深水黎一郎のレビュー一覧

  • ジークフリートの剣

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    オペラの内容がメインの芸術探偵シリーズ。
    最後の方まで、事件性を感じさせず、実は事件が起こっていたという仕掛けが面白かった。
    オペラについて、多少詳しくなれる。

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    2014年04月21日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    「読者が犯人」物はどうしたってキワモノにならざるを得ないと思うんですが、これもその御多分に漏れません(笑)。ですが、読み終わって本を閉じる時に、
    「なるほど、確かに私が犯人だ!」
    「いや、この殺害方法はアンフェアだ!」
    と確かに悶々とするんですが、既読のこのジャンル作品の中では間違いなく暫定一位の新解釈です。そう来るか〜(笑)。

    物語は、
    「私に届いた、奇妙な手紙と小説」
    「私と友人の、奇妙な手紙をめぐる会話」
    「私と超能力研究者の、超能力実験と検証」
    の三本柱を軸に展開します。あと、芸術探偵シリーズの海埜刑事の登場が嬉しかったわ〜( ^ω^ )

    詳しくはネタバレになるので書きませんが、こ

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    2014年02月07日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    エコール・ド・パリのことなんか、何も知らなかったけれど、興味深く読めた。
    本当の凶器が分かった時、怖いな、と思った。
    何か悲しい話だった。

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    2014年01月05日
  • ジークフリートの剣

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    世界的テノール歌手の藤枝和行が「ニーベルングの指輪」の主役「ジークフリート」を射止めます。恋人の死を乗り越え、本番を迎えるのですが…。
    藤枝和行のプレイボーイぶりと、オペラの蘊蓄が延々と綴られミステリーの雰囲気が出て来ません。
    しかし、最後の最後で占い師が予言した「死んでも好きな男のために役立とうとする」の意味が綺麗に嵌まり、同時に数々の伏線に支えられていることに気づかされます。オペラに全く興味が無い人にとってはあまり楽しめないストーリーかもしれませんが、カタストロフィーが味わえる傑作だと思います。

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    2013年11月26日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    設定や密室トリックに既視感がありますが、作中の美術評論「呪われた芸術家たち」が解り易くて面白いですし、謎を解く鍵として役割をしっかり果たしているところが秀逸です。凶器の意外性や犯行動機の特異性など、著者のセンスを感じさせる作品でした。

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    2014年03月08日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    「芸術探偵シリーズ」第1弾。
    印象派やフォービズムのように、流派の名を挙げることで
    絵画作品の特徴が分かるようなものではない、エコール・ド・パリ。
    画家ひとりひとりに特徴があり、同じエコール・ド・パリに分類される
    画家同士でも全く意趣の異なる絵を描いていることも。

    そんなエコール・ド・パリの画家及び彼らの作品にスポットを当て、
    その特徴を紹介しつつ殺人事件とその解決の至るまでの経緯を
    うまく絡めながら展開させたミステリ。


    犯人は、、、まぁ分かりやすいでしょうか。
    ミステリ好きな人にとっては。
    謎の部分もどこかにあったものの組合せだしね。
    ただ、2人目も死者の方は全く分からなかったなぁ~

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    2013年09月26日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    正直期待せずに読んだのですが、面白かった。

    「読者が犯人」という究極のミステリーを完成させるトリックを主軸においた話。
    読み終わってみると、読み始めのとき確かに「こういうトリックとかありえるんじゃない?」と思った内容がまんま結末だったり(笑)、セリフから先が想像できたりするのですが、なのに薄っぺら感があんまりない。

    屁理屈みたいな部分もありますが、なるほど、辻褄はあってる。
    お約束的ではあるのですが、そこへ至るまでの行程が丁寧に準備されていて、強引さは(私は)あんまり感じなかった。

    「読者が犯人」、面白かったです。

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    2013年06月20日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    おもしろかった~。
    作中作含めて楽しめた。作中作単体でも充分おもしろいのに、それがまたミステリ的なネタにつながってくる辺り二度美味しいです。親子とはまた違う伯父である海埜と甥の瞬一郎のやりとりもよかった。
    本格ミステリとしては話の展開やトリック等がやや小粒な感じがするけど、芸術ミステリとしてみれば文句なしにおもしろかったです。

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    2012年11月17日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    登場人物の大げさな言動がちょいちょい鼻につくけど、マニアでもなんでもない自分的には、ミステリとしてはとても楽しめた。だんだん毒漬けにして、みたいな手法とか、火サスか昼ドラみたいな感じするけど、絵画とか芸術を絡めることによって、チープさからは逸脱してると思うし、人間関係の描写についてもよくできていると思いました。

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    2012年09月17日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    推理小説における最後の、そして究極のトリック・・・「犯人は読者」に挑戦した作品。

    新聞に連載小説を発表している私のもとに1通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた<意外な犯人>モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴える、究極のトリックとは?読後に驚愕必至のメフィスト賞受賞作!

    ミステリーを読むと、犯人は必ず作中に登場しているわけで、意外性を狙った小説でも、探偵が犯人、動物が犯人、被害者が犯人でもあった・・・等々、およそ書き尽くされてるんだが、この作品では、ミステリー界に残された最大のトリック・・・「読

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    2012年01月21日
  • 五声のリチェルカーレ

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    この本の中における本当の“擬態”を、私は最後まで気づかなかった。
    三声でも四声でもなく、まさしく五声であった。

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    2011年12月27日
  • 五声のリチェルカーレ

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    昆虫好きのおとなしい少年が殺人を犯し、家裁調査官の森本が
    動機を語らない少年に四苦八苦する様を、少年は昆虫の世界を
    背景に過去を回想し、音楽マニアの森本は、事件の構図を
    リチェルカーレという音楽形式に当てはめて解こうとする。
    最後は読者だけが「五声のリチェルカーレ」を認識しているという
    にくらしい演出になっているのだが、完全に騙されました。
    おかしいと思ったことをスルーすると誘導されちゃいます。

    短編の『シンリガクの実験』は狡賢い少年心理が
    うまく描かれて面白かったです。

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    2011年12月13日
  • エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ

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    「トスカの・・・」より後に読んだ。多少地味ではあったかもしれないが、内容的にはこちらのほうがもしかしたら納得できたかも。ただ上司の寒いギャグには、主人公同様に読者も辟易しているので、もう少し後ろに下がっていただければ、と思う。
    「BOOK」データベースより
    エコール・ド・パリ―第二次大戦前のパリで、悲劇的な生涯を送った画家たち。彼らの絵に心を奪われ続けた有名画商が、密室で殺された。死の謎を解く鍵は、被害者の遺した美術書の中に潜んでいる!?

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    2011年12月04日
  • 五声のリチェルカーレ

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    ネタバレ

    こういう誰が誰やねん的な仕掛けは大好きです。
    ちょっとややこしいですが…ちゃんと書いてあるわねえ。
    「シンリガクの実験」も面白かった。
    アオヤギミユキは天然か。

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    2011年11月25日
  • 花窗玻璃 シャガールの黙示

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    ネタバレ

    とても中身の濃い一冊です。
    凝った表現方法をとっているのに、すいすい一気に読まされてしまうリーダビリティ。






    ネタバレ感想を順不同で。

    マルタン刑事の叙述トリック(?) まんまとひっかかりました。
    ジャン・レノ系の渋いルックスで想像しながら読んでいたらアレ(笑
    いやジャン・レノも「グラン・ブルー」で共通するある要素を演じていたからアリか?

    タイペイさんがお気づきになったあれは、一読わかりませんでした。
    あれにお気づきになるとはすごい!
    クラシックの楽曲などで、サビの旋律を最初にさりげなくモチーフとして提示する感じで、ノベルスP55の、
    長髪を真っ赤に染めた若者 →後半でローラン氏

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    2011年11月21日
  • 五声のリチェルカーレ

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    動物の進化の仕方については興味があり、作中の昆虫の解説はかなり面白く読んだ。いじめの描写はちょっと辛い。でも現実も、この程度のことはあるのだろう。  音楽は詳しくないけど、たぶんこのタイトルは秀逸。結末は予想をはずれていなかったけど、最後まで飽きずに読めた。併録の作品は・・・なんだか某サイトのまとめサイトにあるような。

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    2011年09月11日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    究極のトリックとして、読者が犯人というアイデアを一億円を買えとせまる男からの手紙。
    もっとひどい真相になるかと思っていたが、しっかり本格ミステリとしての形式にのっとっていた。
    文章も読みやすく、軽すぎず、ちょうど良い。

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    2011年08月29日
  • 五声のリチェルカーレ

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    『同級生の刺殺事件』という凶悪犯罪を起こしたのは、昆虫好きの大人しい、クラスでも目立たないタイプの少年だった。
    「生きていたから殺した」と謎の動機を語る少年。少年との対話を元に、闇に包まれた事件の真相を追う家裁調査官の森本。そして少年による“事件の回想”が始まる…。

    読後すぐに「あっ、いつの間にか騙されていた!」と驚嘆。
    「一体何が起こったのか?」という事件の全容を把握するためには、一度最後まで読んだ後に、場面ごとに細かく再度の“検証”を必要とする、そこで初めて読者が“大いなる勘違い”に気付く、実に匠に構成された物語。

    こういう技巧を凝らした小説は大変好みです。


    そして、同時収録の短編

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    2011年05月05日
  • ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

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    ネタバレ

    ある作家の元に手紙が届く。

    その手紙の内容とは「読者が犯人だという小説を書いてみたので、それをあなた名義でよいので公表して下さい」とのこと。

    まぁ作者はこの仕掛け頑張った。

    読者が犯人ものは2冊ほど読んだが、どれもはいはい乙!な内容だった。
    実際、これも……

    いや、これは仕掛けが納得いくもので、作者の自己満足ばかりではなかった。

    ただ、いらん登場人物がいたのはいただけない。
    ぶっちゃけマンション下の子供。意味はあるが、無くてもよかったかな。

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    2011年01月23日
  • 五声のリチェルカーレ

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    表題作の長編と短編1作併録

    「五声のリチェルカーレ」
    昆虫好きの少年が殺人罪で逮捕された。「生きていたから殺した」という供述の真意とは。
    少年の学生時代が描かれることにより判明する真相とは?

    「シンリガクの実験」
    ある少年が学生時代に「実験」と称して行った行動と、そしてそれによって起こったニヤッとしてしまう結末。


    表題作は家裁調査官や少年法、昆虫の擬態、バッハの六声のリチェルカーレの解説等、結構盛り込まれていて、流し読みしていた自分としては、キレた少年の話をお固く文章にしたかったのねぇ~、なんて思いながら読んでいたら、最後に少年に対し家裁調査官が発したセリフに思わずオオっとなってしまっ

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    2010年03月05日