我孫子武丸のレビュー一覧
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人形探偵四作目。二作目、三作目は長編でしたけど、今回は短編集です。書き下ろしを含めて6編が収録されています。
青春ユーモア・ミステリーと紹介されているとおり、一作目から恋愛要素が強めでミステリとしてはライトな雰囲気ではあったのですが、本作は文章自体も軽くなっているような印象を受けます。もちろん、度の過ぎたものではないのだけど、個人的にはもう少し抑えても良かったかなと感じました。
物語はプロポーズに始まり、最後は多分親御さんに挨拶へ向う途中の車中でのお話なんだろうと思います。サスペンスは今まで通り弱く、ミステリというか、ミステリを絡めた恋愛小説、という感じなので、殺伐とした雰囲気が苦手という方にもお勧めですね。今回は短編なので、小説をあまり読まない方にもお勧めです。
あとがきには、「まだ続きを書くつもり」とあります。
そしてこれが書かれたのは2001年。
一作目から読んでいない方でも困らないような書き方ではあるのですが、一作目「人形はこたつで推理する」も短編集ですし、こちらから読んでみてはいかがでしょうか?
タイミングよく完結するかもしれません。 -
Posted by ブクログ
人形探偵シリーズ三作目。女性視点のほのぼのとした語り口で日常が綴られてゆくせいか、サスペンスはなく、どちらかというと恋愛小説のような趣の本シリーズですが、三作目はこの色合いが強いような気がします。
「放火魔」、「予告状」、「密室」等々といったタイトルを持つ章で構成されているもののあくまで本筋は恋愛もの、といった感がありますね。
あとがきにありますが、作者さんもそういった視点で書いているとのことなので、恋愛小説にミステリ、というつもりで読むと納得でしょうか。
そんなわけなので、サスペンス一杯のミステリを読みたいという人にはお勧めしないです。一応、最後の最後にちょっとだけ怖いオチがあるのですが…それは、まあ、いいでしょう。
これは偏見かもしれないけど、個人的には中学生や高校生といった世代の方にお勧めしたいですね。文章のテンポも良く読みやすいですし、本シリーズの語り手女性の心情や、その表現が面白いのでちょっと笑ってしまいます。
巷にある前提条件を知っていないと楽しめないような冗長文章を読むよりも、簡潔なその文章自体で楽しめるものを読んだ方が、今後の読書ライフにプラスとなるような気がします。特に小説は絵がなく文字だけの世界。文章から想像力を巧まして楽しむのが基本だと思うんです。これを繰り返して行くと、いわゆる「行間を読む力」がつくんじゃないかな。もっと言うと、メールや言葉のやり取りだけで、相手の意図がイメージできたり、こちらの意図を伝える際の表現が増える。
絵を否定するわけでは決して無いけど、小説も人を豊かにしてくれます。お勧め。 -
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ネタバレ通称『8の字屋敷』と呼ばれる屋敷で、不可思議な事件が起こる。
その謎に、速水警部補と推理マニアの弟、妹の3人が挑む話。
序盤は『8の字屋敷』の説明があったり、部屋の位置関係を図付きで説明していたりと正直ちょっと面倒。
中盤からラストにかけてスピード感があってなかなか良かったけど、ある程度ミステリを読んでる人には謎解きは楽かも!?
それなりにドンデン返しはあるけど……って感じです。ちょっと物足りない。
先に『殺戮にいたる病』を読んでしまったのがいけなかったのかもしれませんね(汗)
続編があるようなので、そちらも読んでみようと思います。 -
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新作の撮影中に失踪した映画監督。
結末を知るのは監督のみという状況での失踪に、残されたスタッフと出演者はパニックになってしまう!
監督探しをしたりみんなであれこれ会議をするのだが、結局撮影済みのシーンから映画の犯人を推理する事に。
何故監督は失踪しなければいけなかったのか?その理由と映画の意外な結末とは!?
僕はそこそこ好きです!
何だかんだその結末に騙され、20年も前の小説なのに今読んでも違和感がないことに驚きましたしね。
だけど映画のうんちくが随所にあり、もう少しどうにかならなかったのかな?と。
それでも、普通に面白い作品だと思います! -
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「狩人は都を駆ける」
京都で探偵事務所を営む私のもとに久々にやってきた仕事の依頼は、なんと誘拐事件の解決。もっとも誘拐されたのは家で飼われていたドーベルマンで、つまりは犬の捜索が仕事なのだった。私は犬も猫も苦手だ!
著者は我孫子武丸。京都大学在籍時、推理小説研究会に所属していた彼は、「8の殺人」でデビュー以降、新本格派に加わる人物です。ということで、本作も新本格派に属するもんだと思っていたら、どうやらハードボイルドらしい。しかも、犬猫嫌いな探偵が犬猫捜索に精を出す、こりゃ、ユーモア小説でもありそうだぞ。むむっ、これは、新本格派の意識は飛ばして読まないといけないようだ。
と思ったけれど、やっぱり、どこかでミステリーを期待していたんでしょうか。ハードボイルドを感じ取れないw。いや、ハードボイルドと言えばハードボイルドなんですよ?殺されそうになっても犬を庇うのはかっこいいし、苦手な犬猫捜査にも顧客の為に対応(金に窮してやも得ずもあるが)し、ヒステリックな顧客にも大人な接客をする。でも、ハードボイルドというより、ハードかボイルドのどちらか一方ともう一方の代わりに優しさが入っている感じ。とにかく、ハードボイルドよりも、お人好しだなって思っちゃうんですw
こんなもんだから、題材とも私はぎくしゃく。表題は、一番手にしては、やけに怖い少年犯罪。次の「野良猫嫌い」も後味が悪い。この2つを連続させるのは、なかなかキツイぞ、ユーモアじゃないじゃないか!と。そんな思いが通じたのか、残りのうち2作にはようやくユーモアらしさが香ってきました。でも、ちょっと遅かったかなw
面白いのは面白い。でも、ハードボイルドに惑わされたw
デビュー作から入れば良かった。