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Posted by ブクログ
芸術探偵シリーズは、正直謎解きを楽しむというより蘊蓄を楽しむことをメインにしてるので、表題作のトリックも「そんなん音楽に詳しくない素人に見抜けるわけないわー!」とはなりませんでした。「へ〜バイオリンってそうなの〜へぇ〜」と感心しきりに徹することができる私は、すごく優等生な読者だなァと思います(作文)。
表題作もいいんですか、個人的にはワグネリアン三部作が面白かったかな〜。
ワーグナーってあれだよね…タンホイザーとかワルキューレとかジークフリートみたいなアレでしょ…年末によくEテレとかBSで見るヤツ…位の知識しかない私でも楽しめました。オチが小気味良くて軽快。深水作品お馴染みの芸術への愛を感じられて満足できる連作です。
千住博さんの著作でも感じたけど、特定の分野の芸術を、その芸術の表現方法ではない文章という手法で説明して、なおかつ興味を抱かせるって、すごいことなんじゃないかなあって思うんですよね〜。
◎ストラディヴァリウスを上手に盗む方法…時価数十億のストラディヴァリウスがコンサート会場から忽然と消えた!容疑者は観客とオーケストラの団員達に絞られたが、懸命の捜査にも関わらずストラディヴァリウスの行方は杳としてしれない。果たして、犯人はどこにバイオリンという決して小さくない楽器を隠したのか?そして、芸術探偵が犯人を指摘した驚くべき方法とは?
◎ワグネリアン三部作…ワグネリアンを自称する男はクラシックに毛ほども興味のない恋人をワグネリエンヌに仕立てようと奮闘し、/熱烈なワグネリエンヌの女はワーグナーへの愛ゆえに就活をことごとく失敗するもその愛ゆえに最高の仕事を見つけ、/3名の選ばれしワグネリアン/ワグネリエンヌはマニアックなクイズ番組でワーグナーの知識を競い合う。
◎レゾナンス…深水先生の処女作。冒頭から瑞々しさ爆発←←
Posted by ブクログ
薀蓄シリーズのファンには、待望の新刊と言えるだろう。海埜と瞬一郎のコンビが登場する表題作を始め、全編音楽の薀蓄に彩られた作品集だ。
「ストラディヴァリウスを上手に盗む方法」。国際コンクールで優勝した、気鋭のヴァイオリニストを招いたコンサート会場から、忽然と「名器」が消えた。居合わせた海埜と瞬一郎が、消失の謎に挑むという表題作。いわゆるハウダニットだが、なるほど、音楽素人には、こんな手口は盲点であった。
僕に名器の良し悪しはわからないだろうが、ストラディヴァリウスという名と、億単位の価値については聞いたことがある。だからこそ、名器にそんなことするんかいっ! と仰け反ってしまった。瞬一郎がいなかったら、まんまと逃げられたのか。
三章から構成される、ワグネリアン三部作。ワーグナーの熱狂的信奉者のことを、ワグネリアンと呼ぶことは知っていたが、僕がぱっと思い浮かぶワーグナーの楽曲といえば、「ワルキューレの騎行」くらいか。そんな僕には、到底理解できたとは言えない内容だ。それでも、面白かったと断言できる。
そもそも、これら3編の初出は、日本ワーグナー協会の研究誌であるから、対象読者は筋金入りのワグネリアンばかりなのだが、ワーグナーへの愛に溢れているのは、ただのミステリー読みにもわかるし、初心者を排除しようとはしていない。薀蓄が面白いかどうかは、その分野への愛があるかどうかに左右されるのだ。
ある意味、本作中最もすごい「レゾナンス」。一言で言えば、ヴァイオリンを習っている主人公の、高二の冬の体験談であるが、途中から結末は見え見え。おいおい、どうしてやめないんだぁぁぁ!…と、予想通りの事態に。しかしなぜだろう、これはこれで美しいような気がしてくる。彼はその後、どうなったのだろうか…。
深水ファンの多くは購入済とは思うが、普通のミステリファンにも手に取ってほしい。これぞ深水黎一郎という、大満足の作品集だ。
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小説・文芸
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