あらすじ
日本人は昔から温和なんて大嘘! 僧侶はデスノートで武士を呪い殺し、ゲス不倫には襲撃で報復。暗殺、切腹、えげつない悪口……。私たちが思い描く「日本人像」を根底から覆す、荒々しく図太く、自由に生きる室町人たち。現代の倫理観とは程遠い中世という“異世界”を知り、常識に囚われがちな私たちの心を解放する! 「室町ブーム」の火付け役による痛快・日本史エンタメ! 対談:ヤマザキマリ。
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Posted by ブクログ
「世界の辺境とハードボイルド室町時代」という書籍で、著者の高野秀行と対談をされていた大学教授の清水克行さんの著書。
出典の古文書を明らかにした前書よりもアカデミックなアプローチで室町時代のやばさが紹介されていた。改めて室町時代は面白いと思ったし、本書に室町時代はドラマ化しやすいヒーローがいないため人気がないとあったか、きっとその分普通の人たちが面白かったのだろうと勝手に想像した。
特に面白かったのが、今アメリカで使われるMother Fuxxerなどの母親の性を愚弄した罵倒語が、室町時代に日本語として存在していたこと。母開(ははつび)というらしい。ぱっと見激しい印象はないが、その言葉が発せられたために命をかけた喧嘩や裁判にまで発展していたらしい。ということは、600年後のアメリカではそのスラングは廃れているのかもしれないし、今アメリカが辿っているフェーズを日本はすでに600年前に経験済みなのかもしれない。
あと当時、裁判において湯起請(ゆぎしょう)という、熱湯に手を入れて火傷の重い方を敗訴とする嘘みたいな神頼みが取られたこともあったらしい。常に用いられたわけではなく、長い目で見て両者が互いに遺恨を残さないための解決策として上手に使われたらしいが。