原リョウのレビュー一覧

  • 天使たちの探偵

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    ネタバレ

    目次
    ・少年の見た男
    ・子供を失った男
    ・二四〇号室の男
    ・イニシアル”M"の男
    ・歩道橋の男
    ・選ばれる男

    私立探偵沢崎シリーズの長編の既刊をすべて読んでしまったので、最後にとっておいた短編集を読んだ。
    長編と長編の間に起きた事件だけど、長編で出て来た人の初登場はここだったのか、と思うことしばしば。

    沢崎は子どもに対しても不愛想だし、必ずしもハッピーエンドではないけれど、やっぱり面白くて一気に読める。
    というか、長編はプロットが複雑で、登場人物も錯綜して一筋縄ではいかないけれど、短編は事件がひとつなのでとても読みやす野である。
    これは、短編の方が好きという人もいるかもしれない。

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    2023年03月28日
  • そして夜は甦る

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    とりあえず沢崎さんがかっこよかった。探偵なのに襲われたらすごい闘うし、犯人を確信した後の本人への詰め方が興奮する。最後、諏訪が撃った弾が「幸いなことにそれて人差し指を失った」こと、彼らはいつも肝心なことを見落とす。と言っているのもかっこいい

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    2022年12月30日
  • 愚か者死すべし

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    【大金を懐に入れるというのは、そういうことだ】(文中より引用)

    ハードボイルド探偵・沢崎シリーズの長編第4弾。自首した父の冤罪を晴らしてほしいという依頼人と警察署に向かったところ、沢崎は思いも寄らない銃撃事件に出くわしてしまう。狙撃者を追う沢崎であったが、彼が直面したのは、幾重にも折り重なった思惑の数々であった・・・。著者は、超寡作の作家としても知られる原寮。

    謎解きをはらむストーリーにのめり込んでいくことはもちろんなのですが、本書の魅力は、やはりニヒルな沢崎のキャラクターと散りばめらる乾いた語り口。時代に逆行するかのように自身の流儀を貫く沢崎の姿に、唸りたくなるような渋さを感じずにはいら

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    2022年03月24日
  • そして夜は甦る

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    行方不明になったルポライターの調査に乗り出した私立探偵沢崎。事件はかつての都知事狙撃事件へと繋がっていく。歯切れのいい文章、洒落た会話、手に汗握るプロット。アメリカの本格ハードボイルドの翻訳を読むような、日本のハードボイルドではかなり質が高い正統派のデビュー作だ。これで十分なのだが、今後本家を超える作家の登場を期待させる記念碑的名作。

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    2021年04月29日
  • それまでの明日

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    2018年、私立探偵沢崎シリーズが14年のブランクを経てまさかの復活。そして文庫になるのを待っていた一冊。もう嬉しさのあまりの涙モンです。
    沢山の登場人物に、複雑に絡み合うプロット、それを繋ぎ止めるのが、我が道を行く沢崎、相変わらずのセリフまわし、一癖も二癖もある警察にヤクザのお仲間(?)たちがワキを固める。原りょうの描くハードボイルドは健在です。堪能。

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    2020年11月08日
  • 天使たちの探偵

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    沢崎の人を突き放すような物言いが好きだ。各編ともおしまいの文章が秀逸。ひょっとしたら、短編の方が良いかもしれないとも思う。

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    2020年10月26日
  • それまでの明日

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    渡辺探偵事務所の沢崎探偵の活躍を描くシリーズ第5作。新宿署の警部錦織さんや警部補の田島さん、ヤクザの橋爪さん、相良さんといった馴染みの人物も活躍?する。今回は、ある場所に居合わせたばっかりに事件に巻き込まれていく沢崎探偵。依頼人からの仕事は完遂できるのか?巻き込まれた事件の真相は?
    本作も最後のページまで楽しませてくれる。次回作も気長に待つことになるかもしれないが、待ちます。

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    2020年10月23日
  • それまでの明日

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    原尞『それまでの明日』ハヤカワ文庫。

    私立探偵・沢崎シリーズの第6作。もはや続篇は無いだろうというくらい前作の刊行から長い年月が過ぎている。読み始めて、そうだ沢崎という探偵が主人公で元パートナーの渡辺から引き継ぐ形で探偵事務所を続けていたんだ、などと本筋から外れた些細なことを思い出した。

    今や古典とも言われるようなスタイルのハードボイルド小説。著者がこのスタイルを頑なに守っているのが嬉しい。複数の登場人物の思惑や欲望が複雑に絡み合い、単純な事件を一層複雑怪奇な事件に仕立て上げるのだが、探偵の沢崎はその一つ一つを解きほぐすように真実に迫る。久し振りにハードボイルド小説というスタイルで感情を揺

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    2020年09月25日
  • それまでの明日

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    ネタバレ

    2020/9/4 楽天ブックスより届く。
    2020/9/28〜10/6

    2年ぶりの原作品。沢崎シリーズとなると何年ぶりだろうか。そんなブランクを全く感じさせない、作品世界。いつものように多重に張り巡らされた謎が最後に解決されるカタルシス。1,2つは読んでいたが、そこもか!という感じはやっぱり素晴らしかった。海津くんという若い魅力的キャラクタ−も登場。次作は間を空けずに書いて欲しいなぁ。

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    2020年10月06日
  • さらば長き眠り

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    ネタバレ

    久しぶりの沢崎。皮肉っぽいきざなセリフは沢崎だから似合う。こんなセリフ現実には言えない。
    魚崎という青年の姉の11年前の自殺の真相を追う。
    少しづつ真相に近づきそうで、それを覆すように事件が起きる。最期は、意外な事実が判明する。
    ラストの真相は驚かされた。
    そして渡辺を巡る因縁も終わりを迎える。

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    2020年08月20日
  • 天使たちの探偵

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    非常に面白かった!これは当たりだった。
    毎話行われる謎解きは、注意して読んでいれば気付けたはず、と悔しくなってしまうが納得もできるものばかり。登場人物も魅力的。
    文章自体にもいつも皮肉まじりのユーモアがある。
    ただ、これがシリーズものであることを知らず読み始めてしまったので、早く前作までが読みたい。

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    2020年01月30日
  • 愚か者死すべし

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    主人公の探偵も依頼者も警官も犯罪者もヤクザも胡散臭いやつもみんなお喋りだ。本当によく喋る。何だあこれはと思っているうちに、そのお喋りがだんだんと快感になってくる。この長ったらしい会話が原尞の真骨頂なのだと合点した。ストーリーもよく練られているし、最後の二転三転もいつもどおりで楽しめる。文庫本の付けたしでのパリから帰った錦織警部補と沢崎との会話も最高だ。

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    2019年11月30日
  • そして夜は甦る

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    さすがに原尞、処女作から読み応えあり。推敲を重ねただけあって文章は練れていて、いかにもハードボイルドという味わいが漂う。古い本なので、今となってはユーモアのセンスは古めかしいかなとは思う。でも、それでいい。主人公の探偵の沢崎、錦織警部、ヤクザの橋爪という常連になる登場人物の造形も実にいい。事件自体も二転三転として飽きさせない。うーん、佐伯名緒子の心理だけは、ちょっと分かりにくいかな。

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    2019年11月17日
  • そして夜は甦る

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    探偵沢崎登場、伝説とも言えるシリーズの第1作である。しゃれた会話と意表を突くストーリーの大人のファンタジー。登場人物たちがやたらと煙草を喫うのが時代を感じる。しばし、ミステリーの世界に酔いしれる。

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    2019年07月04日
  • 愚か者死すべし

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    沢崎探偵シリーズ第五作。

    いよいよ携帯電話が登場した。
    作中にもあるように探偵に必須な携帯電話だが、
    探偵沢崎には似合わない気がして、
    時代が進むにつれどうするのだろうかと心配だった。
    相変わらず伝言サービスを使っていて、
    なんだかほっとした。

    渡辺探偵事務所の渡辺に相談しに来た若い女性。
    依頼を引き受けたわけではなく、警察署に女性を車で送っただけだったが、
    銀行強盗の容疑者が銃撃さたれたのに巻き込まれる。
    2つの誘拐事件を解決して、大金の運び役をすることになる。
    そして、銃撃事件の真実を突き止める。

    錦織警部がパリに行ったと聞いて、驚いた沢崎が面白かった。
    何を見ても驚いたことがなかっ

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    2019年06月18日
  • 愚か者死すべし

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    相変わらずの沢崎のハードボイルドっぷり。
    会話や行動が、とにかくハードボイルドです。
    言い回しも洒落ています。
    とにかくタフです。
    銀行強盗の身代わりに自首した男を救うため受けた依頼ですが、同時進行でいろいろな事件が起こってきます。
    ストーリーが進むにつれ、意外な事実が浮かび上がってきます。
    練り上げられたストーリーに、思わずうなります。
    面白かった。

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    2019年06月11日
  • 私が殺した少女

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    ネタバレ

    沢崎探偵シリーズ第二作。

    この作品は読んだことがある気がした。
    シリーズものは最初から読むことにしているので、
    なぜ1作目を読まずに2作目を読んだのかは全く覚えていない。
    覚えていないと言えば、ほとんど内容も覚えていなかった。
    幸運と言うべきか。

    ハードボイルドに不可欠なもの、主人公の生き様、に加えるとすれば、
    都会的雰囲気、としたい。
    それは、LAでもNYでも東京でも良いはず。
    ただ、新宿では鮫が泳いでいるらしいが、
    東京は現実であるがゆえに、虚構の舞台にはなりにくい。

    ただ、この作品の中の東京は、現実ではない。
    ブルーバードが走り、喫茶店で呼び出しがかかり、第一勧業銀行がある東京。

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    2019年05月30日
  • さらば長き眠り

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    1年以上ぶりに東京に帰ってきた沢崎を待っていたのは、浮浪者の男。
    男からの紹介で、元高校野球選手からの調査を受けることになります。
    依頼者の姉が自殺した真相を突き止めてほしいという依頼ですが、やがて背後にある驚愕の事実に突き当たります。
    ハードボイルドの文章が素晴らしく、言い回しがとてもカッコいい。
    数々の伏線が、最後には驚きの結末に収束していきます。
    面白かった!!

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    2019年05月25日
  • そして夜は甦る

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    ネットで見かけて。

    とくにハードボイルドが好きな訳ではないと思う。
    暴力にも、カーチェイスにも、銃撃戦にも、ましてや美女にも
    興味はない。

    ただそれらを含んでいても含んでいなくても、
    心魅かれるものがあるとすれば、
    それは、多分、男の「強がり」なのだと思う。
    「美学」とも「やせがまん」とか、
    呼びたい人は呼べばいい。

    誰にも、何にも囚われないおのれ一人の哲学だけで生き、
    障害に対してそれを貫く強さ。
    そういう意味では、
    金も名も求めず自分の技だけを追求する「職人」に似ているのかもしれない。

    謎解きも面白かったし、
    どう見ても実在の政治家と俳優の兄弟をモデルとした登場人物は、
    都知事とな

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    2019年05月23日
  • 愚か者死すべし

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    大晦日からの数日の出来事を描いた、沢崎さんという探偵が主人公のハードボイルドミステリー。いくつもの犯罪が交錯する中、真相に迫っていく。
    この『愚か者死すべし』は前作から9年の歳月がたって発表されている。2004年11月に発売されている。長い間ファンは待ち続けないといけない。
    でも、待ったかいがあった。面白い作品に仕上がっている。でも、長いなぁ~
    本作品の続編、『それまでの明日』は2018年に発売された。14年ぶりになる。この作品を読み終わってしまうと、また10年待たねば新作を読めないと思うと、今から五年後に読んでみてた方が、次作を待つストレスは軽減されるかもしれない?

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    2019年04月08日