幡大介のレビュー一覧
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大富豪同心シリーズ13作目。ここまで来るとパターン化されてて先が読めるんですが、
脱力系の卯之吉が妙に味があって次も読みたくなるんです。
今回のゲスト出演者は浪人です。
それも相当不景気な浪人です。
ニュースではいろいろ良さげに報道されてきてますが、
実際にはまだまだ不景気な現実を生きる者として身に詰まされたりして。
逆に卯之吉の散財っぷりで癒されました。
あまりの馬鹿馬鹿しさがいっそ清々しいくらいです。
卯之吉の剣豪だという名声を陰で支える美鈴様と水谷様ですが、
今回はちょっと危なかった。
件の浪人がやたら強くて、同心八巻の化けの皮がとうとう剥がれるかと。
まあね。
そこはあの卯之吉 -
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大富豪同心シリーズ12作目。前作で助けた権七郎の再びのピンチを救うべく、
卯之吉が江戸を出て甲州街道を行く話でした。
それにしても。
同心は江戸の外へ出られない決まりとは知りませんでした。
勉強になります。
ただし町人に成りすます隠密廻り同心だけは例外だとか。
という訳で、急遽卯之吉が隠密廻り同心に任命されます。
助けられる側の権七郎も助ける側の卯之吉も、
町人として育てられているのでちっとも危機感がありませんが、
大身旗本の坂上家の一大事なのです。
卯之吉の上司、沢田様には同情します。
こんな部下いたらストレス溜まりまくり。
絶対嫌だろうな。
そして卯之吉はやっぱり卯之吉なので、
流され -
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大富豪同心シリーズ11作目です。
湯船を盗むってどゆこと?と思いましたが、
卯之吉も分からなかったので企みに乗っかってみたら・・・、
という話でした。
内容紹介によると、
あの卯之吉が遂にやる気を出したかのようですが、
そんなことは全然ありませんでした。
卯之吉はやっぱり卯之吉、極楽トンボでした。
被害者が知り合いだったこともあり、
好奇心も手伝って首を突っ込んだはいいが、
寒いだの何だのですぐにへこたれるし、
周りの空気を読まずに遊蕩に走るし。
卯之吉の本性を知っている美鈴様や銀八と遊蕩仲間が、
その度に袖を引いてフォローしてます。
まあ、そういうところがこのシリーズの面白いところです。
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『猫間地獄のわらべ歌』が面白かったので、同じ著者のこれを読んでみた。
豪商三国屋が孫の卯之吉の将来を心配して、同心株を買って彼を定町廻同心にしてやった。今まで色々やっても続かなかった卯之吉は、これも面白い遊びかもと流されるようにお役についてみるが、剣の腕はからきしでのんきな性格なのに、放蕩時代の人脈と知識、金の力で事件の核心にせまっていく…
タイトルからしてコメディだろうと思ったらやはりそんな感じ。『富豪刑事』とちがって、少なくとも今作では事件解決のために途方もない大金を使う計画を立てるようなことはなかったが。
孫を溺愛する祖父が先輩同心に虐められたり危険な目にあったりしないように色々手を回し -
Posted by ブクログ
傑作か迷作か、それが問題だ。
「このミス」で話題をさらったので興味本位で古本入手。結果、300円の価値は十分にありました(笑)。でも作者の遊びゴコロが許せない人は、途中で怒って本を放り投げるかも?
ひと言でいうと軽いノリの時代小説×本格っぽいミステリ。メタフィクション云々・・・はまあ軽い座興程度。
なんちゃって密室殺人、わらべ歌に乗せた見立て連続殺人、顔のない死体、被害者のすり替え、鉄壁アリバイの館モノ?殺人と、ミステリの常套手段を駆使した縦横無尽の展開。最後にあっと驚く?どんでん返しまで待っていて、これはたしかにてんこ盛りの賑やかさ。ある意味、ツウ向けです。
バカバカしいと思っている