小山太一のレビュー一覧
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キャラクターの性格の個性が際立っていてすご過ぎる!こういう人物たち、今でも全然います。200年前に書かれた話とは思えなかったです。
エリザベスは鋭い人間観察力と同時にお茶目なところも持っているので、人ををからかってみたり、理論立てて言い返したりもできる。意地悪おばさんやめんどくさいおじさんにも、感情的にならずにガツンと言ってやるので、読者的にはスカっ!とします。この子の頭の良さによって、運がひらけていきます。
エリザベスはp277で
「怯えさせようとする人に出会うと勇気が湧いてくる」と言っています。
自負と偏見という題名について。自負はミスター ダーシーの生まれ持っての身分の高さと人を見 -
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イギリスの田舎町にある貸屋敷に越してきた資産家である独身男性をめぐる、ベネット家の恋と結婚の物語。
とにかく読みやすい。今読んでも何の違和感もないラブコメ。面白すぎる。→
主人公であるベネット家次女エリザベスはしっかり者で我が強く自分を曲げない。
お相手のダーシーは気難しくて口下手。
この二人を中心に、優しく肯定的な長女ジェイン、おおらかで話しやすいビングリー、姉妹の母でやたらと動きが派手なミセス・ベネットに、ベネット家の屋敷を継ぐミスター・コリンズ
他にもしっかり者で年上のエリザベスの友人シャーロットや、絶大な権力をもつレディ・キャサリンなどなど。
とにかくキャラクターが濃くて、バラン -
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好き(笑)
理由は単純で、昭和の小学校の図書室によくあった「小学館少年少女世界の名作文学」のイギリス編に掲載されていたから。好きすぎて暗記するほど読みました。
特に好きだったのは、食べ物に関する様々な記述。何も知らない子どもの頃、「ルバーブのパイ」なんて聞いたこともなく、"どんなに美味しいんだろう"と妄想しましたよ。大人になって調べたら、ルバーブってギシギシなどのタデ科の植物で、下剤などで使う「大黄」の仲間なんですね。ちょっとがっかりしたなぁ…。
それでも三人が繰り広げるドタバタは、イギリスらしいユーモアに溢れていて、やっぱり大好きです。 -
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ネタバレこの時代の人々の結婚に対する価値観に慣れるのが最初は大変でした。
人付き合いのネタも、褒め合い、噂、たてまえ、自慢話ばかりなので、上流の付き合いは楽しさより気疲れの方が印象に残りました。
現代に通ずるところがないわけではないですが、なかなかヘビーです。
こういうところに慣れると、キャラクターの個性や心理描写の細かさにどんどん引き込まれました。
主人公エリザベスの観察眼はなかなかのものですが、それでも噂に振り回されるところは結局現代人も同じだなと思いましたし、どこかしらに属して生きている以上先入観ゼロというのも難しいことなのかなと考えたりしました。
長女ジェインの方にはあまり共感できず、ここまで -
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購入済み
こんな人いるいる!
なろうや悪役令嬢ものが好きで、あらかた読んでしまったので古典に手を出しました。
悪役がいい味出してます。
役割による人物像のデフォルメがないため、ヒーローもヒロインも悪役も人物に面白みがあります。こういう人いるいる、って感じの。
200年前のナポレオンが生きていた頃の時代にもこんな人いたんだなぁとしみじみ思いました。嫌な人は万国共通!
読みにくい点として、名前がややこしいです。
主人公エリザベスは家族からリジー、友人からイライザ、ミス+苗字など呼ばれます。他の登場人物も名前やミス+苗字で呼ばれてて誰が誰やら…
ミスター・苗字で書かれてた人がいきなり名前で呼ばれた時には新しい登場人物かと思っ -
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なろう小説の悪役よりも香ばしい悪役がより人間味を持って出ているので、作者は素晴らしい人間観察の眼とそれを書き起こす技術を持っていたのだろう。おおよそ百年前なのに。
現代社会の世相を反映してか、最近見る悪役はいわゆる悪役ではなく、こちらの常識に当てはまらないキャラが多いと感じる。思わず「は?」と言ってしまうようなキャラだ。
本作もその手のキャラクターを大盤振る舞いしているが、全員筋が通っている(人間性の筋ではなく、実存性の筋というか)。リアリティがすごい。実際にいたんでしょうか。
悪役を書くことは鮮明に作者の力量を表現することだとこの小説を読んでいて強く思う。
主人公に感情移入できるところ、 -
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ネタバレ『自負と偏見』ジェーン・オースティン著
[本について]
ラブストーリーの原点とも言うべきジェーン・オースティンの代表作。幸福な結婚に必要なのは恋心か打算かという普遍の真理を軽妙な物語に織り交ぜた永遠の名作。
[あらすじ]
5人姉妹の次女エリザベスを主人公に、性格も考え方も異なる登場人物らの恋愛、結婚に対する思いが交差する。
イギリスの静かな田舎町の貸屋敷に資産家ビングリーが引っ越してきた。長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、エリザベスはビングリーの友人ダーシーの高慢さに反感を抱く。しかし気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれていくのだが…。
恋の邪魔者である“プライド”と“偏 -
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終始、面白可笑しい皮肉調で描かれているから、クスクス笑いながら読んでしまう。何か衝撃的な出来事があるわけではないけど、全場面が楽しくて、非常に好きな作品になった。つまらない場面が全くなかった。
登場人物の生き方はみんな違っていて、それぞれの生き方は悲しかったり、惨めだったり、皮肉に思えたりする。人間の性質や流涎している思想の具現化にも思えた。
どの登場人物についても、客観的な納得のいく描写によって、その人間性が鮮やかに描きだされている。仔細な人間描写により、読者は登場人物を身近に感じることができる。物語の世界に引き込まれる。エリザベスがダーシーの人間性を誤認し、嫌悪してしまういきさつ -
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250年前でも恋の始まりは同じ「フッ面白い女」
エリザベスもミスター・ダーシーも己の「高慢と偏見」をお互いによって乗り越えて愛を結んだのが美しくて誠実で素晴らしい。どなたかの言葉でオースティンの小説は絵のない漫画のよう、というものがあったけどまさにその通りで、言葉によって作られる世界の鮮やかさと変わらぬ人間の愚かさと温かさを教えてくれる素晴らしい作品だった。当たり前だけれど映画で見るよりもそれぞれのキャラクター性が色濃く、しかしさらに愛らしく描かれていて、映画やドラマを見返したくなった。
好きだな、と思ったフレーズをチェックしたので後でここに書き連ねたいと思う。
私は素晴らしい夫を持つことは無