あらすじ
日本人は昔から温和なんて大嘘! 僧侶はデスノートで武士を呪い殺し、ゲス不倫には襲撃で報復。暗殺、切腹、えげつない悪口……。私たちが思い描く「日本人像」を根底から覆す、荒々しく図太く、自由に生きる室町人たち。現代の倫理観とは程遠い中世という“異世界”を知り、常識に囚われがちな私たちの心を解放する! 「室町ブーム」の火付け役による痛快・日本史エンタメ! 対談:ヤマザキマリ。
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NHKで前に「タイムスクープハンター」って番組があって、その時代考証してた人の本。
あの番組が好きだったので読んでみた。
室町時代って印象が薄かったけど、なかなかバイオレンス。
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忍たま乱太郎がマイブームで時代背景を知りたいと思って読んだ。面白かった。海賊の話があり、なかなかハードだったため「あれ?兵庫水軍(忍たま)ももしかしてあこぎな面があるのでは?」と思ってしまった。名を籠める話が特に好きだった。
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タイトルが良いですね!まず。
戦国時代の前にあたる頃って、ちょうど興味が持続しないと言うかあまりパッとしない気がする。貴族と武士、それ以外は貧しい、ということくらいだった室町の知識が広がりました。
タイトルに遜色ない奇抜な内容があります。
切ない人身売買や、思わずおっかねーと叫びたくなるものまで、てんこ盛りです。
力を持つ人の無理強いや、童歌のようなものにどんな意味があるのか、深掘りされていて面白い。
Posted by ブクログ
歴史は相性が悪く、読んでいてすぐ眠くなってきてしまうが、この本は実に面白い。一見、現代の日本人からするととんでもない、室町時代の日本人がコミカルに紹介される。
一見、と書いた。たしかに今の尺度からするととんでもないが、当時の尺度からすると当たり前の行動、合理的な、至極真っ当な考え方だったのであろう。
日本史上の大転換点にあった室町時代の日本人の考え方や行動原理を知り、私が現代で当たり前とするものや考え方もまた絶対の当然のものではないと再確認させられる。色々な考え方の人がいて、色々な正しさがある。こういう考え方って、今の、視野狭窄とも感ぜられる世の中には大事なものなのかな、と。
そして、一見我々からすると妙だが、根本では似たような考え方や行動をしていると知り、ご先祖様たちに親近感もおぼえる。
長々と書いたが、ただの歴史本にあらず、世の中の見方、物の考え方について、持っておいたほうが良い「寛容さ」、相対的な視点の大事さを改めて教えてくれる一冊であった。
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中世の日本の状況を如実に示してくれる面白い著作だ.非常に楽しめた.罵倒語が今以上に流通していたこと、いろいろな職業を持った人が住んでいた集落があったこと、部落同士の激しい戦いが繰り広げられたこと、枡にも様々な容量の違いがあったこと、三つの年号が同時に存在していたこと、浮気した男性を女性たちが集まって成敗していたこと、切腹にもいろんなパターンがあったこと、呪いに丹精をこめたこと、など現代には考えられない事例が満載.
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面白おかしい物語調なのかと思って買ったが、キチンとした文献を一つ一つ分かりやすく、現代の例えも交えて解説した本だった。すごく面白かった。播磨国風土記など、地元に近い土地の文献も出てきて親しみやすかったし。地主の横暴に耐える小作人と、お上の顔色ばかり伺うエライ人、と言うステレオタイプな昔の印象を覆された。小作人も刀持って、相当反抗してたんだなーと。百姓を管轄する人たちも、お上より百姓を命をはってかばってたんだなーと。
作者の本、他にも読んでみたくなった。
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高野秀行さんとの共著、辺境の怪書なんとかいう本がとても楽しく読み進められたのでこちらも読んでみた。
私の中では鎌倉、室町時代から戦国時代にかけてのイメージといえば、ガチャガチャしてて登場人物多くてとにかくガラ悪いって感じでした。
そのあたりの時代を研究してらっしゃるこの本の著者、清水克行さん。
結果私の予想けっこう当たってた。
教科書で教えてくれることなんて、その時代活躍した武将の名前だけ、大きな出来事くらいでそれぞれの時代のほんっっの一部しか自分は知らない。
室町時代では農民や商人がけっこう力持ってて刀持ってたこと、大義名分かざして武士よりも立場が上になり、ええように動かしてたくらいだったこと。今の住所でいう、どこどこ区くらいの小さな単位同士での血みどろの争いがご近所同士であったこと。身内やどこ出身ということのようなごく小さな横の繋がりが最優先なところ。
ここかー、高野さんと話してたアフリカ諸国のなかでの民族主義と似ているところって。
自分の知ってる価値観や情報とは全く違う価値観が過去の日本にあり、現在でも世界中で自分の知らない価値観や立場や単位は無数にあること。
本や音楽に触れ、先入観を持たず誰かの話を聞いて、自分自身を常にアップデートしてゆける柔らか頭、ずっと持ち続けたい。
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「世界の辺境とハードボイルド室町時代」という書籍で、著者の高野秀行と対談をされていた大学教授の清水克行さんの著書。
出典の古文書を明らかにした前書よりもアカデミックなアプローチで室町時代のやばさが紹介されていた。改めて室町時代は面白いと思ったし、本書に室町時代はドラマ化しやすいヒーローがいないため人気がないとあったか、きっとその分普通の人たちが面白かったのだろうと勝手に想像した。
特に面白かったのが、今アメリカで使われるMother Fuxxerなどの母親の性を愚弄した罵倒語が、室町時代に日本語として存在していたこと。母開(ははつび)というらしい。ぱっと見激しい印象はないが、その言葉が発せられたために命をかけた喧嘩や裁判にまで発展していたらしい。ということは、600年後のアメリカではそのスラングは廃れているのかもしれないし、今アメリカが辿っているフェーズを日本はすでに600年前に経験済みなのかもしれない。
あと当時、裁判において湯起請(ゆぎしょう)という、熱湯に手を入れて火傷の重い方を敗訴とする嘘みたいな神頼みが取られたこともあったらしい。常に用いられたわけではなく、長い目で見て両者が互いに遺恨を残さないための解決策として上手に使われたらしいが。
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少し前に購入したのですが、読み終えるまで時間がかかりました。面白いんですが、1章読み終えるとなんとなく満足しちゃって次へ次へとならなかったので。
住んでいる場所や納める管轄によって枡の大きさが違うって面白い。とは言え一般庶民もなかなかしたたかに生きていたんだな、というのも垣間見えて面白かったり。寺院が個人を呪う制度ってのも昔からあったんだな、とか。
日本人が温厚でおとなしいというのは、コメ作りとか集団で行動しなくてはならない作業があり、そのための協調性なんだろうなぁと思いました。一方、集団になるとその集団の意向によっては暴力行為も辞さないという性質があるんだなぁとしみじみ思いました。集団に属することにより、その中から異質とはじき出されないために行動するというのは、今の子供たちのいじめ問題とかそういう行為にもつながっているのかななんてことを思いました。面白かったです。