【感想・ネタバレ】室町は今日もハードボイルド―日本中世のアナーキーな世界―(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

タイトルが良いですね!まず。
戦国時代の前にあたる頃って、ちょうど興味が持続しないと言うかあまりパッとしない気がする。貴族と武士、それ以外は貧しい、ということくらいだった室町の知識が広がりました。

タイトルに遜色ない奇抜な内容があります。
切ない人身売買や、思わずおっかねーと叫びたくなるものまで、てんこ盛りです。
力を持つ人の無理強いや、童歌のようなものにどんな意味があるのか、深掘りされていて面白い。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

歴史は相性が悪く、読んでいてすぐ眠くなってきてしまうが、この本は実に面白い。一見、現代の日本人からするととんでもない、室町時代の日本人がコミカルに紹介される。
一見、と書いた。たしかに今の尺度からするととんでもないが、当時の尺度からすると当たり前の行動、合理的な、至極真っ当な考え方だったのであろう。
日本史上の大転換点にあった室町時代の日本人の考え方や行動原理を知り、私が現代で当たり前とするものや考え方もまた絶対の当然のものではないと再確認させられる。色々な考え方の人がいて、色々な正しさがある。こういう考え方って、今の、視野狭窄とも感ぜられる世の中には大事なものなのかな、と。
そして、一見我々からすると妙だが、根本では似たような考え方や行動をしていると知り、ご先祖様たちに親近感もおぼえる。
長々と書いたが、ただの歴史本にあらず、世の中の見方、物の考え方について、持っておいたほうが良い「寛容さ」、相対的な視点の大事さを改めて教えてくれる一冊であった。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

高野秀行さんとの共著、辺境の怪書なんとかいう本がとても楽しく読み進められたのでこちらも読んでみた。
私の中では鎌倉、室町時代から戦国時代にかけてのイメージといえば、ガチャガチャしてて登場人物多くてとにかくガラ悪いって感じでした。
そのあたりの時代を研究してらっしゃるこの本の著者、清水克行さん。
結果私の予想けっこう当たってた。
教科書で教えてくれることなんて、その時代活躍した武将の名前だけ、大きな出来事くらいでそれぞれの時代のほんっっの一部しか自分は知らない。
室町時代では農民や商人がけっこう力持ってて刀持ってたこと、大義名分かざして武士よりも立場が上になり、ええように動かしてたくらいだったこと。今の住所でいう、どこどこ区くらいの小さな単位同士での血みどろの争いがご近所同士であったこと。身内やどこ出身ということのようなごく小さな横の繋がりが最優先なところ。
ここかー、高野さんと話してたアフリカ諸国のなかでの民族主義と似ているところって。
自分の知ってる価値観や情報とは全く違う価値観が過去の日本にあり、現在でも世界中で自分の知らない価値観や立場や単位は無数にあること。
本や音楽に触れ、先入観を持たず誰かの話を聞いて、自分自身を常にアップデートしてゆける柔らか頭、ずっと持ち続けたい。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

当たり前のことだけど、どんな時代にも色んな人がいたんだなぁと。こう言う話を補足的に聞きながら日本史の勉強をしてみたかったなぁ

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2024年01月18日

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