幡大介のレビュー一覧
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大富豪同心シリーズ、8作目。
ようやく捕まえたはずのお峰が脱獄し、山嵬坊も三人の刺客を雇って、卯之吉の命を狙う。
三人の刺客との決闘と言いつつも、普通の剣客モノとはやっぱり違う、このシリーズらしい切り抜け方で面白かった。弥五さんの手をも煩わした浜田との闘いも、拍子抜けするほどあっさりだったけど、これはこれで斬新な結末。卯之吉自身が直接決闘に対峙していたわけではないが、鋭い推理(?)を時折見せるようになって、意外と同心姿が様になってきた感じ。
それはそうと、前作で三国屋のお金が底をついた感じだったのに、未だ吉原通いが出来ているのは何故?? -
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大富豪同心シリーズ、5作目。
吉原内での遊女殺し。内与力の沢田が下手人に疑われる。
事件が吉原内で起こったこともあって、吉原同心として卯之吉が送り込まれる。しかし、そこで大活躍するのが、卯之吉の影武者となった陰間役者の由利之丞。身代わりのドタバタ劇に笑わさせていただきました。もちろん、卯之吉も本物の三国屋の若旦那としてお供するのだが、まさかのまさかで名探偵の才アリ!? シリーズを追うごとに、冴え渡っていく彼の推理に誰かさんじゃないけどキュンとした。
前回で登場した美鈴はもちろん、今回は新しく朔太郎という放蕩仲間も加わって、レギュラー陣も一層楽しくなってきた。そして、卯之吉を仇とするお峰の動向 -
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大富豪同心シリーズ、2作目。
盗賊・霞ノ小源太一党の捕縛と、油問屋・白滝屋の一人息子の天狗騒動。
1作目は偶然と他人の勘違いの積み重ねで結果的に事件解決に持っていった感が強かったが、今回は卯之吉自身の本領(放蕩息子としての)が発揮した場面がより多くなり、キャラ要素だけでなく、捕物ミステリとして楽しめる部分も大いに出てきた。にしても、周りの卯之吉に対する勘違いぶりがどんどん度を増してきて、可笑しくてついつい笑っちゃう。
大富豪の放蕩息子&同心の二つの顔を使って、今後も卯之吉がどういう活躍をしてくれるのか楽しみ。お気に入りのシリーズを発見できて、ホクホクです。 -
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大富豪同心シリーズ17作目。
やっと終わった・・・のか?
シリーズ初の巻またぎ、それも3巻。
最後のシーンで水谷先生が放置とか(救出劇はあるのでしょうか)、
次回作のタイトルとか、気になる点も残ってはいるんですが。
取り敢えず現場となった公領でも江戸城内でも一件落着した模様です。
今回もやりたい放題の卯之吉に周りが振り回されながら、
何となく最後には事態の収拾がついてしまうという話でした。
が、医学だの土木技術だの卯之吉の博学っぷりを読んでいると、
本当にただの放蕩息子なのか益々疑問に思えてきました。
好き勝手にやっているようで誰よりも状況を把握してるし、
理にかなった解決策を出し -
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怪作『猫間地獄のわらべ歌』に続く、幡大介さんの時代本格ミステリ第2弾である。本業である時代物作品は1作も読んだことがないのに、この路線だけは見逃せない。
今回の主人公は渡世人の三次郎。渡世人とは、『木枯し紋次郎』を思い浮かべればいいのだろうか。中山道倉賀野宿で軽く謎解きをした後、若者の死を見届けた三次郎は、彼の願いに従い、上州火嘗村を目指す。渡世人にしては律儀な男である。
探偵の行くところ事件ありなのはお約束。滝壺に吊るされた女だの、忽然と消えた骸がモウリョウと化すだの、今回もいかにもな舞台でいかにもな演出が盛りだくさんだが、最大の注目点はメタミステリの要素を含んでいることだろう。
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大富豪同心シリーズ14作目。
今回のゲスト悪党(?)は千里眼という触れ込みの偽山伏。
相変わらず「打倒八巻!」の天満屋元締が黒幕ですが。
結構大掛かりな悪巧みでした。
しかし。
やっぱりすごいね、徳右衛門。
卯之吉の業突く爺様ですが、やり方が突き抜けてます。
可愛い孫のため、金に任せて市井から江戸城内までやりたい放題。
他の時代小説でなら絶対悪役を務めてそうですが、
卯之吉を舐めまわしそうな勢いで尽くす様がコミカルです。
そして卯之吉。
相変わらずのとぼけっぷり。
自分が稼いだ金でもないのに、
頼み事をした駄賃に大枚の小判をホイホイ渡してしまうので、
幇間の銀八からは常に心の内で突っ -
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大富豪同心シリーズ10作目です。
今回は偽物同心が現れて、卯之吉に辻斬りの嫌疑がかかります。
あと、暑苦しい田舎侍も登場します。
まあ上役は卯之吉の正体を知っているので、
人斬りができるとは思ってないですが、
嫌疑がかかって蟄居となり切腹の危機だというのに、
卯之吉の極楽とんぼっ振りにはヤキモキしました。
そこいくと三国屋徳右衛門は、やらかしてくれます。
可愛い卯之吉の為、
お金の力で老中様の大名行列を差し止めて直談判。
楽しませてくれます。
毎回気になってるんですが、
確かシリーズ1作目で孫は沢山いる設定だった気がします。
卯之吉1人を溺愛しちゃって他のお孫様達はどうなってるんだろう・・・ -
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大富豪同心シリーズ9作目です。
タイトルからの予想通り、卯之吉宅に赤ん坊が転がり込んできます。
卯之吉はもちろん美鈴様も子育てとは無縁です。
泣き喚く赤ん坊を前に為す術無しです。
いい年して隠し子かと身内に疑われない卯之吉は、
浮世離れして淡白なのを良く理解されているというべきか。
「すわ隠し子か?!」と慌てる他の約2名のリアクションは、
それはそれで楽しかった。
卯之吉の強みはなんといっても三国屋の底なしの財力ですが、
本当の強みは無欲なことですね。
まあ遊蕩好きという趣味(?)はありますが。
与えられることに慣れているので欲が無く、
大概はお金で何とかなるので負の感情を持ち合わせていない -
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大富豪同心シリーズ8作目です。
前作で三国屋徳右衛門が江戸の危機を救う為十万両を吐き出したので、
遊ぶ金がもう無いと遊蕩を諦めたかに見えた卯之吉でしたが。
早速冒頭で遊蕩仲間と遊んでいるあたり、業突く爺様恐るべしです。
豪商三国屋徳右衛門、どんだけ稼いでいるんでしょうか。
火事の切放を悪用してお峰が脱獄しました。
皆が卯之吉を心配して寝ずの警戒をしているのに、本人は至って暢気。
夜遊びに行けないと本気で嘆く無神経ぶりでしたが、
商家育ちならではの目利きで活躍してます。
反対に普段卯之吉の身代わりをしている由利之丞は、
欲を出して怖い目に遭ってます。
刺客の一人佐吉の話は恵まれた卯之吉と対比す