原リョウのレビュー一覧

  • そして夜は甦る

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    "昭和の探偵小説。物語の真相は読み返して確認したくなるほど込み入っている。
    酒とタバコと自分で決めたルールは曲げないこだわりと粋なセリフで構築された物語は最後まで読者を飽きさせない。"

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    2018年11月25日
  • そして夜は甦る

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    あまりに、チャンドラーのエピゴーネンで、その潔さが却って清々しい位。
    一人称の視点・短い文章・気の利いた(風に見える)科白回し等々。
    「私が殺した少女」をかなり前に読んだから詳細を忘れていたが、ああそうなんだったなと思い出した。

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    2018年07月08日
  • さらば長き眠り

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    探偵沢崎シリーズ第三弾。今回はシリーズでも随一の人間関係の複雑さ。このシリーズは相関図を付けて欲しいところ苦笑。今回は400日ぶりに探偵業に復帰するところから話は始まる。なぜ400日振りなのかというのも後々明かされることになるが、本流の事件とは別にこちらも衝撃的な事実が明らかとなる。その事実により本シリーズは転換点を迎えると言ってもいいだろう。肝心のストーリだが、今回は依頼人にたどり着くまでの話も長く、また依頼を受けてからの展開も少々冗長な印象。もう少しスピーディーな展開でも良かったのでは。しかし会話とストーリの妙を楽しむのがこのシリーズの持ち味でもあるから(あくまで個人的意見ですが)それを求

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    2018年05月16日
  • さらば長き眠り

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    脱線が上手い。

    とある過去の自殺が、「実は他殺なのか?」という疑惑が起こる。
    かつての証言者を尋ねる主人公。それぞれが抱える闇。気まずさ。ちょっとした嘘。
    じりじりと浮かび上がる、誰も知らなかった真実...。

    だが。

    結局は、自殺だった。
    さらに。

    重要な秘密を抱えていそうな依頼人が夜道で襲われる。重体。
    「犯人の顔は見れなかった」。
    果たして、誰が?なぜ?

    依頼人の家族や周囲、過去をめぐるどろどろした人間模様が暴かれて行く...
    そして...犯人は...誰だ...

    だが。

    結局は、「小銭欲しさの、通り魔の犯行だった」。



    要約して書くと、「おいおい!」と苦情を入れたくなる

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    2018年01月21日
  • 天使たちの探偵

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    シリーズ3作目は短編集。
    それぞれ短い物語ながらも、
    沢崎の格好良さは存分に
    発揮されていた。
    話自体が面白いのに、
    意外な結末も用意されているのは
    見事だった。
    沢崎が自ら進んで
    事件に首を突っ込んでいる感じが
    ちょっと似合わなかったけど。
    時々現実の事件や出来事が
    チラッと描写されているのも
    読んでいてニヤりとさせられた。

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    2017年06月13日
  • 愚か者死すべし

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    沢崎という探偵の 推理力、観察力が 
    なんとも言えないほどの
    推進力があり 本質に 迫っていく。

    不思議な 事件が つぎつぎに起こっていく。
    ヤクザの組長と 足を洗った料理人と その兄弟関係。
    フィクサーのような老人とそれに連れ添う美女。
    フィクサーの寝言で、政治家が 恐れ戦く。
    それに眼を付けて、金を奪おうとする 
    スズキイチロー、ノモヒデオ。
    警察のウラを知りぬいて、駆け上っていく刑事。
    それが複雑に絡み合って事件の真相が明らかになっていく。

    人間が沢山でて来るので、
    最初に 登場人物の紹介があって、わかりにくいものが
    すこし、わかりやすくなっているのは、助かる。

    でも、どうして と

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    2018年03月05日
  • 天使たちの探偵

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    すごーく久しぶりに、読み応えのある本だった。
    じっくり練られてきちんと書かれた本。
    当たり前のことなんだけど、わたしみたいな乱読してると、意外と貴重だったりする。
    クールな探偵さんが今度は子どもたちを相手に、相変わらずの良い味を出してる。
    最初は拒否反応のあったハードボイルドだけど、もうこの世界が居心地良くなってる。
    探偵さんの推理の飛躍っぷりにびっくりするところもままあるけど、その理由を聞くと「なるほど」って納得。
    そっか、題名の「天使」って、子どもたちのことだったんだ。
    ハードボイルドに興味があったら、入門書としてぜひこれを。
    これなら女性にも読みやすいと思う。

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    2015年05月09日
  • さらば長き眠り

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    4+ 

    後に沢崎ものは一作出ているが、本作はこれまで続いていた因縁にケリがつくと言う意味では集大成。過去作のキャラクター達がちょいちょい登場したりするのもオールスター的雰囲気で良い。故にこれまでの作品を事前に読んでいた方がより楽しめるだろう(と言っても数が少ないのだが)。 個人的には本作の沢崎が一番かっこよく感じた。マーロウ的ではない沢崎らしさのようなものが見え、一皮むけた感がある。まあ読み終えてみれば、そう感じたのももっともであるとわかるのだが。いずれシリーズまとめて読み返したい(何しろ数が少ないのだから)。

    ところで冒頭の登場人物表に誤字がある。よりによってシリーズにとって重要なこの人

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    2013年08月17日
  • ハードボイルド

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    私が日本人で一番好きなハードボイルド作家・原尞(はらりょう)の小説以外のお仕事をまとめた本。
    もともと「ミステリオーソ」という単行本ででてたのを、増補分冊したうちの一冊。
    もう一冊はそのまま「ミステリオーソ」というタイトルで音楽や映画関連をまとめてあって(未読)、こちらは海外小説の後書き・エッセイ・対談・未収録短編などを本にまつわるものをまとめたもの。
    チャンドラーへの敬愛、他の作家達への尊敬、小説論などがかいま見えて非常に面白かった。

    原尞はもともと我流のジャズピアニストをやっていて、映画の脚本などをやったあとに、思い立って探偵小説を書きだしたという、なかなか異色でかっちょええ経歴の持ち主

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    2013年08月15日
  • 天使たちの探偵

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    好きな探偵、沢崎がさらっと解決するいくつかの案件の短編集。
    どんな言葉もシニカルに打ち返す沢崎が相変わらず“ひねくれてて”素敵。
    身近に居たら、取りつく島も無いのかもしれないが。

    さくっと読める。が、これを読んだら、
    原尞作品をコンプリートしてしまうので、
    ちびちび読んだ。

    早く別の事件を読みたい!

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    2013年06月06日
  • ハードボイルド

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    原さんの、膨大な読書量に圧倒されるとともに、
    チャンドラー愛が存分に伝わってくる本。
    長編以外の沢崎ストーリーが読めるのも嬉しい。

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    2013年05月16日
  • さらば長き眠り

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    ネタバレ

    沢崎の3弾目。一応、シリーズの完結版らしい。
    相変わらず洒脱な語口の沢崎だが、肉体的にも大変な目にあいつつも
    真相にたどり着く様が素敵だ。
    しかし、沢崎だけが分かっているような、「え?!どういうこと??」なシーンも相変わらずあって、どの辺が伏線だったのかわからないとこもあった。
    恐らく、自分の読みの甘さだと思うが、不可解なまましばらく進まざるを得なかったので、多少の消化不良を以て★4つ。


    渡辺と沢崎の、パートナーシップの深さは何に例えられるだろう。

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    2013年05月13日
  • 愚か者死すべし

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    原 尞の再開シリーズの第1作となるはずだったが、出版後7年が経過しても第2作がでていないので、過去形で書いてしまってもいいのだろう。結局このミステリーが面白いかどうかは沢崎のスタイルが好きになれるかどうかだと思う。ハードボイルド推理小説を読み込んでいたころには、この雰囲気に浸りやすかったが、久しぶりに読んでみるともっと人情味あふれるといったありきたりの表現をされるさえない探偵や刑事に惹かれたりする。感想も沢崎調になってしまう自分もどうかと思うが、今でもこういった探偵が新宿の裏通りを歩いているのかどうか私は知らない。

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    2011年12月23日
  • 天使たちの探偵

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    ハードボイルドな文体に触れたいと思って拾い読みしてたら、結局全部読んでしまった。
    何度読んでも、やっぱり沢崎は寂れた探偵事務所で燻ってる器じゃないよ。

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    2011年05月25日
  • 天使たちの探偵

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    原 りょう さんの

    「天使たちの探偵」を読みました。


    これは、探偵沢崎シリーズです。

    ショート集ですが、タイトルの「天使」が何であるか、

    考えながら読んでいくのも面白いと思います。

    「探偵沢崎シリーズ」と言うこともあり、

    随所に「そして夜は甦る」や

    「私が殺した少女」の内容が描かれていて、

    『そういえば、こんな事もあったな』と、

    自分も探偵の気分にさせてくれる本です(笑

    読者である私は、

    探偵沢崎のように、記憶力がよくないので、

    結構忘れかけている内容もあります(笑

    短いので一気に読めます。

    お薦めです。


    評価:★★★★

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    2010年10月05日
  • 天使たちの探偵

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    沢崎シリーズの3冊目にして短編集。
    なので長編とは違い、まさにいつものしがない探偵の地味な仕事ばかりなので、いきなりこれを読んでもあまり楽しめないかもしれない。
    私は前二作で沢崎というキャラクターとこのシリーズの世界観に愛着をもっていたので充分に楽しめました。
    長編の合間の箸休め的に気軽に読めるのがいいですね。

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    2010年09月20日
  • 天使たちの探偵

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    美しくハードボイルド!沢崎さんは読むたびに惚れますね。ミステリーとしては比較的予想がつきやすいです。短編集だからかな

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    2010年02月21日
  • さらば長き眠り

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    前作「天使たちの探偵」(短編集)から5年ぶりに上梓された本作! いや~~よかった!! もうウルウルして「沢崎、おかえり~」なんて思いながら読んでしまいましたよん。本書の冒頭からもおわかりでしょうが、沢崎自身、400日ぶりに東京へ戻り、探偵業に復活します。
    あいかわらずのチャンドラー口調、健在でした。時々、推理小説ファンでトリックとかを重視する人だったら怒るかもしれない部分がありますが、それは~あなた!沢崎だから許されるんですよん。その部分っていうのは突然、沢崎が何も前触れなしにピタリと本当のことを当ててしまうところなんですけど。
    本書もなんともいえない暗い余韻がありました。これまた素敵なところ

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    2009年10月24日
  • さらば長き眠り

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    分厚いのよ、結構分厚いのよ。(京極程では全くないが)
    しかし、それを感じさせない面白さがある。
    沢崎シリーズを読むと毎度思うのだが、真相を予想する時は
    「思考をドラスティックに変換」する必要があると思う、
    だってさ、結構「どっからそんな話になった?」てあるし。
    悔しいかな面白さが勝つけど…

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    2009年10月04日
  • 天使たちの探偵

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    1話目を呼んだ時、終盤に差し掛かったがページ数的にはまだまだだったので
    「これから事件はさらに疾走するに違いない!!」と思っていたら、無事完結した。
    「???」と思ったが、なるほど、短編集だったのね。
    短くても面白い。

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    2009年10月04日