原リョウのレビュー一覧

  • 天使たちの探偵
    平成の初頭にタイムスリップしたかのようだ。「子供を失った男」のラストが印象的。

    ところで、沢崎は優秀だが、ろくに報酬をもらっていない気がする。渡辺探偵事務所の経営は大丈夫なのだろうか。
  • そして夜は甦る
    "昭和の探偵小説。物語の真相は読み返して確認したくなるほど込み入っている。
    酒とタバコと自分で決めたルールは曲げないこだわりと粋なセリフで構築された物語は最後まで読者を飽きさせない。"
  • そして夜は甦る
    あまりに、チャンドラーのエピゴーネンで、その潔さが却って清々しい位。
    一人称の視点・短い文章・気の利いた(風に見える)科白回し等々。
    「私が殺した少女」をかなり前に読んだから詳細を忘れていたが、ああそうなんだったなと思い出した。
  • さらば長き眠り
    探偵沢崎シリーズ第三弾。今回はシリーズでも随一の人間関係の複雑さ。このシリーズは相関図を付けて欲しいところ苦笑。今回は400日ぶりに探偵業に復帰するところから話は始まる。なぜ400日振りなのかというのも後々明かされることになるが、本流の事件とは別にこちらも衝撃的な事実が明らかとなる。その事実により本...続きを読む
  • そして夜は甦る
    探偵沢崎の一作目を再読。
    テレビで見たマーロウが格好良かった♡ので、チャンドラーを読んでて、『チャンドラーに捧げられた一作』という紹介があったので手にしたのか?ハードカバーの生頼義範絵でジャケ買いしたのだったのか??
  • さらば長き眠り
    脱線が上手い。

    とある過去の自殺が、「実は他殺なのか?」という疑惑が起こる。
    かつての証言者を尋ねる主人公。それぞれが抱える闇。気まずさ。ちょっとした嘘。
    じりじりと浮かび上がる、誰も知らなかった真実...。

    だが。

    結局は、自殺だった。
    さらに。

    重要な秘密を抱えていそうな依頼人が夜道で襲...続きを読む
  • 天使たちの探偵
    シリーズ3作目は短編集。
    それぞれ短い物語ながらも、
    沢崎の格好良さは存分に
    発揮されていた。
    話自体が面白いのに、
    意外な結末も用意されているのは
    見事だった。
    沢崎が自ら進んで
    事件に首を突っ込んでいる感じが
    ちょっと似合わなかったけど。
    時々現実の事件や出来事が
    チラッと描写されているのも
    ...続きを読む
  • 愚か者死すべし
    沢崎という探偵の 推理力、観察力が 
    なんとも言えないほどの
    推進力があり 本質に 迫っていく。

    不思議な 事件が つぎつぎに起こっていく。
    ヤクザの組長と 足を洗った料理人と その兄弟関係。
    フィクサーのような老人とそれに連れ添う美女。
    フィクサーの寝言で、政治家が 恐れ戦く。
    それに眼を付けて...続きを読む
  • 天使たちの探偵
    すごーく久しぶりに、読み応えのある本だった。
    じっくり練られてきちんと書かれた本。
    当たり前のことなんだけど、わたしみたいな乱読してると、意外と貴重だったりする。
    クールな探偵さんが今度は子どもたちを相手に、相変わらずの良い味を出してる。
    最初は拒否反応のあったハードボイルドだけど、もうこの世界が居...続きを読む
  • さらば長き眠り
    4+ 

    後に沢崎ものは一作出ているが、本作はこれまで続いていた因縁にケリがつくと言う意味では集大成。過去作のキャラクター達がちょいちょい登場したりするのもオールスター的雰囲気で良い。故にこれまでの作品を事前に読んでいた方がより楽しめるだろう(と言っても数が少ないのだが)。 個人的には本作の沢崎が一...続きを読む
  • ハードボイルド
    私が日本人で一番好きなハードボイルド作家・原尞(はらりょう)の小説以外のお仕事をまとめた本。
    もともと「ミステリオーソ」という単行本ででてたのを、増補分冊したうちの一冊。
    もう一冊はそのまま「ミステリオーソ」というタイトルで音楽や映画関連をまとめてあって(未読)、こちらは海外小説の後書き・エッセイ・...続きを読む
  • 天使たちの探偵
    好きな探偵、沢崎がさらっと解決するいくつかの案件の短編集。
    どんな言葉もシニカルに打ち返す沢崎が相変わらず“ひねくれてて”素敵。
    身近に居たら、取りつく島も無いのかもしれないが。

    さくっと読める。が、これを読んだら、
    原尞作品をコンプリートしてしまうので、
    ちびちび読んだ。

    早く別の事件を読みた...続きを読む
  • ハードボイルド
    原さんの、膨大な読書量に圧倒されるとともに、
    チャンドラー愛が存分に伝わってくる本。
    長編以外の沢崎ストーリーが読めるのも嬉しい。
  • さらば長き眠り
    沢崎の3弾目。一応、シリーズの完結版らしい。
    相変わらず洒脱な語口の沢崎だが、肉体的にも大変な目にあいつつも
    真相にたどり着く様が素敵だ。
    しかし、沢崎だけが分かっているような、「え?!どういうこと??」なシーンも相変わらずあって、どの辺が伏線だったのかわからないとこもあった。
    恐らく、自分の読みの...続きを読む
  • 愚か者死すべし
    原 尞の再開シリーズの第1作となるはずだったが、出版後7年が経過しても第2作がでていないので、過去形で書いてしまってもいいのだろう。結局このミステリーが面白いかどうかは沢崎のスタイルが好きになれるかどうかだと思う。ハードボイルド推理小説を読み込んでいたころには、この雰囲気に浸りやすかったが、久しぶり...続きを読む
  • 天使たちの探偵
    ハードボイルドな文体に触れたいと思って拾い読みしてたら、結局全部読んでしまった。
    何度読んでも、やっぱり沢崎は寂れた探偵事務所で燻ってる器じゃないよ。
  • 愚か者死すべし
    ハードボイルド。正統派というかチャンドラーそのまま。影響されすぎているので、オリジナリティ重視の人には合わないと思うが、私は大好きだ。
    前作までよりストーリーが分かりやすいため、その分話に酔える。
    ●面白かった点
    正統派ハードボイルドとして読み応えがある。正統派ハードボイルドというだけで貴重。
    ●気...続きを読む
  • 愚か者死すべし
    探偵沢崎・新シリーズ第1弾。年は過ぎても変わらずカッコいい沢崎さんです。終盤になってからの展開が速く楽しめました。錦織警部いないのかーと思ったら…ちょっと嬉しいおまけがありました。やっぱりこの二人の慣れ合わない関係が好きです。
  • 天使たちの探偵
    原 りょう さんの

    「天使たちの探偵」を読みました。


    これは、探偵沢崎シリーズです。

    ショート集ですが、タイトルの「天使」が何であるか、

    考えながら読んでいくのも面白いと思います。

    「探偵沢崎シリーズ」と言うこともあり、

    随所に「そして夜は甦る」や

    「私が殺した少女」の内容が描かれて...続きを読む
  • 天使たちの探偵
    沢崎シリーズの3冊目にして短編集。
    なので長編とは違い、まさにいつものしがない探偵の地味な仕事ばかりなので、いきなりこれを読んでもあまり楽しめないかもしれない。
    私は前二作で沢崎というキャラクターとこのシリーズの世界観に愛着をもっていたので充分に楽しめました。
    長編の合間の箸休め的に気軽に読めるのが...続きを読む