オノ・ナツメのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オノ・ナツメ作品はリストランテ・パラディーゾを読んだことがあるくらいですが、画風がすごく好きなんですよね!
この作品集もとっても良かったです。
「una giornata fredda ~ある寒い日~」(一番最初のクマの話)
「オモテウラ」(イタリアのオモテウラのジンクスにまつわる話)
「もやし夫婦」(老夫婦の話)
「お弁当にまつわる③つの短編」(日替わり弁当の交換の話、パパの作るお弁当の話、留守番の話、全部)
「COKE after Coke」(ファーストフード店の話)
「Froom Family」「CHRISTMAS★MORNING」(3姉弟とパパの話)
「PADRE~お父さん~」(好 -
Posted by ブクログ
私はルームシェアや同室が苦手だ。
去年ちょうど一ヶ月半ほど2人部屋で見知らぬ他人と生活する機会があった。
同じ空間に他人が生活しているということがたまらなく嫌なんだけど、本書を読んでてふと気づいた。
嫌なのは親密になった後で別れることだ。
今思い返すと、自分のプライベートスペースがないことは確かに苦痛なのだけど、意外にも耐えがたいというほどでもなかった。それよりも短い間とはいえ、同じ部屋で過ごした人間との別れは結構寂しかった。
そう考えると、家族との同居に違和感がないことも納得できる。
そこには、不意に訪れる死以外は、よほどのことがない限り繋がり続ける保証がある。
オノ -
Posted by ブクログ
不運で不運で不運な物語だけど、じゃあはたしてイアンは不幸かというと、さあどうなんだろう?
幸福か不幸かを決めるのが「現在の自分」ならば、不幸だと感じた次の瞬間に幸福になれるし、最期の死ぬ瞬間に幸福だったら、もうずっと幸福だ。幸福か不幸かなんて解釈次第でどうとでもなる、曖昧でつまらないものなのかもしれない。
線を削った絵柄と内面へと踏み込まない描写のせいで、文脈を読まなければいけない分、想像力が掻き立てられて自分の内側からの情動が湧きあがってくる不思議な漫画だ。
漫画の中に感情移入するというよりも、漫画の方が私の体内に入ってくるという表現の方が近い。