清水克行のレビュー一覧
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この間読んだ高野秀行がめちゃくちゃ面白かったので、読んでみた。やっぱり面白い。専門は違うがバックグラウンドは似ている2人。ものすごい知識量だけど、それを感じさせないフランクさ。
濃い内容の対談集。
お二人の率直な会話から、それぞれ自分からは言わないような個人的な話なんかが聞けるのもめちゃ面白かった。
教養主義の死に絶えた時代だけど、やはり、「ものごとを普遍化して考える能力は文字を読むことで高まる」「抽象的にものごとを考えるには読み書きができないとだめ」「経済発展のきばんは人々の教養」
という言葉に励まされる。この本がでて10年、ますますみんな文字から離れてるけど、本を読む啓蒙が広がるといいなぁ -
ネタバレ 購入済み
トリビア的に読める
日本にも海賊が居た――
脳内が戦国BASARAになったが、タイトルからして室町だった件。
しかし、琵琶湖って海賊扱いして良いのか?
琵琶湖は湖の筈だが、それは今の感覚だからそうか、ふむ。 -
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荒ぶる混沌な室町時代について語る、日本史エッセイ。
・はじめに―室町と現代―
第一章 中世は本日も荒れ模様 第二章 ある中世人の肖像
第三章 ルーツはここにあり? 第四章 室町は遠くなりにけり
第五章 歴史家の頭の中
参考文献有り。
以前読んだ「室町は今日もハードボイルド」が面白かったので、
最新作を読書。「週刊文春」連載だから4~5ページの短文で、
室町時代のあれやこれやをさっくりと語る、エッセイです。
裁判よりも実力行使、琵琶湖には海賊、荒ぶる宗教と、
アナーキー。くせ者揃いの足利将軍に宗教家、庶民に農民、
公家に、果ては乞食までも。鎌倉時代末期から戦国時代へ
向かう混沌の中で、当時の人 -
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室町時代をテーマにしたエッセイ。著者は立教•早稲田で学んだ明治大学教授。週刊文春の連載から58本を再編集したもの。内容は玉石混交だけど、気楽に読めて楽しい。
…ちなみに現役研究者の著者も言っている事だが、日本人の暮らしはこの30年くらいで劇的に変わった。室町時代から継続してきた文物も、どんどん失われている。
例えば、小学6年生の歴史学習では室町文化の学習で「書院造」の写真を示して自宅との類似性に気付かせる活動がある。でも2024年の今、自宅に畳も障子もない家に住んでいる児童が半数以上を占めるようになった。"畳や障子は祖父母の家や和風旅館にある昔のもの"と認識する児童の方が -
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高野秀行さんとの共著、辺境の怪書なんとかいう本がとても楽しく読み進められたのでこちらも読んでみた。
私の中では鎌倉、室町時代から戦国時代にかけてのイメージといえば、ガチャガチャしてて登場人物多くてとにかくガラ悪いって感じでした。
そのあたりの時代を研究してらっしゃるこの本の著者、清水克行さん。
結果私の予想けっこう当たってた。
教科書で教えてくれることなんて、その時代活躍した武将の名前だけ、大きな出来事くらいでそれぞれの時代のほんっっの一部しか自分は知らない。
室町時代では農民や商人がけっこう力持ってて刀持ってたこと、大義名分かざして武士よりも立場が上になり、ええように動かしてたくらいだったこ -
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本書元本は博士論文をもとにしたものであり、一般読者が読み通すには骨が折れるが、中世、特に室町時代の具体相を知りたいと思う読者にとっては、とても読み応えがある。
専門書であるので、歴史学にある程度の知見がないとそもそもの論点が十分には理解できないところもあるが、論文として著者の問題意識は明確に提示されるので、そういう点では分かりやすい、といっても良いかもしれない。
本書全体の問題関心は、序章に示されている。ひろい意味での〈文化史〉の試みであると。
文化と言っても普通連想する(狭義の)文化にとどまらず、人々の生活を律した法慣習や些細な日常の民間習俗といった側面をも重視しようとする。
以 -
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ソマリランドで知られるノンフィクション作家の高野さんと、日本中世史を専門とする歴史学者の清水さんの対談。異色の組み合わせではあるが、これが見事な化学反応を起こし、とても面白い内容となっている。
時間と空間の違いこそあれ、ソマリ社会も中世日本も、現代日本から見ればどちらも遠い異文化世界。むしろソマリ社会と中世日本のほうにこそ共通点が多いかも、という気づきから始まったこの対談。豊かな経験と強い好奇心で高野さんが打ってくれば、該博な知識で清水さんが当意即妙に返してくる。何といっても、お2人が楽しんで対話しているのが伝わってくるのがいい。
古米と新米の話などトリビア的な知識も得られるし、鎖国と現代