清水克行のレビュー一覧
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面白い。ノンフィクション作家の高野氏が世間に発見されかけている?
世界の辺境に赴き、現代日本とは異なる感覚で生きている彼らを紹介してきた高野氏と、室町時代の学者が話す事で生まれるケミストリーが凄い。
高野氏には前々から目をつけて、いつかもっと良い仕事をしてくれると思っていた。高野氏の性格なのだろう、本書でも語っているように難しく、固く文章を書かないのだ。しかしその文章やおふざけの中に深い洞察や見識も感じられており、いつか日の目を見るはずだと思って応援してきた。系譜としては近年ではその名は地に落ちたが本田勝一氏のような作家だと思っている。
室町時代を想像する際に現代の日本人から彼らの生活を -
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ネタバレノンフィクション作家(高野氏)と日本中世史を専門にする歴史家(清水氏)が、課題図書をテーマに好き放題に対談、そのやり取りを本にするという、不思議な趣向の本。課題図書になっているのは、どれも普通に本屋の本棚を眺めていたら辿り着けないようなものばかり。どう考えたって、一冊で5,000円を超える翻訳ものとか、全8巻(しかも一冊あたり3,000円ぐらいする)の大旅行記なんぞ手に取ろうということにはならんだろう。
課題図書は流石に畑違いの科学や医療、国際政治とかにはいかないものの、文明論や歴史、民俗史、言語と人文系の主だったトピックが網羅されていて、文系のどこかにいた人なら楽しめる場所がいくつかあるハ -
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クレイジージャーニーにも出ていた、アヘンなどちょっとヤバ目のノンフィクションの多い作家、高野秀行さんと歴史家の清水克行さんが、オススメの本を紹介し合いながら語り合うという内容の本。
紹介されている本は専門的であったり、かなりの長編であったりしてなかなか読む機会はなさそうだが、お二人の対談を読むことでなんとなく概要がつかめるのでありがたい。
はじめに出てくる「ゾミア」という本では文明から離れ、辺境に住んでいる人たちが、文明から取り残されているのではなく、文明から意図的に離れたといった説を話されているが、なんか納得できる。
現代でも多数派であるサラリーマンなどの管理される生き方を嫌い、いろいろな -
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辺境作家の高野さんと、日本中世史研究者の清水さんによる、読書会対談。二人の対談はとても面白く、紹介されている本はどれも読んでみたくなります。対談中の用語の多くに脚注が付いているのですが、個人的にはところどころ脚注がツボにはまった。例えば「ピンポンダッシュ」に脚注が付いていたり。高野さんが「おわりに」に書いているのですが、辺境と歴史っていうのは、空間軸・時間軸として自分の立ち位置から離れたところを知ることで、逆に自分が今どこにいるのかを知るために重要な知識なんだということが分かった。それこそが教養。我々は何処から来て何処へ向かうのか、それを考えるために必要なことが教養なんだな。
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戦国時代の大名の中には、六角氏式目とか甲州法度之次第とか自国内の法律を作っているところがある。この法律を分国法と呼ぶが、本書では5つの即ち5家の分国法を詳しく読むことで、各家が当時おかれていた状況や課題、当主の悩みや統制上の問題点などを平易に解説してくれる。
条文とはいえ、単なる愚痴だったり何を言いたいのかわからず法律の体を成していない箇所も少なくないが、かえって当主がさまざまな雑事のような小問題にも悩まされていたことが判り、読んでいて殿様もいろいろたいへんだなあと思ってしまう。
今から見るとこの時代の分国法は稚拙ではあるが、慣習をも含んで成文化したわけだから歴史的に重要なステップである -
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本書はノンフィクション作家の高野秀行氏と中世史家の清水克行氏の読書対談第2弾。高野氏は以前に「間違う力」を手に取って以来、気になる作家ではあったが、まさかこれほどの教養をお持ちになっているとは思わなかった。高野氏の場合は、(あくまで想像だが)経験が先行しその後に読書によって知識を得ることで教養を身に付けていったと思われ、その経験から得られた教養が見事に歴史の事実と一致していることは驚きの一言に尽きる。本書で紹介されている作品は、お二人の対談を読んでいると、本書で紹介されているどの作品も読んでみたくなるが、どれも読みごたえがあって尻込みしてしまう。まずは手軽な「世界史のなかの戦国日本」あたりを読
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先に「辺境の怪書 歴史の驚書 ハードボイルド読書合戦」という同じ著者同士の対談の本を読んで、それがあまりにも面白かったので第一弾のこの「世界の辺境とハードボイルド室町時代」を手に取った。そもそものきっかけは、ちょうど出版されたばかりの「辺境の怪書〜」が話題の本のランキングの中にあって装丁がその中で断トツにかっこよくて目を引いたからだった。それプラス高野秀行さんをTBSの「グレートジャーニー」で観て興味が湧いたので読むことにした。本文の中で場所や人種などは全く関係なく人間が進化?変化?する過程で多くの共通点があるというのはとても興味深かった。人間が自ら変わっていくのではなく自然にあるいは必然的に
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とりあげられている本はどれも読んでいないし、もともと歴史苦手だし、で、けっこう難しかった。やっぱりとり上げられている本を読んでないとぴんとこないのかも。でも、「ギケイキ」(これ、なんとなくタイトルはきいたことあったけど、まさか「義経記」のことだとはぜんっぜん考えもしなかった)をすごく読んでみたくなった。(「ピダハン」もおもしろそうだけど、高いなあ……。)
いやでも高野さん本当に頭よさそうだし、めちゃめちゃ本も読んでいて教養あると思うんだが。お相手の清水氏は教授だから当然だろうけど。
高野さんのあとがきの、教養が大切なのだっていう話になんだか感動した。この本でふたり読書会のようなことをして、体