小山太一のレビュー一覧

  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    金持ちの坊ちゃんバーティと従僕(召使、執事のようなものでしょうか)のジーヴズ。
    気のいい青年であるバーティは、いささかぼーっとしたところがあり、不労所得で生活していることもあってか、周囲の友人や結婚させようと縁談を持ってくる恐ろしい叔母のためにいつも厄介ごとに巻き込まれています。
    そのトラブルを、颯爽と解決するのが従僕のジーヴズです。
    とりたてて、人が死んだり大きな事件が起こったりするわけではありませんが、日常の中でバーティが感じる気苦労は並大抵のもので花阻喪ですし、時に冷たく突き放しながらも最後には主人のためになる解決策を示すジーヴズの叡智には感心させられます。
    世にある「毒舌執事もの」「執

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    2020年06月14日
  • 自負と偏見

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    タイトルから古典的名作であるということだけは知っていたが、ここまで正統派な恋愛小説であるとは思いもしなかった。

    エリザベスがダーシーに対する気持ちを変化させていく描写や、リディアの駆け落ちをきっかけに彼への愛を自覚する場面では不覚にもときめいてしまった。最終的に二人はどうなるのかが知りたくてたまらなくなり、作者の掌でいいように転がされるというこれ以上ない読書体験ができた。

    また何度も言われているとは思うが、作中にたくさん登場する変わった人たちの描写が巧みだと思った。個人的にはコリンズがエリザベスに求婚し、断られたのに「若いお嬢さんは心の中では受け入れるつもりでも最初は断るもので、実は私の求

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    2020年06月07日
  • 自負と偏見

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    おもしろかった!!

    昔に書かれた本なのに、友達の話を聞いているみたいだった。(いい意味です)この世界の片隅に の すずさんを、友達と感じるようになるのと同じで。

    久しぶりに夢中になって読みました。

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    2020年02月16日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    ネタバレ

    大好きな一冊。
    旅行の時とかに持って行きたい。
    イギリス的ブラックユーモアも面白く、電車の中でにやけてしまうので注意が必要です。
    バーディを助けるジーヴズが意外と意地悪な方法だったり、バーディ的にはアウトかな!?な話も多かった。
    ビンゴが結婚してビックリした。

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    2019年11月17日
  • 自負と偏見

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    面白かった。タイトルが取っ付きにくいせいで昔のお堅い小説に見えるが、中身は現代の恋愛にも通じる恋愛小説。コバルト文庫のような少女小説が好きだった人にもオススメ。お互いに探り探りの距離感からの後半~ラストは、エリザベス父の「恋に燃える連中は…埒もあかないことを言うだろう」も含めて凄くいい。ときめくし、ダーシーがそこまで惚れたのかと思うとちょっと笑える。

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    2020年11月21日
  • ボートの三人男~もちろん犬も~

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    ジョージ、ハリス、犬のモンモランシー(かわいい名前だけどアグレッシブ)、そして語り手Jがボートに乗ってテムズ河を2週間旅する話。

    すっごいおもしろかった。なんでボートの旅をすることになったか、からして笑える。出てくるエピソード一つひとつが笑える。特に好きなのはポジャー伯父さんの話とハリスのコミックソング、ハリスの迷路、Jのお嬢さん2人とのボート遊びのエピソード。ああおかしい。ハリスはいいキャラしてる。

    こういういい本は終わっちゃうと悲しくなる。また後で再読決定。

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    2019年01月21日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    ネタバレ

    頭の弱いお人好しのバーティーと、完全無欠な執事のジーヴズのコンビシリーズ、第二弾。

    バーティーを取り巻くメンツは第一弾の「才智縦横の巻」で出てきた顔ぶれと同じで、バーティーの子ども時代からの友人のビンゴ・リトルは女性を見れば誰であってもとりあえず惚れるというのは相変わらず。バーティ―の従兄弟の双子、クロードとユースタスのダメ人間ぶりと鬱陶しさも相変わらず。
    全ての登場人物が強烈な個性を発揮しつつ、基本的には彼らの行動の全てがバーティーにとって不幸と災いの種にしかならない、というのがこの作品の面白いところ。優柔不断で頼みを断れず、されるがままに流されるバーティーをすんでのところで救い出し、問題

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    2018年07月07日
  • 自負と偏見

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    モームの世界十大小説のひとつ。(読むのは、カラマーゾフの兄弟、戦争と平和、ゴリオ爺さん、赤と黒、に続いて5作目)

    日本で言うと寛政の改革の頃の作品というから驚きだ。(シェークスピアの200年後の作品と思えば十分現代に近いが。)

    200年以上前に、宗教も文化もまったく異なる異国で描かれた作品がスラスラ読めてしまうということは、それだけ、人類普遍の真理を扱った作品ということだろう。

    テーマは結婚。登場人物は、ほぼ全員上流階級の人たちだが、下はジェントリー(ベネット家)、上は伯爵家(ド・バーグ家)で、身分差は厳然としてある。

    ベネット家の5人姉妹、ジェイン、エリザベス(リジー、イライザ)、メ

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    2025年11月09日
  • 自負と偏見

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    ネタバレ

    ずっと読んでみたいと思いつつ200年以上前の作品を果たして自分が楽しめるか躊躇してた。
    購入後、冒頭を少しだけ読んでみようと思ったらあっという間に引き込まれ600ページ超えにも関わらず夢中で読み終えてしまった。
    ダーシーの愛があまりに素敵…。
    外見・内情ともにあまり語られないので脳内で私だけのダーシーがものすごい勢いで形作られていく。
    女性の向上心、男性との対等な恋愛関係、なにより自分自身と相手を認め受け入れ愛することを教えてくれる不朽の名作。読んで本当に良かった。

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    2025年09月29日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    ジーヴズ、出来すぎ紳士。隙がない執事というのは、側にいれば楽かもしれないけど、息がつまりそうだww

    主人であるバーティがホントに救いようがない人物であるからこそ、珍事件に巻き込まれても、結局全てジーヴズの手のひらで転がされてた気もする。

    続編も読むしかないな…。
    っていうか、日本で出版されてるウッドハウスの本、片っ端から読むのも悪くないかも。

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    2025年09月16日
  • 自負と偏見

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    今から200年以上も前の西暦1813年にイギリスで刊行された恋愛小説で、題名は『高慢と偏見』と訳されることの方が多いのじゃないかな。映画やドラマは『高慢と偏見』というタイトルで販売されている。
    ドタバタというほどではないにせよ、ほぼコメディ小説。「いるよなあ、こういうタイプの人って」と笑ってしまう登場人物だらけで、会話文も現代訳のため、非常に読みやすい。
    ただ、例えば主人公のエリザベス・ベネットが状況によって「エリザベス」「リジー」「イライザ」「ミス・ベネット」と様々な呼ばれ方をしていて混乱しやすい。当たり前だがエリザベスの姉のジェイン・ベネットも「ミス・ベネット」だし。
    どこかから登場人物一

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    2025年05月14日
  • 若草物語(新潮文庫)

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    ネタバレ

    個性豊かな四姉妹が出征した父親の留守中、いい人間になることを目指して奮闘する話です。

    うちも三姉妹なのでマーチ姉妹のわちゃわちゃした感じすごいわかります(笑)
    女ばっかりってうるさいんですよね。

    ジョーは作者の投影なのかな?
    サバサバしてて読書好きですごく好感が持てました。

    みんないい人間になろうとするけど、要所要所で失敗して反省するとこがリアルでいいですね。

    ラスト、メグとミスター・ブルックがいい感じになっちゃってどんよりするジョーの気持ち、すごいわかるなあと。

    私も妹達が結婚することになった時はそんな感じでした。
    今まで同じ家に住んで楽しくやってたのに知らない男が1番になって出て

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    2025年03月12日
  • 自負と偏見

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    ネタバレ

    タイトルの「高慢と偏見」は、ダーシーの高慢さとエリザベスの偏見を表しており、人の本質を見極めることの厳しさが感じとれた。
    物語の結末はハッピーエンドで、後味の良い作品であった。特に印象的であったのは細かい人物描写で、現代にも通じる普遍的な感情や価値観などが描かれており、名作とされているのに納得がいった。

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    2025年02月05日
  • 若草物語(新潮文庫)

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    キリスト教の教えが随所に散りばめられている。
    読み始めは少女たちの未熟さとの対比となって説教が押し付けがましく感じてしまったが、少女たちがそれぞれ悩みやトラブルにぶつかるなかで自分なりに教訓と向き合い成長していく様は読んでいて清々しさと温かさをもたらした。

    子供のころ読んだ翻訳本はメグが鼻持ちならないと感じて数ページで読むのをやめてしまったが、大人になって今の目線で見るとそうでもなくて、もしかすると自分にいちばん似ているからこその嫌悪感だったのかもしれない。

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    2025年01月30日
  • 自負と偏見

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    読むのに3週間かかった。
    解説にもあったけれど、登場人物の誰もが欠点を持っており、その欠点を欠点のまま描いている。いうなればその欠点こそが物語を先にすすめる推進力になっていた。だからこれだけドタバタとする。もどかしいくらいに。
    コリンズが出てきたら話が長くなるから読んでいてコリンズかよとうんざりする。リディアやミセス・ベネットは終始何もわかっていない。確かに筋は一組の男女の結婚までの経緯を描いたごくありきたりのものなのだけれど、各人間のキャラクター性がいきいきと躍動していた。その結果、読む側は頁をめくるのがのんびりとしたり、すいすい読めたりする。そしてこの結末に大満足である。

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    2024年10月21日
  • 自負と偏見

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    めちゃくちゃ良い
    やな奴!から始まる恋愛ってなんでこんな素敵なんだ。ダーシーに対する偏見が解かれていく描写が見事。堅物だった男が素直に愛を伝える仕草にどきどきした。エリザベスは知的でチャーミングで可愛い
    当時のイギリスの背景も知れて面白い。いつになっても結婚って大変そうだ

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    2024年02月13日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    イギリスの作家「P・G・ウッドハウス」のユーモアミステリ小説集『ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻(原題:The Casebook of Jeeves Ⅱ)』を読みました。

    『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻』に続き、「P・G・ウッドハウス」作品です。

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    「ジーヴズ」、おまえの知恵を貸してくれ

    時は20世紀初頭。
    ロンドンのマンションの一室に、執事「ジーヴズ」は今朝も流れるように紅茶を携えやってくる。
    村の牧師の長説教レースから実らぬ恋の相談まで、ご主人バーティの難題をややいじわるな脳細胞が華麗に解決(?)。
    「バーティ」たちが通うドローンズ(のら

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    2023年03月13日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    イギリスの作家「P・G・ウッドハウス」のユーモアミステリ小説集『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻(原題:The Casebook of Jeeves)』を読みました。

    少し軽めの内容の作品を読みたくなったんですよね。

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    「機略と手際」、これが紳士に仕える私のモットーです

    20世紀初頭のロンドン。
    気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年「バーティ」には、厄介事が盛りだくさん。
    親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、「アガサ叔母」は次々面倒な縁談を持ってくる。
    だが「バーティ」には嫌みなほど優秀な執事がついていた。
    どんな難帯もそつなく解決する

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    2023年03月13日
  • 自負と偏見

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    ネタバレ

    19世紀初頭の貴族の恋愛小説。これは古典たけれど、内容はライト・ノベルではないかと思った。
    田舎の貧乏貴族で容姿は普通、鋭い観察眼を持つエリザベスが、都会のツンデレ貴族・実はいい奴のダーシーと結婚するまでのストーリーだが、登場人物が軒並み個性的で面白い。
    面倒くさがりの父、娘の結婚が全ての俗物の母、お人好しで美人の姉ジェーン。オタクの三女メアリ。ギャルの末妹リディア。生活のために結婚する友人シャーロット。容姿性格は良いが世間知らずのボンボンのMr.ビングリー。弁舌さわやかな色男のウィカム氏。人見知りでブラコンのダーシーの妹ジョージアナ。などなど。
    スピード感がゆったりしているのが時々気になるけ

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    2022年10月02日
  • ボートの三人男~もちろん犬も~

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    好きな光文社古典新訳文庫のコーナーでふと目に止まり、英国ユーモア小説として有名らしいが、なんの予備知識もなく読んだ。

    中年男子三名と犬一匹がボートでテムズ川をキングストンからオックスフォードまで上って、パングボーンまで下って、最後は汽車で帰ってくるドタバタ劇。

    主人公Jの伯父さんが居間に絵を掛けた時の大騒ぎとか、釣り人の釣果インフレの法則(なかでも、“正直”なひとが25%増しに止める自分ルールをどんどん修正していく場面)とか、いちいちおもしろい。

    景色、服装、食べ物はだいぶ日本とは違うけど、笑いのツボは結構世界共通のようで、気楽に楽しめる良書だと思う。

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    2022年10月01日