幡大介のレビュー一覧
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大富豪同心シリーズ7作目です。
梅雨の長雨で江戸が大変なことになってます。
卯之吉は相変わらず。
他の常連が吉原通いを断念する中、遭難しかけても遊びに行ってます。
それでも江戸市中が水浸し、水陸両方とも交通網が分断されるに至り、
極楽トンボの卯之吉も流石に心配し始めます。
備蓄された米は駄目になり、新たに回送する手段もありません。
一方町民達はひもじくて殺気立ち、打ち壊しへまっしぐら。
卯之吉を付け狙うお峰も暗躍して、標的が三国屋に決定。
遊蕩費の出所を失ったらさあ大変。
「卯之吉どうするっ!?」
といったところです。
それにしても、「ゴキブリのような素早い動き」とは。
仮にも主人公なのに -
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大富豪同心シリーズも6作目になりました。
サクサク読めるので、良い娯楽になってます。
初っ端から「ゴギミンサマ」なる怨霊騒動になったので、
ちょっといつもと調子が違うかなと思いました。
「ゴギミンサマ」とは「五義民様」で、
藩の悪政に苦しむ領民の為、公儀に直訴して処刑された5人とか。
でもそれは前の領主の時代の話。
で、転封して新たな領主となった大名家の現当主が吉原の常連って。
またまた吉原の人脈が卯之吉を事件に引き寄せます。
いや、逆か。
吉原での放蕩が趣味という卯之吉が事件を引き寄せているんですな。
そう考えると自業自得とも言えます。
今回、卯之吉は散々だったと思います。
普段死体は平 -
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大富豪同心シリーズ5作目。
今回の舞台は吉原です。
そうです、卯之吉が大好きな遊蕩の地。
お忍びで遊びに来ていた内与力の沢田氏。
下手人にされそうになって、咄嗟に思いついたのが卯之吉のこと。
この方、卯之吉を同心にする為三国屋の爺様に丸め込まれた人。
当然卯之吉の正体を知っている数少ない一人なのでした。
ところが、卯之吉にしてみれば粋な若旦那として顔が売れているので、
絶対に同心姿ではウロチョロできない。
という訳で、本筋の捕り物とは別にドタバタ有ります。
もちろんそこは苦労知らずでマイペースな卯之吉ですから、
周囲のヤキモキを余所に、吉原を満喫してるのが笑えます。
心の中で卯之吉に突っ込む -
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大富豪同心シリーズ4作目。
卯之吉は相変わらず、非常識な存在のままマイペース。
でも、頭は悪くないし医工の知識もあるので、
最後にはちゃんと事件をつなぎ合せて解決しています。
勧善懲悪で、すっきりです。
やっぱり卯之助の脇を固める登場人物達が良いです。
卯之吉のお爺様、江戸一番の豪商三国屋の主なんか、
可愛い孫の前では涙腺も弛んでベタ甘なのに、
お金を貸した相手にはたとえ大名家でも容赦なし。
流石の卯之吉も呆然とする程の強欲商人っぷりで、
ニヤリと笑った悪い顔が容易に想像でき、呼んでいるこちらもニヤリ。
美鈴という新たな人物も登場しました。
この方、道場主の娘で自身剣が滅法強いので、
他 -
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大富豪同心シリーズ3作目。
相変わらず卯之吉の金遣いが突き抜けています。
いっそ気持ちいいくらいで、読むのが癖になりそうです。
事件については、タイトルからも想像し易く、
読者の立場からは割と早い段階で全容が読めます。
もちろん、(読者と違い)全部の場面に立ち会う訳ではないので、
卯之吉達は前作までと同様のドタバタ騒ぎになるのですが。
卯之吉は、殺人現場に遭遇したり、
知り合いが悪党の密談を盗み聞くことになったり、
同心としてかなりツイてます。
お金だけでなく運まで・・・、持ってる男ですね。
蘭方医学の知識なんかもあるし、頭も悪くないので、
最後には、真っ先に真相にたどり着くのに。
本人は -
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大富豪同心シリーズ2作目です。
前作同様、痛快でした。
卯之吉が相変わらずの天然っぷりで笑えます。
褒められると照れる謙虚さも、
貧しい人々に対する思いやりもちゃんと持ち合わせていますが、
なにしろ、うなるようなお金に囲まれた環境でお育ちなもので、
周りの思惑なんかには無頓着で、相当浮いてます。
既に何でも手に入る訳ですから、手柄も賄賂もいりません。
そんな言動を、周囲がやり手同心として勝手に誤解してくれます。
まあ、なんだかんだで良い方に誤解してくれたり、
人や情報が集まってくるのは、
卯之吉の大らかで善良な人柄故かなとは思いますけど。
放蕩三昧で培った人脈とか、
お金に物を言わせて学ん -
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最後にはちゃんとうまいところに落ち着くと予想できるので、
最初から安心して読めました。
主人公の卯之吉は江戸一の豪商三国屋の末っ子。
生まれたときから、生涯部屋住みの宿命です。
そのためか、風を受け流す柳さながらひょうひょうとした性格でした。
それよりも卯之吉を取り巻く登場人物たちがすごかった。
卯之吉本人は特に他意はないのに、
勝手に良い方に解釈してくれて動いてくれます。
結果として、卯之吉はすごいという誤解が蔓延することに。
特にすごかったのは、三国屋の主。
徳右衛門という70間近の爺さまですが、
やたら元気でいつまでも若旦那に家督を譲らない。
この若旦那が卯之吉の父親なので、卯之吉なん -
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江戸時代。病床の父に代わり公事師(弁護士や検察のような仕事)の仕事を、女ながらも鮮やかにこなし、時に失敗もしながら奮闘する主人公。
毎日のように江戸には色々な訴えが持ち込まれていて、それを役所の人間だけでは手が足りないので民間の(許可を得た)人間たちが、訴えに来た人たちを手伝う。それが公事師。
↑そんなことをしている人たちがいたなんて知らなかったので、知識欲も満たされた。
問題ごとが色々と持ち上がり、それが良くも悪くも決着を見せるというのは爽快な楽しさがある。作者の書き方が爽やかなためかもしれない。
色々な人の思惑や身の振り方が今後どうなっていくか気になる、第一巻だった。 -
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裏で”八巻”を狙い続けている天満屋に、前作の因縁から英照院が加わって、坂上家との兼ね合いで舞台は江戸から甲州街道へ。
相変わらずの卯之吉に、銀八が心の中で入れるツッコミが笑える。
苦労してるなぁ…銀八。
そして、三右衛門に負けず劣らずの勘違いですっかり卯之吉に心酔してしまった三右衛門の兄弟分、鬼兵衛。
真実を知らずに、あまりに純粋に?漢として惚れ込んでるこのオジサン二人が気の毒になってくる(笑)。
正体や本質を知っていながら、惚れてる美鈴は大したもんだ。
いつか報われると良いな。
そんな今作は、安定した卯之吉ぶりと周囲(敵味方両方)の誤解ぶりが楽しいけれど、黒幕は大して動かずなのでアッサリ -
Posted by ブクログ
大富豪同心シリーズがとても好きで、その作者の新作と言うことで購入。
結果、買って良かった。
始まりからの"俺"の心の声等も面白く、いい感じだなと思っていた矢先のメタ展開。
ここで私はちょっとガッカリしたのだが、読み進めると慣れてしまった(笑)。
国許の奥村のターンではわらべ歌に悶絶。
通勤電車内で読んでいた時だったので、笑いをこらえるのが大変だった。
マスクしてて良かった…。
やけに衆道の気をプッシュしているのが気になっていたけど、最後の最後で成る程&微笑ましい結末でニンマリしてしまった。
最後のネタを知った後に、改めて最初から読み直したい…そんな作品。
館