あらすじ
十才の少年の依頼で、ある女性の監視をはじめた沢崎は、思いもかけぬ銀行強盗事件に巻きこまれることに--沢崎の記念すべき短篇初登場作「少年の見た男」ほか、未成年者がからむ六つの事件を描く連作短篇集。日本冒険小説協会賞最優秀短編賞受賞作。
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全話通してまとまりがあり、かと言って単調な話では無かったのでとても面白かった。
お馴染みの登場人物も出てくるので、シリーズを通して読んでいる者からすれば楽しみながら読むことができた。
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原尞作品の唯一の一話完結短編集。
タイトルからすると子どもを主とするイメージですが、
子どもを絡ませた、様々な親子関係に中年探偵沢崎が愛情深く関わっていくハートフルなストーリーの中でバリバリのハードボイルドを主張。
相変わらずのカッコ良さが惚れ惚れ、大変美味しく頂きました。
文庫で一話50ページ程ですので、チョット時間があるときにチョコッと読める作品です。是非。
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目次
・少年の見た男
・子供を失った男
・二四〇号室の男
・イニシアル”M"の男
・歩道橋の男
・選ばれる男
私立探偵沢崎シリーズの長編の既刊をすべて読んでしまったので、最後にとっておいた短編集を読んだ。
長編と長編の間に起きた事件だけど、長編で出て来た人の初登場はここだったのか、と思うことしばしば。
沢崎は子どもに対しても不愛想だし、必ずしもハッピーエンドではないけれど、やっぱり面白くて一気に読める。
というか、長編はプロットが複雑で、登場人物も錯綜して一筋縄ではいかないけれど、短編は事件がひとつなのでとても読みやす野である。
これは、短編の方が好きという人もいるかもしれない。
私はどちらも好きだけど。
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非常に面白かった!これは当たりだった。
毎話行われる謎解きは、注意して読んでいれば気付けたはず、と悔しくなってしまうが納得もできるものばかり。登場人物も魅力的。
文章自体にもいつも皮肉まじりのユーモアがある。
ただ、これがシリーズものであることを知らず読み始めてしまったので、早く前作までが読みたい。
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"沢崎さんという探偵が主人公の短編集。緻密な事実を積み上げ、読者にも情報として与えていながら、ぼんくら読者は最後の方で、推理する論点となる矛盾を突き付けられ、なるほどと感心してしまう。
さらば長き眠り
を本日購入した。沢崎探偵の活躍をまだしばらく楽しめるのは、この上ない幸せだ。"
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一九九〇年に単行本として刊行され、一九九七年に文庫化された連作短編集。昭和から平成にかけての新宿付近を主な舞台に展開されるハードボイルド。物語の世界に没入するまで少し時間がかかったが、主人公である私立探偵の沢崎のキャラクターに馴染んでからは、ぐいぐいと引き込まれていった。ハードボイルドではあるが後味はよく、文庫化にあたって書き下ろされた「探偵志願の男」も、後日談として洒落ている。
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探偵、沢崎のいつものスマートな立ち振る舞いがオムニバスで楽しめる一冊。沢崎を煙たがる刑事たちとのやり取りでは、沢崎の一枚も二枚も上手な発想と言葉が爽快(2人の容疑者の供述を聞いた刑事が「どちらかが嘘をついている」と言うと、沢崎は「なぜどちらも嘘をついている、と考えない?」と返し、お株を奪ってしまう、等々)。物事の見方や発想にも影響を与えてくれる沢崎シリーズはやっぱり気になってしまいます。
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ハードボイルドの私立探偵は未成年にも優しかった。6つの事件は探偵家業に相応しいのか、いや仕事を引き受ける基準は金儲けではない沢崎の真骨頂のストーリー。最後に書き加えられた短編で探偵になった経緯が少し明かされる。
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沢崎探偵シリーズ第三作。
短編集。
でもその魅力、言葉の切れ味はまったく失われない。
混乱したのは、時代設定。
無意識にかなり前、自分が生まれる前とは言わないが、
少なくとも大人になるかなり前だと思っていた。
国鉄しかり、拳銃強盗しかり、富士銀行しかり。
しかし、NTT? ソ連のアフガン撤退? 平成元年?
ときては、衝撃と受けながら、認識を改めざるを得なかった。
今後どうなっていくのか、沢崎探偵は。
心ならずも少年の依頼を受けてしまった「少年の見た男」が一番面白かったかな。
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平成の初頭にタイムスリップしたかのようだ。「子供を失った男」のラストが印象的。
ところで、沢崎は優秀だが、ろくに報酬をもらっていない気がする。渡辺探偵事務所の経営は大丈夫なのだろうか。
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シリーズ3作目は短編集。
それぞれ短い物語ながらも、
沢崎の格好良さは存分に
発揮されていた。
話自体が面白いのに、
意外な結末も用意されているのは
見事だった。
沢崎が自ら進んで
事件に首を突っ込んでいる感じが
ちょっと似合わなかったけど。
時々現実の事件や出来事が
チラッと描写されているのも
読んでいてニヤりとさせられた。
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すごーく久しぶりに、読み応えのある本だった。
じっくり練られてきちんと書かれた本。
当たり前のことなんだけど、わたしみたいな乱読してると、意外と貴重だったりする。
クールな探偵さんが今度は子どもたちを相手に、相変わらずの良い味を出してる。
最初は拒否反応のあったハードボイルドだけど、もうこの世界が居心地良くなってる。
探偵さんの推理の飛躍っぷりにびっくりするところもままあるけど、その理由を聞くと「なるほど」って納得。
そっか、題名の「天使」って、子どもたちのことだったんだ。
ハードボイルドに興味があったら、入門書としてぜひこれを。
これなら女性にも読みやすいと思う。
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好きな探偵、沢崎がさらっと解決するいくつかの案件の短編集。
どんな言葉もシニカルに打ち返す沢崎が相変わらず“ひねくれてて”素敵。
身近に居たら、取りつく島も無いのかもしれないが。
さくっと読める。が、これを読んだら、
原尞作品をコンプリートしてしまうので、
ちびちび読んだ。
早く別の事件を読みたい!
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ハードボイルドな文体に触れたいと思って拾い読みしてたら、結局全部読んでしまった。
何度読んでも、やっぱり沢崎は寂れた探偵事務所で燻ってる器じゃないよ。
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原 りょう さんの
「天使たちの探偵」を読みました。
これは、探偵沢崎シリーズです。
ショート集ですが、タイトルの「天使」が何であるか、
考えながら読んでいくのも面白いと思います。
「探偵沢崎シリーズ」と言うこともあり、
随所に「そして夜は甦る」や
「私が殺した少女」の内容が描かれていて、
『そういえば、こんな事もあったな』と、
自分も探偵の気分にさせてくれる本です(笑
読者である私は、
探偵沢崎のように、記憶力がよくないので、
結構忘れかけている内容もあります(笑
短いので一気に読めます。
お薦めです。
評価:★★★★
Posted by ブクログ
沢崎シリーズの3冊目にして短編集。
なので長編とは違い、まさにいつものしがない探偵の地味な仕事ばかりなので、いきなりこれを読んでもあまり楽しめないかもしれない。
私は前二作で沢崎というキャラクターとこのシリーズの世界観に愛着をもっていたので充分に楽しめました。
長編の合間の箸休め的に気軽に読めるのがいいですね。
Posted by ブクログ
1話目を呼んだ時、終盤に差し掛かったがページ数的にはまだまだだったので
「これから事件はさらに疾走するに違いない!!」と思っていたら、無事完結した。
「???」と思ったが、なるほど、短編集だったのね。
短くても面白い。
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これで原?の探偵シリーズ全部読み終わっちゃった…寂しいです。ハードボイルドミステリかな?四十路男で金もなく友もない(多分)ひたすらストイックな探偵沢崎が未成年の関わる事件を解決していく短編集。
沢崎のさりげなさがとても好きです。「子供を失った男」と「選ばれる男」が良かった。
Posted by ブクログ
6つの短編。
ひとつ50頁程度なので、非常にさくさくと話が進み
犯人(?)が分かって把握しやすかったです。
子供が依頼人だったり、美人局状態の落ちがあったり
うっかり無意識で分かってしまったり。
読んでいるこちらも違和感を覚えないといけないのに
そのまま読んで、やられた! な気分になっていました。
Posted by ブクログ
友人が誤って2冊買ったからと頂く。昭和臭漂うハードボイルド探偵推理小説。発表順の短編集。最後の「選ばれる男」と書きおろしの「探偵志願の男」がよかった!
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長編ほど話の深みはないだろうとこれだけ読んでいなかったけれど、沢崎のキャラクターが多面的に掘り下げられてるように思えてこれはこれで全然ありだった。
年に一回くらいでいいから、短編で新作書いてもらいたい。
Posted by ブクログ
私立探偵沢崎シリーズの短編集。長編だと、前二作のような【どんでん返し】を少し警戒してしまう自分がいるので、今回の短編集はリラックスして楽しめた。全編佳作揃いで、トータル三百頁弱とは思えない濃密度。昭和から平成にかけての前時代的なテイストは漂うものの、決して古臭さを感じさせない硬派な世界観は本作も健在。収録作品では二本目、四本目、六本目が面白かった。後日談を描いた掌編では探偵沢崎の誕生秘話も明かされ、見事に作品を締めてくれる。やはり探偵は孤独で寡黙で酸いも甘いも味わった中年男性でなければ説得力が出てこない。
Posted by ブクログ
面白かったけど、読んでいてドキドキワクワクが少ない。長編だと色々考えながら読むから楽しめるのかな。次のさらば長き眠りは読みごたえありそうだから期待したい。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
ある女のひとを守ってほしい―沢崎の事務所を訪れた十才の少年は、依頼の言葉と一万円札五枚を残して、雨の街に消えた。やむなく調査をはじめた沢崎は、やがて思いもかけぬ銀行強盗事件に巻き込まれることに…私立探偵沢崎の短篇初登場作「少年の見た男」ほか、未成年者がからむ六つの事件を描く、日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞受賞の連作集。