原リョウのレビュー一覧

  • そして夜は甦る

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    デビュー作にしてこのクオリティ。
    この原尞氏はまさにチャンドラーの正統なる後継者だ。

    物語の導入部にある大富豪更科の邸への訪問は正にチャンドラーのマーロウシリーズ第1長編の『大いなる眠り』へのオマージュそのものだ。そして冒頭と終盤に現れるあの男は『長いお別れ』のテリー・レノックスだろう。
    こういう舞台設定からして、チャンドラーを愛する者としては(自分のことをチャンドラリアンとまで評するほど、私はまだ判っていない)胸がくすぐられる思いがする。

    さらに加えてプロットにはロスマク的家庭の悲劇も加味されている。権力に溺れゆく人々の狂った歯車がぎしぎしと音を立てて、沢崎によって一つ一つ解体されていく

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    2025年11月04日
  • それまでの明日

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    ボロ事務所からの立ち退き依頼や家族の話、執筆時の作者の年齢から、シリーズを終わらせるつもりで書いてるのだと思って読んでた
    だからあとがきの「それまでの明日」に込められた想いをしって胸が詰まる、、、
    もっともっと沢崎の減らず口を聞いていたかった





    最後の章を読むまでは、携帯電話が出てきたとしても、どこか自分の時代より前の話のつもりで読んでたから衝撃だった
    急に自分ごとになって、作者の思うツボだなって

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    2025年09月11日
  • さらば長き眠り

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    身元不明の依頼人候補を探す所から始まるので、探偵小説なのに依頼を受けるまでに200ページ近く要する驚きのボリューム!!

    チャンドラーリスペクトのタイトルだと思ってたけど、読み終わってみたら本編そのまますぎて横転

    前作までよりも切ない印象を受けたのは、浮浪者の桝田に渡辺の面影を重ねてるように思えるからかな

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    2025年08月30日
  • 天使たちの探偵

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    1巻、2巻の行間を埋める短編集
    「選ばれる男」からあとがきに繋がるのもいいし、そのあとがきにしれっと重要情報がでてきてびっくり

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    2025年08月26日
  • そして夜は甦る

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    まわりくどすぎるセリフと淡々とした文体が好きすぎる。自分はハードボイルドが好きなんだなって実感できた作品。
    何重にもわたる謎の究明シーン、からの終章のなんともいえない虚無感と後味の悪さがたまらない。もっと読みたい気分にさせてくれる。

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    2025年08月09日
  • それまでの明日

    購入済み

    探偵 沢崎シリーズ最後の作品

    「愚か者死すべし」から約13年という歳月は私自身の環境や価値観に大きな変化を及ぼしてたようで、本巻が私が購入した沢崎シリーズ最初で最後の電子書籍となったこと、そして、本巻を読んでもなんら心が動かさることがなかったことは、私に少なからず驚きの感情を与えた。

    本作が良作であることは疑いようもなく、これはもしかすると、私自身が沢崎と同年齢に達したことで良くも悪くも価値観が少しずつ変わってしまったからなのかもしれない。

    いづれにせよ、一つの作品が終わったという事実を受け止めて残りの人生を見つめていきたい。

    また、大変遅くなりましたが、
    原先生のご冥福をお祈りいたします。

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    2025年07月03日
  • 天使たちの探偵

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    全話通してまとまりがあり、かと言って単調な話では無かったのでとても面白かった。
    お馴染みの登場人物も出てくるので、シリーズを通して読んでいる者からすれば楽しみながら読むことができた。

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    2025年05月25日
  • そして夜は甦る

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    読んだのは、これで3回目くらいだろうか?
    こちらもだいぶ年を取り、主人公の年齢をはるかに追い越してしまった。
    そのため、こうやって久々に読むと、青臭く感じるセリフもあるし、比喩や暗喩が大袈裟すぎると感じる部分もある。
    しかし、これだけ練りに練られたプロット、多彩な登場人物、錯綜した人間関係、最後まで探偵の一人称で語られる展開は、まさに一級のハードボイルト作品。
    この映像化作品を見てみたいものだが、この世界観を壊さずに映像化できる監督(白石監督?大友監督?)や俳優がいるだろうか?

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    2024年11月23日
  • 天使たちの探偵

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    原尞作品の唯一の一話完結短編集。
    タイトルからすると子どもを主とするイメージですが、
    子どもを絡ませた、様々な親子関係に中年探偵沢崎が愛情深く関わっていくハートフルなストーリーの中でバリバリのハードボイルドを主張。
    相変わらずのカッコ良さが惚れ惚れ、大変美味しく頂きました。
    文庫で一話50ページ程ですので、チョット時間があるときにチョコッと読める作品です。是非。

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    2024年10月03日
  • そして夜は甦る

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    何十年ぶりだろうか?急に再読したくなって、居ても立ってもいられなくなり購入しじっくり読んでみました。
    昭和末の雰囲気、チャンドラーを彷彿とさせ、「渡辺探偵事務所」の「沢崎」などのこだわりが多彩、気取っているけど派手さが無いところ、全部が好きでした。
    『遅筆』がキャッチフレーズのような原尞作品、全部読み直ししてみようと考えています。

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    2024年09月24日
  • ミステリオーソ

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    ▼原りょうさん(りょうという漢字は変換できない・・・)のエッセイ集。原りょうさん、は、1988年に40代でデビューして、2018年に最後の作品を上梓された小説家です。2023年に他界。ハードボイルド・ミステリー、 あるいは ハードボイルド探偵小説、とでも言うべき「ジャンル作家」さん。

    …というよりも、30年の活動歴で、

    ・沢崎、という名前の私立探偵が一人称で活躍する「探偵・沢崎シリーズ」。文庫本1冊程度の長編小説5冊、短編小説集1冊

    しか、書いてないんです。寡作の人です。つまり、30年で文庫本6冊。

    ▼この6冊が、個人的には大大好きです。著者自身も認めている通り、アメリカの作家レイモン

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    2024年08月24日
  • それまでの明日

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    ヘビースモーカー探偵沢崎にもう会えないなんてこんな寂しい事はありません。13年ぶりの新作を堪能させていただきました。おきまりの作風に読む手が止まらず一気読みでした。探偵沢崎よ永遠なれ!

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    2024年04月15日
  • 愚か者死すべし

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    読み始めて以前に読んだ事が有るのを思い出した。
    幸い読んだと言う記憶は有るが結末やストーリーは、殆ど覚えていなかった。
    原りょうの小説を最初に読んだのも、この「愚か者死すべし」だった。この小説で原りょうを知り、他の作品も読み始めた。
    読んだのは何年も前で、その時に読んだ本は無くしてしまい、読んだ事も忘れていた。
    もう一つ思い出した事が、生前の母に、この小説を読むことを勧めて、母が面白かったと言っていた。
    母が元気だった頃、よく本を読んでいた。
    元気だった頃の母を思い出した。
    原りょうの沢崎シリーズは、どれも傑作だ。もっと沢山、作品を書いて欲しかったな。合掌

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    2023年10月26日
  • それまでの明日

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    原りょうが亡くなったことを先日知って、そういえばまだ読んでない最後の一冊があったなと本棚の奥から引っ張り出してきた。学生の頃日本のハードボイルドはほとんど読まなかったのだが、それもつまらぬバイオレンスや無駄なアクション、カッコつけるだけのシーンやセリフ、私が読んだのはそんな話ばかりで日本人に期待するのは無理だと考えていたときに彗星の如く現れたのが原りょうだったのだ。
     そしてあまりの遅筆ぶりに最後の一冊を取っておいたのだ。それがこれ。私立探偵の沢崎に依頼してきたのは金融会社の支店長。融資先の料亭の女将の身辺調査を頼まれたのだが、女将は既に亡くなっていた。支店長に会いに行くと、そこに強盗が押入り

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    2023年07月16日
  • さらば長き眠り

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    正統なレイモンド・チャンドラーの後継者と言えると思う。
    レイモンド・チャンドラー+ロス・マクドナルドだな。
    何とも言えないけど、読み応えが有り、素晴らしい作品だ。
    煙草が無性に吸いたくなる。今の時代は煙草の扱いが厳しいような。

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    2023年07月15日
  • さらば長き眠り

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    探偵沢崎シリーズで、「私が殺した少女」の次に書かれたものです。
    沢崎氏は渡辺探偵事務所の探偵なんですが、所属しているのは彼一人。
    なんで「渡辺」?なんですが、主宰者でありパートナーでもあった渡辺は
    元刑事なんですが、おとり捜査の最中に取引のブツと金の双方を持ち逃げして
    警察とヤクザの双方から追われている、という身の上。

    前作でも、その渡辺氏は絶妙に現れては消えて、深い印象を残していたんですが
    今作でついに、彼に関しては決着ついてしまいます。
    けっこうなエピソードだと思うのに、全くの傍流扱いで。

    そして本流の方も、圧巻というか息をもつかせぬ展開で。
    なかなかのアクションシーンが随所にあって、

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    2023年07月14日
  • 天使たちの探偵

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    ネタバレ

    目次
    ・少年の見た男
    ・子供を失った男
    ・二四〇号室の男
    ・イニシアル”M"の男
    ・歩道橋の男
    ・選ばれる男

    私立探偵沢崎シリーズの長編の既刊をすべて読んでしまったので、最後にとっておいた短編集を読んだ。
    長編と長編の間に起きた事件だけど、長編で出て来た人の初登場はここだったのか、と思うことしばしば。

    沢崎は子どもに対しても不愛想だし、必ずしもハッピーエンドではないけれど、やっぱり面白くて一気に読める。
    というか、長編はプロットが複雑で、登場人物も錯綜して一筋縄ではいかないけれど、短編は事件がひとつなのでとても読みやす野である。
    これは、短編の方が好きという人もいるかもしれない。

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    2023年03月28日
  • そして夜は甦る

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    とりあえず沢崎さんがかっこよかった。探偵なのに襲われたらすごい闘うし、犯人を確信した後の本人への詰め方が興奮する。最後、諏訪が撃った弾が「幸いなことにそれて人差し指を失った」こと、彼らはいつも肝心なことを見落とす。と言っているのもかっこいい

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    2022年12月30日
  • 愚か者死すべし

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    【大金を懐に入れるというのは、そういうことだ】(文中より引用)

    ハードボイルド探偵・沢崎シリーズの長編第4弾。自首した父の冤罪を晴らしてほしいという依頼人と警察署に向かったところ、沢崎は思いも寄らない銃撃事件に出くわしてしまう。狙撃者を追う沢崎であったが、彼が直面したのは、幾重にも折り重なった思惑の数々であった・・・。著者は、超寡作の作家としても知られる原寮。

    謎解きをはらむストーリーにのめり込んでいくことはもちろんなのですが、本書の魅力は、やはりニヒルな沢崎のキャラクターと散りばめらる乾いた語り口。時代に逆行するかのように自身の流儀を貫く沢崎の姿に、唸りたくなるような渋さを感じずにはいら

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    2022年03月24日
  • そして夜は甦る

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    行方不明になったルポライターの調査に乗り出した私立探偵沢崎。事件はかつての都知事狙撃事件へと繋がっていく。歯切れのいい文章、洒落た会話、手に汗握るプロット。アメリカの本格ハードボイルドの翻訳を読むような、日本のハードボイルドではかなり質が高い正統派のデビュー作だ。これで十分なのだが、今後本家を超える作家の登場を期待させる記念碑的名作。

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    2021年04月29日