きも含めて面白かった。
ちょっと純文学っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ作者のアイデアに敬意を込めて、星4。
うーん…。
まぁ、そういうトリックもあっていいと思う。
犯人は読者に殺されたんだけど、私は、「犯人は私だ…!」って感じなかった。読書方法として、自分と物語は乖離させて読んでいるからかな。物語を俯瞰して読んでいる人からしても「犯人は私だ…!」って思える内容を期待してたから、内容には納得できない。この内容が本当に現在進行系で進んでいる小説でノンフィクションを謳っていたら、少しは自分が犯人かもって思うけど。これはフィクションにすぎないって思ってしまったのが、私が面白さを感じられなかった原因かな。
ただ、このような内容は思いつきもしなかったので、アイデアの面白 -
Posted by ブクログ
ネタバレ実際に殺人事件が起きるわけではなく、ミステリ小説を読みながらみんなで推理合戦をする、というテイストなので、ミステリ小説と呼んでいいのか難しい。ミステリ小説に関する小説ではあると思うので、ミステリ小説小説と呼ぶべきか……。
すでに用意された15の選択肢の中から推理によって当てられたもの以外が真実として残る、というのは通常のミステリ小説と反転していて小気味いい。通常はあたったものが唯一の真実として、残りの可能性は刈り取られてしまうのだから。
司会者の発言があまりにゲスいし、挑戦者の推理も偏見の依っているところが多い。それ自体は「ミステリ読みって、道徳とか倫理とか、人間性とかそういうのに興味なくて