深水黎一郎のレビュー一覧
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ネタバレ映画観たいけど観れなさそうなので原作の方をということで…こういう系は嫌いじゃないので、どういう展開なのかなーと期待しながらさくさく読めた。
(司会者のノリとかが、漫画『クイズ!正義の選択』を思い出した)
作中作品のミステリー自体は、話の中でも言われてるけど回答者が答えるたびにそれを否定するかのような続きが始まるし、伏線だらけというか罠というか、バカミスぽい感じだった。
途中絶対「みな」って女も出てくると思ったのに出てこなかった…並木より絶対有り得るだろ…
鞠子が2人いたり平三郎2人いたりバレリーナたまが踊ってたりヒデが働いてるようなでもご飯は作ってない謎の雇われ人だったり…
最後は回答者死んで終わりかなーと思ったら正義は勝つ!パターンで終わったので、それは予想外だった。樺山のほうが上手だと思ってたのに。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれを読むまでキュビズムが麻耶雄嵩の造語だと勘違いしていたレベルに美術の知識がない自分でも、作中作の美術評論は興味深く、登場する画家達を検索した。評論がただの蘊蓄の披露に止まらず、物語の根底にまで深く関わっているのも、芸術に造詣の深い探偵が真っ先に解き明かすのも芸術探偵というシリーズの名に相応しい。読者への挑戦状で期待させた割に密室は肩透かしだが、犯人が憎悪に至るまでの過程が細部まで描かれていてこちらの方が印象的であった。密室なんてなくして被害者を救いようのないクズにしても良かったんじゃないかと思う。
エコール・ド・パリの評論はそのままミステリー作家の姿に重なって見えるのは深読みのしすぎだろうか。商業主義に陥らず、一人一派として作者にしか書けないものを書く。そんな作家としての矜持を体現した芸術ミステリーの傑作だと思う。 -
Posted by ブクログ
・書名:ミステリー・アリーナ
・著者:深水黎一郎
・出版社:講談社(講談社文庫)
・内容:賞金100億円を賭けた国民的クイズ番組「推理闘技場(ミステリー・アリーナ)」。予選を勝ち抜いたミステリー読みのプロたちが、「嵐の孤島で起きた3つの殺人事件」という問題に対し、早い者勝ちで独自の謎解きを披露していく。誰もが納得するような伏線と推理が乱舞するなか、提示される解決案はなんと15通り。多重解決の極致を描いた、圧倒的な密度を誇る本格ミステリ。
先日、劇場で公開された映画を観て、その独特な熱量に当てられたまま原作小説を手に取りました。
映像から入って活字へと遡る読書は、頭の中で答え合わせをするような楽しさがありますね。当然のことではありますが、映画と原作とでは設定が異なっている場面が多々見受けられます。しかし、そうしたメディアの違いによる改変はさておき、本書が持つ圧倒的なエネルギーにはただただ圧倒されるばかりでした。
何と言っても、ひとつのストーリー、そして劇中で起き殺人事件に対して「15通りもの解決(ロジック)」が用意されているという事実。これはもう、ミステリとしての過剰なまでのサービス精神というほかありません。これだけの数の推理を、それぞれ矛盾なく、かつ説得力を持たせて組み立てていく作業は、想像するだけで気が遠くなります。著者の深水氏が、相当に神経をすり減らしながら執筆されたであろうことは容易に推測できますが、実際にあとがきを読んでみると、その壮絶な舞台裏がそのまま語られており、思わず深く頷いてしまいました。文句なしに、かなり読み応えのあるストーリーです。
あえて少し気になった点を挙げるならば、多重解決のプロセスそのものに特化しているため、個々の推理の応酬がやや衒学的(ペダンチック)に感じられる部分があることでしょうか。回答者たちのキャラクターや態度に独特の癖があり、ミステリの定番の型(プロット)を過剰にパロディ化しているため、純粋な人間ドラマや情緒的な余韻を求める方には、少し人工的すぎると映るかもしれません。
しかし、それこそが本作の最大の魅力であり、仕掛けなのだと思います。特に作中に登場する「螺旋階段の構造」を巡るあれこれは、いかにもミステリヲタ向けに作られていて、思わずニヤリとさせられます。論理の迷宮をぐるぐると登り降りするような感覚は、ジャンルのファンであればあるほど、その過剰さに歓喜してしまうのではないでしょうか。
読者を選ぶ尖った作品ではありますが、ミステリというジャンルそのものを愛する人への、これ以上ない挑戦状のような一冊でした。 -
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『読者が犯人』という紹介文に惹かれて手に取った一冊。読み始めた当初は「読者が犯人になるなんてあり得るのだろうか」という先入観を抱きながら、答えを探すように慎重にページをめくった。しかし物語はなかなかその核心に触れず、複数のエピソードが並行して進んでいくため、「このまま読み続けて大丈夫だろうか」「いっそ閉じてしまおうか」という気持ちになる場面もあった。一方で、どこか説明のつかない違和感があり、「この先どうなるのだろう」という興味も捨てきれなかった。
ところが後半に入ると物語は一気に加速する。前半から中盤にかけて散りばめられていた別々の出来事が見事につながり、すべての伏線が収束していく。そして読み終えたとき、気づけば本当に「読者が犯人」になっていた。 -
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こりゃとんでもない作品だ。
読者の挑戦状ならぬ、読者が犯人を決められる作品。
読者が作者と同じ、物語を決める快感を味わえるとのこと。
特殊設定や、館、どんでん返し、挑戦状、あらゆるミステリーのカテゴリを網羅したがらもアンチテーゼでもあるもう良い意味しっちゃかめっちゃかすぎる!!
ちなみに私はあの人が犯人だと望みますってのを読書会とかで語り合うのにもってこいだなぁ…
あとは伏線回収や、この人物設定はこうゆう理由でなってるんだというのも拾いやすくてライト層で楽しめます。
この方の作品を何個か読んでいますが、ほんとにどれもミステリーのルールをぶち破って独自性の強さが唯一無二すぎます。 -
Posted by ブクログ
帯に書かれた「読者全員が犯人」「殺人犯の気分を味わってみませんか」の文字。半分を過ぎた辺りで、「え?」「確かにそれなら私も犯人の一人だけれども…」と思いながら、文字通り「命を賭けたトリック」に向き合った。
いじめに気づいていながらも、何も行動できない傍観者…が、いじめ自殺の犯人の一人であると言われるのと似た感覚では、と一瞬思ったが、それとは違っている。犯人の一人の気分になれたかどうかといえば、なっていないし、なりたくはないけれど、「最後のトリック」が何なのかわかっていくのはとてもおもしろく、後半は最後まで一気読みの展開だった。
ビブリオバトルの優勝作品ということで、それを授業で見て、読んでみたいからと娘におねだりされた初めての本。 -
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ネタバレ学校でビブリオバトルの動画を見て、その時のチャンプ本がこれで、興味を持って読んでみました。初めは読者が犯人だと言うトリックに対し、絶対に不可能だろうと思っていました。本作の中に登場する有馬が言っていたように、小説のなかの世界は私たちが生きている世界とは違う世界だからです。(並行世界みたいな感じだと私は思ってます)
しかし、筆者がこの物語の主人公である「私」になっているからこそ、このトリックは成立できたのではと思います。ちょっとESPの話がありすぎたと思いました。(そんなにトリックと関係なかった)
ミステリー好きとしては必ず読むべき本です。 -
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最初から結末がわかっているタイプの小説。
実はこの小説を知ったのは、ビブリオバトルだったのだが、挑戦的な作品を読めたので、彼に感謝したい。
最後の手紙を読むと、読者が犯人、というロジックがしっかり成立するように、読めば読むほど言い逃れができなくなる、用意周到さがよかった。犯人になるロジックがしっかり組まれていて、面白いアイデアだった。共感的に読むより、理屈で読む方が得意だという人に合うと思う。
そんなにミステリーファン!というわけではないが、いろいろ疑り深く読み進めても、このアイデアは思いつかなかった。
ストーリー展開も、なぜこの作者に手紙が?という謎解きも含めて面白かった。
ちょっと純文学っぽい筆致もあり、滑稽さと狂気が漂うESPの話など、一冊の中に複雑で断片的な話が散りばめられているので、個人的に興味深かった。 -
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ネタバレ作者のアイデアに敬意を込めて、星4。
うーん…。
まぁ、そういうトリックもあっていいと思う。
犯人は読者に殺されたんだけど、私は、「犯人は私だ…!」って感じなかった。読書方法として、自分と物語は乖離させて読んでいるからかな。物語を俯瞰して読んでいる人からしても「犯人は私だ…!」って思える内容を期待してたから、内容には納得できない。この内容が本当に現在進行系で進んでいる小説でノンフィクションを謳っていたら、少しは自分が犯人かもって思うけど。これはフィクションにすぎないって思ってしまったのが、私が面白さを感じられなかった原因かな。
ただ、このような内容は思いつきもしなかったので、アイデアの面白さには拍手を送りたい。