原リョウの作品一覧
「原リョウ」の「私が殺した少女」「さらば長き眠り」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「原リョウ」の「私が殺した少女」「さらば長き眠り」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
九州大学文学部美学美術史科卒。1988年『そして夜は甦る』でデビュー。『私が殺した少女』で第102回直木賞を受賞。『愚か者死すべし』、『天使たちの探偵』などの作品を手がける。
Posted by ブクログ
第102回直木賞受賞作。そして、日本で正統派ハードボイルド小説を確立した小説。
この作品は、探偵・沢崎シリーズの2作目にあたる。1作目は『そして夜は甦る』、タイトルも良いし、内容も良い。この2作目はタイトルが気になったが、直木賞受賞作でもあり、原尞の代表作と言われているので、読むしかないと思って読んでみた。
探偵・沢崎が、作家の娘が誘拐された事件に巻き込まれて始まっていく。犯人からは、なぜか身代金を運ぶ指名を受けていたため、警察や依頼人からは犯人の一味と思われてしまう。何とも言えない驚きの展開でストーリーが始まる。
1/2位を読み終えたところで、誘拐された少女や犯人の行方がわかりそうにな
Posted by ブクログ
デビュー作にしてこのクオリティ。
この原尞氏はまさにチャンドラーの正統なる後継者だ。
物語の導入部にある大富豪更科の邸への訪問は正にチャンドラーのマーロウシリーズ第1長編の『大いなる眠り』へのオマージュそのものだ。そして冒頭と終盤に現れるあの男は『長いお別れ』のテリー・レノックスだろう。
こういう舞台設定からして、チャンドラーを愛する者としては(自分のことをチャンドラリアンとまで評するほど、私はまだ判っていない)胸がくすぐられる思いがする。
さらに加えてプロットにはロスマク的家庭の悲劇も加味されている。権力に溺れゆく人々の狂った歯車がぎしぎしと音を立てて、沢崎によって一つ一つ解体されていく