原リョウのレビュー一覧

  • それまでの明日
    2022.11.2

    うーん。作中の雰囲気とか、登場人物の描写はすごく好きなんだけど、ストーリーはよく分からなかった。というか、厳密に言うと分かるんだけど、分かりづらいというか、分かったところでなんなのだ、という。

    ご自身で遅筆と仰られているが、この作品は13年かかったそうで。次作は何年後になるの...続きを読む
  • 私が殺した少女
    前作に続いて実にハードボイルドで、前作よりもドライブが増してエンタメ力アップしている。

    書き出しから実にハードボイルド。

    「夏の初めの昼下がり頃だった。(中略)道路は混まず、外気はさわやかで、ブルーバードはいつになく快調だった。私のツキもそこまでだった。まるで拾った宝くじが当たったように不運な一...続きを読む
  • 私が殺した少女
    通勤の電車内で読んでいるので時間は少し掛かったが、読み始めると次が気になっていたのでそれなりに面白かったのだろう。
    途中探偵の物言いや行動が気になってきたので、もういいかと読むのを止めようかとも思ったが、読み続けられたのは最後のどんでん返しを期待したからだ。
    でも何となく予想できちゃったんだよな。
  • それまでの明日
    原寮の作品に駄作なしと書いたことがあるけど不安になってきた。
    初期発生の事件が曖昧な処理だし終盤の終わらせ方も全然ハードボイルドじゃない。
  • 愚か者死すべし
    ストーリーの展開になかなかついていけず主人公の行動に振り回されてしまった。なぜこの結びつきを疑ったのか?など、わからないことだらけ。でも、心地よいスピード感にのせられて一気に読んでしまう。
  • 私が殺した少女
    ハードボイルド特有の面倒な言い回しに、最初は苛立ちましたが、収束のさせ方はさすがでした。
    後味がいいとは言いかねる題材ではありましたけど。
  • 愚か者死すべし
    メインの狙撃事件に脇筋が様々に絡んで錯綜するという、いつものハードボイルド流。ただ今回は脇筋の方が、登場人物に何度も「ほら話」と言わせなければならないほど荒唐無稽で、ために、お話全体が浮ついた感じがある。プロットに破綻はないが、事の真相は少しイージー過ぎるかも知れない。あと、頑固は沢崎の美質のはずだ...続きを読む
  • 私が殺した少女
    1人の娘が誘拐され、犯人は身代金を要求。犯人は、その引き渡し人に探偵である沢崎を指名。沢崎は身代金の運搬役に指名され、犯人の命令に駆けずり回されるが、思わぬ邪魔により、失敗。
    その後、少女は遺体で発見される。

    以後、様々な謎が明らかになり、最後にはどんな結末になるのか。読み始めると、量は多いが止ま...続きを読む
  • そして夜は甦る
    探偵 沢崎シリーズ 第一弾。

    沢崎の探偵事務所に一人の男がやって来て「佐伯を探してくれ、ここへやって来たはずだ」と言うのだが沢崎には何のことか分からないところから始まる。

    その後別の佐伯の妻からも同じ依頼を受けることとなり佐伯を探し始める。

    王道を行く探偵小説で物語の本筋から外れた枝葉も面白い...続きを読む
  • 私が殺した少女
    誘拐事件に巻き込まれる探偵物語なり。
    テンポがよくて、話の進め方がうまいので
    一気に読めた。読み物としてはかなり面白いと思う。

    しっかし、なんでブルーバード連呼すんだろ。
    「車」でよくね?
  • それまでの明日
    本当に久しぶりの原りょうの新作。初期の作品に比べて軽くなった印象の文体で、うまくミスリードしていく展開は流石だが、終盤の謎解きに唐突感があって、残念ながら納得感は薄い。及第点以上の作品だと思うが、この著者だけに、よりハイレベルなものを求めてしまう。
  • 私が殺した少女
    一部で大人気のハードボイルド作家、原?の直木賞受賞作。
    探偵「沢崎」が活躍する著者の2作目。
    友人の勧めにより読んでみる事に。

    内容は、ある誘拐事件の容疑者と疑われてしまった沢崎が
    その事件に深く関わっていきながら
    真実に辿り着く…という、いわば普通の探偵物ミステリー。
    ただし最後に思い切ったどん...続きを読む
  • それまでの明日
    ’19年版「このミス」1位作品。

    THE・ハードボイルド。
    ハードボイルドは結構好きだけど、これってミステリーになるのかな?という単純な疑問が残った。

    完全にハードボイルド小説だと認識して(ミステリー小説とは思わないで)読んだ方が楽しめそう。
  • それまでの明日
    シリーズ14年ぶりの新作だが、探偵沢崎は何らお変わりなく。今作も過去作同様に入り組んだプロットだが、事の顛末に至っては従来のどんでん返しが封印され、ミステリーの山場としては少々盛り上がりを欠く仕上がり。原先生が御歳を重ねたことによる作風の変化は必然的だが、人生と家族という先立つテーマを前に沢崎シリー...続きを読む
  • それまでの明日
    私立探偵・沢崎のもとに望月皓一と名乗る金融会社の支店長が現われ、料亭の女将の身辺調査をしてほしいという。が、女将は既に亡くなっており、顔立ちの似た妹が跡を継いでいた。調査対象は女将か、それとも妹か? さらに当の依頼人が忽然と姿を消し、沢崎はいつしか金融絡みの事件の渦中に。「伝説の男」の復活に読書界が...続きを読む
  • 天使たちの探偵
    長編ほど話の深みはないだろうとこれだけ読んでいなかったけれど、沢崎のキャラクターが多面的に掘り下げられてるように思えてこれはこれで全然ありだった。
    年に一回くらいでいいから、短編で新作書いてもらいたい。
  • 愚か者死すべし
    相変わらず面白いが、偶然の色合いが濃すぎる気がする/ いや、探偵事務所と法律事務所は事件に関係なかったのだからどうでもいいかもしれないが/ 不幸にも同じ銀行で同時刻に厄災級の事件が発生して、それがぶつかってしまう/ それぞれ別の解決を辿るが、それぞれの犯人たちは無関係に過ごすのはいいと思う/ このシ...続きを読む
  • さらば長き眠り
    やはり面白い/ タイトルの意味が解ったところで愕然とする/ 話の引っ張り方とネタの出し方がしっかりコントロールされている/ 事件が舞い込む設定も良い/ 高校球児、能の家元、浮気した主婦、チャラついた業界人、クセの強いマンション管理人、博奕や酒で身を持ち崩す男たち、浮浪者/
  • 愚か者死すべし
    シリーズ第二期の一発目ということで、前作までと毛色の異なる部分が幾つか見受けられた。携帯電話の登場もその一つだが、物語のスケールが一段大きくなった様子。入り組んだプロットは数多くの偶然と唐突に告げられる真実なしに成立し得ないが、それが原先生【らしさ】満載で楽しめた。しかし、根来メモや事件の顛末は些か...続きを読む
  • さらば長き眠り
    私立探偵沢崎シリーズ長編三作目にして、第一期完結巻。約六百頁の分厚さで、読み応え十分。過去作のキャラクター次々参入のオールスター戦に加え、渡辺絡みの三つ巴の因縁もついに決着。そして、肝心の本編はこれまた濃密。ひとつ可能性を潰す度に発覚する新たな謎は高揚感を煽るし、相棒役のホームレス・枡田とのやり取り...続きを読む