原リョウのレビュー一覧
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ネットで見かけて。
とくにハードボイルドが好きな訳ではないと思う。
暴力にも、カーチェイスにも、銃撃戦にも、ましてや美女にも
興味はない。
ただそれらを含んでいても含んでいなくても、
心魅かれるものがあるとすれば、
それは、多分、男の「強がり」なのだと思う。
「美学」とも「やせがまん」とか、
呼びたい人は呼べばいい。
誰にも、何にも囚われないおのれ一人の哲学だけで生き、
障害に対してそれを貫く強さ。
そういう意味では、
金も名も求めず自分の技だけを追求する「職人」に似ているのかもしれない。
謎解きも面白かったし、
どう見ても実在の政治家と俳優の兄弟をモデルとした登場人物は、
都知事とな -
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大晦日からの数日の出来事を描いた、沢崎さんという探偵が主人公のハードボイルドミステリー。いくつもの犯罪が交錯する中、真相に迫っていく。
この『愚か者死すべし』は前作から9年の歳月がたって発表されている。2004年11月に発売されている。長い間ファンは待ち続けないといけない。
でも、待ったかいがあった。面白い作品に仕上がっている。でも、長いなぁ~
本作品の続編、『それまでの明日』は2018年に発売された。14年ぶりになる。この作品を読み終わってしまうと、また10年待たねば新作を読めないと思うと、今から五年後に読んでみてた方が、次作を待つストレスは軽減されるかもしれない? -
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【密霧の先に】私立探偵として生計を立てる沢崎は、消えたルポライターの捜索依頼を受ける。佐伯と名乗るその男は、妻との離婚を目前に控えて忽然と姿を消してしまったのだが、沢崎は彼がある特ダネを追っていたことを知り......。著者は、本作で山本周五郎賞を受賞している原尞。
緻密なミステリーラインが魅力的なことはもちろんのこと、沢崎を中心に広がるこの世界観がたまらない作品。ジャンルに落とし込めばハードボイルドということになると思うのですが、この渋い小説世界にどっぷりと身を浸したくなる一冊でした。
〜彼らはいつも肝腎なことを見落とす。真実を伝えると言うが、所詮はその程度のことだった。〜
沢崎シリー -
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渡辺探偵事務所に勤務する沢崎が主人公のシリーズ、長編3冊目。
今回も、沢崎探偵の事実を積み上げていく捜査を共に歩み、時に痛い目にあいながらも、持てる駒の中から次の一歩を踏み出す。
本書は今までの文庫本の中でも特に分厚いページ数があり、読み始める勇気を奮い起して読み始めたが、気が付くとあと数ページとなるほど時を忘れて読みふけてしまう作品になっている。
作者である原さんは、綿密な下調べを行うためか、作品の発表までに時間がかかる。本作は前作から5年後に発表されたものだとあとがきにある。新作として待ちわびるリアルタイムで過ごした人たちは、辛抱強く待ち続けるしかない。
『愚か者死すべし』が次に発表された -
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前作「天使たちの探偵」(短編集)から5年ぶりに上梓された本作!
いや~~よかった!!
もうウルウルして「沢崎、おかえり~」なんて思いながら読んでしまいましたよん。
本書の冒頭からもおわかりでしょうが、沢崎自身、400日ぶりに東京へ戻り、探偵業に復活します。
あいかわらずのチャンドラー口調、健在でした。
時々、推理小説ファンでトリックとかを重視する人だったら怒るかもしれない部分がありますが、それは~あなた!沢崎だから許されるんですよん。
その部分っていうのは突然、沢崎が何も前触れなしにピタリと本当のことを当ててしまうところなんですけど。
本書もなんともいえない暗い余韻がありました。
これまた素 -
Posted by ブクログ
西新宿の私立探偵・沢崎が主人公。実はシリーズもので、本作の1年前に出た『そして夜が甦る』が1作目。作中にも、前作をうかがわせる記述がところどころにあるのだが、ストーリー的には前作を読んでいないとわからないことはないと思われる。
探偵・沢崎のもとに依頼の電話が入る。行方不明の家族を探す依頼だったが、「依頼人」宅に行ってみると、すでに警察がいて、沢崎は誘拐犯の一味と疑われる。わけがわからないまま、彼は少女誘拐事件に巻き込まれ、「犯人」の指示で身代金受け渡し役を引き受ける羽目になる。あちらこちらと振り回されて、挙句に殴られ、身代金を奪われる。
少女はバイオリンの名手で、将来を期待されていた。その家