清水克行のレビュー一覧
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いろいろな怪書、驚書を対談で紹介している。「ゾミア」文明から逃げて文字も歴史も捨てた人々「世界史の中の戦国日本」日本の辺境地の海のネットワーク「大旅行記」イブン・バットュータという変なすごいやつ「将門記」土地を奪うのではなく相手方の生産手段と労働力を喪失させる戦い「ギケイキ」武士とヤクザは一体「ピダハン」数もなく左右もなく抽象概念もなく神もない幸せな人々「列島創成期」認知考古学のホントかよ強引じゃねという解釈「日本語スタンダードの歴史」標準語は室町からできたのだし山の手にスタンダード日本語の人々がやってきて住み着いたーどれもこれも今まで信じていたことがひっくり返される本ばかり。
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Posted by ブクログ
"聞いたこともないような本、読んだことがない本について、二人の専門家が語る奥深い本になっている。「謎の国家ソマリランド」を書いたノンフィクション作家の高橋秀行さんと歴史家である清水克行さんがお互い本を紹介し、一方はその本を読んだうえでの対談となっているようだ。
中には全8巻ある大書もあるので、この対談への準備は並大抵のものではなかったはず。地政学、歴史、文化、言語など様々な考察があり好奇心をくすぐられる。
テーマとなっている書物は以下
「ゾミア」ジェームズ・C・スコット
「世界史のなかの戦国日本」村井章介
「大旅行記」全八巻 イブン・バットゥータ
「将門記」作者不明
「ギケイキ」町田康
「ピダハン」ダニエル・L・エベレット
「列島創世記」松木武彦
「日本語スタンダードの歴史」野村剛史" -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ日本特有過ぎる喧嘩両成敗。
喧嘩を売った方も買った方も等しく罰せられるところから
いや、待てよ。どう考えても前者(もしくは後者)の方が悪どいんじゃないのか?
それでそれでも等しく罰を受けることの方が不公平ではないのか?
という歴史があったり。
もちろん現代は裁判所があるし、江戸時代はお白州があったり
でももっとその前はどうしてたのか?っていうのを
分かりやすく書いてあった。
やはり室町時代頃のみんながみんな、オラオラしてた感。
第三者から「笑われる」ということ自体、侮辱行為で
笑われた!殺す!!みたいな。
どの地位であれ、みんながキレやすかったということだろう。
にしても。これは面白かった! -
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まずは、2人の知識の膨大さ、引き出しの多さに驚き。
あまり歴史に詳しくないため、下の解説を読みつつ、引用される人や書籍が多かったので、次に読んでみたい本も増えました。
最後の方で、今の日本に住んでいた良かったと思ってしまうのは思考が停止しているとの指摘があり、はっとさせられた。
確かに、世界は広く、住んでるところだけが世界ではない。過去の日本や世界に目を向けて多様性や今の日本を客観視する目は必要だと思った。
◾️村社会の所以。応仁の乱前後からの日本人の同調圧力が強い理由は、年貢を納めるのは村単位だから、個人が納められないと村で負担していた。生命の共同体であった→ミャンマーでは、税は個人単位だから、村の誰が何をしようと知ったこっちゃない
◾️タイ人の流動性。家族、親戚がすぐとこかへいなくなっちゃう。研究者は水の文化と言ってる。タイでは、農民は所得税を払わない。政府が多く税金をとろうとすると、すぐどこかへいなくなっちゃうから。農民が定住民であるとは言い難い。今でも政府がとっているのは企業の法人税や個人で所得の高い人。関税。 -
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いやあ面白かったなあと本篇を読み終え、笑う用意をしながら高野さんによるあとがきを読み出したのだが、まったくこのあとがきは素晴らしかった。感動的ですらあった。教養とは何か、なぜ教養は必要なのか、ということを、これほどわかりやすい言葉で実感をもって語っている文章を他に知らない。
「教養とは、自分がいる『今ここ』を時間と空間のなかに位置づける羅針盤であり、人生の終わりまで必要なもの」
胸にしみ通るような言葉だ。
以前出たお二人の対談本「世界の辺境とハードボイルド室町時代」がとても良かったので、第二弾を期待していたのだが、これは少し趣向を変えた読書会的内容となっている。まあ当然かもしれないが、選書がマニアック。私が既読だったのは「ピダハン」だけ。イブン・バットゥータ「大旅行記」全八巻!なんていうのまである。まず読むことはなかろうという本が次々でてくるのだが、お二人の話を聞いていると読みたくなってくるようでもあり、読んだ気になるようでもあり、とにかく非常に興味深い。
清水さんがまえがきで書いているが、この企画は、自分がこれは!と思った本について、その道の専門家であり、かつ気の置けない人と好き放題語り合う、という「不可能に近い欲求」をかなえたものなのだからして、まあ二人とも楽しそうなこと。取り上げた本の気になった箇所の話から、話題はどんどん広がっていって、知的な興奮に満ちている。
歴史学者である清水さんの博識ぶりは言うまでもないが、その清水さんと対等に渡り合う高野さんの、半端ではない読書量と知識に驚く。辺境に未知動物を探しに行ったり、行動してナンボの人だというイメージもあるけれど、意外や学者肌であることはわかってはいたが、その実力をまざまざと見せつけられた感じ。
へぇ~と感心したり、あ、そういうことかと納得したり、アハハ!と笑ったり、本当に楽しい一冊だった。前の本に続いて、表紙を山口画伯の馬バイクが飾っているのも二重丸。二番煎じはダメだからコンビ解消、なんて言わないで、またの機会があることを期待しています。 -
Posted by ブクログ
辺境滞在に裏打ちされた経験と日本史歴史学者の最新の知識が次々に披露され しかもなんだかリンクしている驚異の対談
ふたりの対談終盤 現代日本が特殊でアジアやアフリカの辺境や室町時代の日本の方が 世界的に普遍性をもった社会なんじゃないか
今生きている社会がすべてとは思わないでほしい
との結論に至る
なんとも憑き物が落ちるような感覚を受ける本
知識としてもっとも意外性があったのは アフリカで日本の中古車が売れる理由
日本の車がすごいということでなく クルマの持ち主が代わった瞬間に、価格が6割に下落する国は日本しかない 中古車輸出ビジネスは日本しか成り立たない それがケガレ意識と関係している
ってところ
ほかにも目から鱗が多数 -
Posted by ブクログ
争いごとを好まない日本人は、「喧嘩をすれば、喧嘩に勝とうが負けようが、両者ともに罰せられる」のが必定で、そもそも喧嘩をすることがいけない、とする知恵があると考えるのが普通であろうか。著者清水氏はそのような考え方、法制度がどのようにして生起したのかを主として室町時代のもめ事、争いごとの顛末を仔細に解説しながら説明してくれる。喧嘩をしたものは両者とも死罪という厳しい裁決がなされるようになったのは著者によれば、どちらかに軍配をあげると片一方の不公平感が収まらないので、苦し紛れに両者を罰することになったらしい。確かに争いの詳細を調べることなく、一方的に死罪に処するというのは荒っぽい処分と言わざるを得ない。本書によるとこの「喧嘩両成敗」は世界的にも珍しい制度だそうで、また、その延長上にある交通事故などにおける過失相殺という判決も非常に珍しい制度であるそうだ。著者は総じてこの荒っぽい制度に批判的であり、色々な歴史上の事件とその処分を顧みると、白黒を明確にしない、というか明確にすると角が立つと考えて喧嘩両成敗するというのは、良い意味でも悪い意味でも実に日本的な考え方であることが分かったと、いうことであろうか。学術文献の引用も多く、日本法制史の書であるが、私のような歴史に疎い人間にも分かりやすく書いてくれており、非常に優れた作品であると思った。